生理中に食欲がない時、何も食べないと体調が悪化しないか心配になることがあります。
食欲不振の原因はホルモンバランスの変化や生理痛など様々です。
無理に食事を摂る必要はありませんが、栄養不足は不調を悪化させる可能性もあります。
この記事では、生理中に食欲がない場合の具体的な対処法や、食べない時にどうするべきか、おすすめの食事を紹介します。
生理中に食欲がなくなる4つの主な原因
生理中に食欲が減る、または完全になくなるのには、いくつかの理由が考えられます。
多くの女性が経験する症状ですが、なぜ食欲がなくなるのか、その背景にある主な理由を知ることで、過度な心配を減らし、適切に対処できます。
ホルモンバランスの変化が胃腸に直接影響するだけでなく、生理に伴う様々な身体的・精神的な不調も食欲減退に関係しています。
ホルモンバランスの乱れで胃腸の働きが弱まる
生理中は、プロスタグランジンというホルモン様物質の分泌が活発になります。
この物質は子宮を収縮させて経血を排出する働きをしますが、同時に胃や腸など周辺の臓器も収縮させてしまうことがあります。
その結果、胃腸の働きが低下し、胃もたれや吐き気、下痢などを引き起こし、食欲不振につながります。
特に生理の始まる直前から前半にかけて、この影響を強く受ける傾向が見られます。
生理痛やだるさが食欲不振につながる
生理痛、頭痛、腰痛といった痛みや、体のだるさ、強い眠気などの不快な症状は、それ自体がストレスとなって自律神経のバランスを乱します。
自律神経は胃腸の働きをコントロールしているため、バランスが崩れると消化機能が低下し、食欲がわかなくなります。
痛みが強いほど食事を摂る気力も失われがちになり、身体的な不調が精神的なストレスとなって食欲不振をさらに助長する悪循環に陥ることもあります。
貧血(鉄欠乏)による体調不良
生理中は経血とともに多くの鉄分が体外へ排出されるため、貧血(鉄欠乏性貧血)になりやすい状態です。
鉄分は全身に酸素を運ぶヘモグロビンの材料となるため、不足すると体が酸欠状態に陥ります。
これにより、めまい、立ちくらみ、倦怠感、動悸、頭痛といった症状が現れ、体調不良から食欲が低下することがあります。
普段から貧血気味の人は、生理中に症状が悪化し、食欲不振をより強く感じる傾向があります。
服用している鎮痛薬の副作用
生理痛を和らげるために鎮痛薬を服用する人も多いですが、薬の種類によっては副作用として胃腸に負担をかけるものがあります。
特に、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と呼ばれるタイプの鎮痛薬は、痛みの原因物質であるプロスタグランジンの生成を抑える一方で、胃の粘膜を保護する働きも弱めてしまうことがあります。
その結果、胃痛や胃もたれ、吐き気といった消化器症状が現れ、食欲不振につながる場合があります。
生理中に何も食べないとどうなる?体への影響とは
生理中はただでさえ心身ともにデリケートな時期であり、食欲がないからといって食事を全く摂らない状態が続くと、体に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。
エネルギー不足は、生理に伴う不快な症状をさらに悪化させる一因となりかねません。
ここでは、生理中に何も食べないことで起こりうる具体的な体の変化やリスクについて解説します。
栄養不足で貧血や倦怠感が悪化する可能性
生理中は経血によって鉄分が失われ、貧血になりやすい状態です。
食事を抜くと、鉄分だけでなく、血液を作るために必要なたんぱく質やビタミンといった栄養素も不足します。
これにより貧血がさらに進行し、めまいや立ちくらみ、倦怠感が悪化する可能性があります。
また、食事から得られるエネルギーが不足すると、体は極度の疲労状態に陥り、ささいなことでも疲れやすくなるなど、日常生活に支障をきたすことも考えられます。
体力が低下し生理痛がひどく感じることも
食事を摂らないことによるエネルギー不足は、体力の低下に直結します。
体がエネルギー不足に陥ると、体温を維持する力が弱まり、体が冷えやすくなります。
体の冷えは血行不良を招き、生理痛の原因となるプロスタグランジンの排出を滞らせるため、痛みをより強く感じさせてしまう可能性があります。
さらに、体力が低下すると痛みに対する抵抗力も弱まるため、普段よりも生理痛がひどく感じられることがあります。
