多嚢胞性卵巣症候群とストレスの関係|仕事が原因?悪化させない対処法

公開日:2026/02/06 

更新日:2026/02/06

多嚢胞性卵巣症候群とストレスの関係|仕事が原因?悪化させない対処法を解説します。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状に悩む中で、「仕事のストレスが原因かもしれない」と感じる方は少なくありません。
ストレスはホルモンバランスの乱れを招き、PCOSの発症や症状の悪化に関与する可能性があります。

この記事では、ストレスがPCOSに与える影響のメカニズムをわかりやすく解説し、日常生活で実践できるセルフケアや医療機関での治療法を紹介します。

ストレスが多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を引き起こす?ホルモンバランスとの関係

ストレスが直接的に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を引き起こすというよりは、症状を悪化させる一因と考えられています。
強いストレスは脳の視床下部や下垂体の働きを乱し、黄体形成ホルモン(LH)の分泌を過剰にさせることがあります。
この影響で卵巣が刺激され、男性ホルモンであるアンドロゲンやテストステロンの分泌が促進されます。

その結果、アンドロゲンと女性ホルモンであるエストロゲンのバランスが崩れ、テストステロン値も正常範囲から外れることで、排卵障害などが起こりやすくなるというメカニズムです。
これにより、PCOSの症状が悪化する可能性があります。

注意!多嚢胞性卵巣症候群の症状がさらなるストレスを生む悪循環

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、その症状自体が精神的なストレスとなり、さらなる症状の悪化を招く悪循環に陥りやすい特徴があります。
月経不順や不妊への焦り、ニキビや多毛といった外見上の変化は、自己肯定感の低下や将来への不安につながります。
こうした継続的なストレスは、うつ病や不安障害、抑うつ状態を引き起こすリスクを高めることが指摘されており、心身両面からのケアが重要になります。

生理不順や不妊の悩みが精神的な負担になる

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の代表的な症状である生理不順は、精神的な負担の大きな要因です。
いつ月経が来るか予測できない状態は日常生活の計画を立てにくくし、常に不安を感じさせます。
特に3ヶ月以上月経がない無月経や、基礎体温をつけても排卵が確認できない無排卵の状態が続くと、「自分の身体はどうなってしまったのか」という焦りや孤独感が募ります。

妊娠を望む場合には、この悩みがさらに深刻化し、妊活のステップが進まないことへのストレスが心に重くのしかかります。
この精神的ストレスがホルモンバランスをさらに乱し、症状を悪化させるという悪循環に陥るケースは少なくありません。

ニキビや多毛など外見の変化がコンプレックスにつながる

PCOSによる男性ホルモンの過剰分泌は、治りにくいニキビや体毛の増加、声の低音化といった外見上の変化を引き起こします。
これらの症状は他人の目に触れやすいため、深刻なコンプレックスの原因となり得ます。
特に、外見への意識が高まる10代の頃からこうした症状に悩み始めると、自己肯定感が低くなったり、人との交流を避けたりする傾向が見られます。

毎日のように鏡を見て落ち込んだり、メイクで隠しきれない肌荒れに悩んだりすることは、精神的に大きな負担となります。
このような日々のストレスが積み重なり、内向的な性格形成や社会生活への意欲低下に影響を及ぼすこともあります。

ストレスを溜めない!今日からできる多嚢胞性卵巣症候群のセルフケア

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状緩和には、ストレスを管理し、ホルモンバランスを整えるセルフケアが役立ちます。
特に肥満傾向がある場合、インスリン抵抗性の改善を目的とした適度なダイエットが推奨されることもあります。

ここでは、自律神経を整える生活リズムの作り方や食事のポイント、心身をリフレッシュさせる運動など、今日からすぐに始められる具体的な方法を紹介します。
自分に合ったケアを見つけ、継続することが重要です。

乱れがちな自律神経を整える生活リズムの作り方

ストレスによって乱れがちな自律神経を整えることは、ホルモンバランスの改善につながります。
まずは毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きることを心がけ、生活リズムの基盤を作りましょう。
特に朝はカーテンを開けて太陽の光を浴びることで、体内時計がリセットされ、心身が活動モードに切り替わります。