食欲がない生理中におすすめの食事と栄養素
生理中で食欲がない時は、無理して普段通りの食事を摂る必要はありません。
胃腸に負担をかけず、効率よく栄養を補給できる食べ物を選ぶことが重要です。
体を温め、消化しやすいご飯や、水分と栄養を同時に摂れるメニューがおすすめです。
ここでは、食欲がない時でも口にしやすい食事や、簡単なレシピで取り入れられる栄養素について紹介します。
おかゆやうどんなど消化に良い炭水化物でエネルギー補給
食欲がない時でも、体のエネルギー源となる炭水化物は最低限摂取することが望ましいです。
おかゆや雑炊、よく煮込んだうどんなどは、消化が良く胃腸への負担が少ないため、効率的にエネルギーを補給できます。
温かい状態で食べることで体の中から温まり、血行促進にもつながります。
梅干しや卵などを加えると、塩分やたんぱく質も同時に補給できるため、より栄養バランスが整います。
無理のない範囲で少しずつ口に運ぶのが良いでしょう。
スープや味噌汁で水分と栄養を同時に摂取
温かいスープや味噌汁は、食欲がない時でも比較的飲みやすく、水分と栄養を同時に摂取できる優れたメニューです。
豆腐やわかめ、野菜などを具材にすれば、たんぱく質やビタミン、ミネラルも補給できます。
特に、体を温める効果のある生姜を入れたスープは、血行を促進し、冷えによる不調や生理痛の緩和にも役立ちます。
固形の具材を食べるのがつらい場合は、野菜を煮込んでポタージュにするのも良い方法です。
ゼリー飲料や果物なら無理なく口にしやすい
固形物を全く受け付けない「食欲ゼロ」の状態の時は、ゼリー飲料や果物を試すのがおすすめです。
ゼリー飲料は喉ごしが良く、エネルギー、ビタミン、ミネラルなどを手軽に補給できるよう設計されています。
また、バナナやりんご、桃といった果物は、消化が良く、自然な甘みで食べやすい上に、ビタミンや食物繊維も豊富です。
特にバナナはカリウムを多く含み、むくみの解消にも役立ちます。
冷たいものは体を冷やすため、常温に戻してから食べると良いです。
鉄分を補うレバーやほうれん草を取り入れる
生理中は貧血予防のために、鉄分を意識的に摂取することが重要です。
鉄分には、肉や魚に含まれる吸収率の高い「ヘム鉄」と、野菜や海藻に含まれる「非ヘム鉄」があります。
レバーや赤身の肉、あさりなどはヘム鉄が豊富です。
また、ほうれん草や小松菜、ひじきなどには非ヘム鉄が多く含まれます。
非ヘム鉄は、たんぱく質やビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が高まるため、肉や魚、柑橘類などと組み合わせるのが効果的です。
食事以外で試せる!生理中の食欲不振を和らげる3つの対処法
生理中の食欲不振は、食事の工夫だけでなく、生活習慣を見直すことでも緩和が期待できます。
不快な症状の原因となる血行不良や自律神経の乱れを整えることが、心身のコンディションを改善する鍵となります。
ここでは、食事以外で日常的に取り入れられる、食欲不振を和らげるための3つのシンプルな対処法を紹介します。
体を温めて血行を促進する
体の冷えは血行不良を引き起こし、胃腸の働きを低下させたり、生理痛を悪化させたりする原因になります。
腹巻やカイロでお腹周りを直接温めたり、厚手の靴下やレッグウォーマーで足元を冷やさないようにしたりする工夫が有効です。
また、ぬるめのお湯にゆっくり浸かる入浴は、全身の血行を促進し、リラックス効果も得られます。
温かいハーブティーなどを飲んで、体の中から温めるのも良い方法です。
無理せずリラックスできる時間を作る
生理中の不快な症状や痛みは、知らず知らずのうちにストレスとなり、自律神経のバランスを乱して食欲不振を招きます。
意識的に心と体を休ませ、リラックスできる時間を作ることが大切です。
好きな香りのアロマを焚いたり、心地よい音楽を聴いたり、ゆったりとした気分で読書をしたりするなど、自分が安らげる方法を見つけましょう。
無理に活動しようとせず、心身を休めることを優先するのが不調の緩和につながります。
規則正しい生活で自律神経を整える
不規則な生活は自律神経の乱れを助長し、生理中の不調を悪化させる一因となります。
できるだけ毎日同じ時間に起きて、同じ時間に寝るように心がけ、睡眠時間を十分に確保しましょう。
日中に軽いストレッチやウォーキングなどで体を動かすことも、血行を促進し、気分転換になるため効果的です。
規則正しい生活リズムを保つことで自律神経のバランスが整い、ホルモンの変動による影響を受けにくい体作りに役立ちます。
こんな症状は要注意!婦人科を受診すべきサイン
生理中の食欲不振は多くの女性が経験する症状ですが、セルフケアで対応できる範囲を超え、日常生活に大きな支障をきたす場合は注意が必要です。
我慢できるからと放置していると、背景に何らかの病気が隠れている可能性もあります。
ここでは、単なる生理中の不調として見過ごさず、婦人科を受診した方が良い症状のサインについて解説します。
水分補給すら難しいほどの吐き気がある
食事が摂れないだけでなく、水やお茶を飲むことさえつらく、強い吐き気を感じる場合は注意が必要です。
水分補給ができない状態が続くと、脱水症状を引き起こす危険性があります。
脱水は体力の消耗を早め、めまいや頭痛など他の不調をさらに悪化させることにもつながります。
嘔吐を繰り返す、あるいは水分を口にできないほどの吐き気がある場合は、我慢せずに医療機関を受診してください。
日常生活に支障をきたすほどのひどい生理痛
市販の鎮痛薬を飲んでも痛みが全く治まらない、痛みで起き上がれず学校や仕事を休まざるを得ないなど、日常生活に深刻な支障をきたすほどのひどい生理痛は「月経困難症」と呼ばれます。
このような強い痛みの背景には、子宮内膜症や子宮筋腫といった婦人科系の病気が隠れている可能性があります。
痛みを毎回我慢するのではなく、専門医に相談して原因を特定し、適切な治療を受けることが重要です。
数日間で急激な体重減少が見られる
生理中に食事が十分に摂れないことで、ダイエットをしているわけでもないのに数日間で2〜3キロ以上といった急激な体重減少が見られる場合も、注意が必要なサインです。
急激な体重の変化は、体が深刻な栄養不足に陥っていることを示しており、ホルモンバランスのさらなる乱れや、他の健康問題を引き起こす可能性があります。
単なる食欲不振とは異なる原因が隠れていることも考えられるため、一度医師に相談することをおすすめします。
経血量が異常に多いと感じる
食欲不振とともに、経血量が異常に多いと感じる場合も受診を検討しましょう。
具体的には、大きなレバー状の塊が頻繁に出る、昼でも夜用のナプキンを使わないと間に合わない、1〜2時間でナプキンが経血でいっぱいになる、といった状態は「過多月経」の可能性があります。
過多月経は重度の貧血を引き起こし、食欲不振や倦怠感の根本的な原因となっている場合があるため、婦人科での検査が必要です。
生理中の食欲不振に関するよくある質問
生理中の食欲不振は多くの女性にとって身近な悩みですが、それゆえに様々な疑問も生じやすいものです。
食欲がなくなる具体的な理由や、どうしても食べられない時の対処法、また、生理前の不調であるPMSとの関係性など、多くの方が気になる点について解説します。
ここでは、生理中の食欲不振に関連するよくある質問とその回答をまとめました。
Q1.生理中に食欲がなくなるのはなぜですか?
ホルモンバランスの変化で胃腸の働きが弱まったり、生理痛やだるさがストレスになったりすることが主な原因です。
また、経血による貧血や、服用している鎮痛薬の副作用が影響している場合もあります。
これらの要因が複合的に絡み合い、食欲不振を引き起こします。
Q2.食欲がない時、最低限何を食べれば良いですか?
無理に固形物を食べる必要はありません。
エネルギーや水分、ビタミンを補給できるゼリー飲料や、体を温めるスープ、消化の良い果物などがおすすめです。
食べられるものを少量でも良いので、少しずつ口にするように心掛けてください。
Q3.食欲不振はPMS(月経前症候群)の症状ですか?
はい、食欲不振はPMSの症状の一つとして現れることがあります。
生理前に食欲がなくなる人もいれば、逆に過食になる人もいます。
ホルモンバランスの変動が自律神経に影響し、食欲のコントロールが乱れるためです。
症状の現れ方には個人差が大きいのが特徴です。
まとめ
生理中に食欲がなくなるのは、ホルモンバランスの変動や生理痛などが原因で起こる身体の変化の一つです。
無理に食べる必要はなく、おかゆやスープ、ゼリー飲料など、消化が良く口にしやすいものから栄養を摂ることが推奨されます。
体を温め、リラックスする時間を作ることも不調の緩和につながります。
ただし、水分も摂れないほどの吐き気や日常生活に支障が出るほどの不調がある場合は、我慢せずに婦人科を受診してください。