夜は就寝1〜2時間前からスマートフォンの画面など強い光を避け、照明を落としてリラックスできる環境を整えると、質の良い睡眠が得やすくなります。
休日も平日と大きく生活リズムを崩さないように過ごすのが理想です。
規則正しい生活は、自律神経のバランスを安定させ、ストレスに対する抵抗力を高める助けとなります。

イライラを抑える食事のポイントとおすすめの栄養素

血糖値の急激な変動は、イライラや気分の落ち込みを引き起こす一因です。
食事は野菜やきのこ、海藻類などの食物繊維が豊富なものから食べ始め、血糖値の急上昇を抑える工夫を取り入れましょう。
白米を玄米や雑穀米に変えるのも有効です。

また、精神の安定に関わるセロトニンの材料となるトリプトファンや、神経の働きをサポートするビタミンB群を意識して摂取するのもおすすめです。
さらに、神経の興奮を鎮める働きのあるカルシウムやマグネシウムも積極的に食事に取り入れると、心の安定につながります。
バランスの取れた食事を心がけ、心身の調子を整えましょう。

心身をリフレッシュする軽い運動やストレッチのすすめ

適度な運動は、ストレス解消に非常に効果的です。
特に、ウォーキングやヨガ、ピラティスといった軽めの有酸素運動は、血行を促進し、自律神経のバランスを整える助けになります。
運動中に分泌されるセロトニンやエンドルフィンといった脳内物質には、気分を高揚させ、リラックス効果をもたらす働きがあります。

激しいトレーニングはかえってストレスになる場合もあるため、心地よいと感じるペースで続けることが重要です。
就寝前に行う軽いストレッチは、筋肉の緊張をほぐし、心身をリラックスさせて質の良い睡眠へと導きます。
まずは1日15分程度からでもよいので、日常生活の中に運動習慣を取り入れ、心身のリフレッシュを図りましょう。

仕事のストレスと上手に付き合うための考え方

仕事のストレスを完全になくすことは困難ですが、考え方や向き合い方を変えることで負担を軽減できます。
まずは、すべての業務を完璧にこなそうとせず、「8割できれば十分」と考えるようにして、自分自身へのプレッシャーを和らげましょう。
また、仕事のオンとオフを意識的に切り替えることも重要です。

退勤後や休日は仕事のメールを見ない、趣味に没頭する時間を作るなど、自分なりのルールを決めて実践します。
一人で抱え込まず、同僚や上司、家族など信頼できる人に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。
ストレスの原因から距離を置く時間を作り、客観的に状況を捉え直すことで、新たな解決策が見つかる場合もあります。

症状を改善するための医療機関での主な治療法

セルフケアを続けても症状の改善が見られない場合は、医療機関を受診することが推奨されます。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断は、問診や血液検査、経腟超音波検査などを用いて総合的に判断されます。

治療法は、排卵障害の改善や月経周期の正常化、男性ホルモンが高い状態の是正などを目的として行われますが、その内容は「妊娠を希望するかどうか」によって大きく異なります。
ここでは、それぞれのケースにおける主な治療法について解説します。

妊娠を希望する場合の治療ステップ

妊娠を希望する多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の場合、排卵を促す治療が中心となります。
最初のステップとして、クロミフェンやレトロゾールといった内服の排卵誘発剤を使用するのが一般的です。
これらの薬で効果が見られない、あるいは子宮内膜が厚くならないといった場合には、次のステップとしてhMG-hCG療法(ゴナドトロピン療法)という注射による排卵誘発が行われます。
この治療は、複数の卵胞が育ちやすい多胎妊娠のリスクがあるため、慎重な管理が必要です。

これらの治療でも妊娠に至らない場合は、体外受精などの生殖補助医療(ART)が検討されます。
また、インスリン抵抗性が認められるケースでは、血糖降下薬であるメトホルミンを併用して排卵しやすくすることもあります。

現時点で妊娠を希望しない場合の治療法

現時点で妊娠を希望していない場合の治療は、乱れたホルモンバランスを整え、定期的な月経周期を確立することを主な目的とします。
長期間無月経が続くと子宮内膜が厚くなり続け、将来的に子宮体がんのリスクが高まるため、それを予防する意味合いもあります。
代表的な治療法は、低用量経口避妊薬(ピル)の服用です。

ピルはホルモンバランスを整えて定期的な出血を起こし、排卵を抑制することで卵巣を休ませる効果が期待できます。
また、男性ホルモンの産生を抑えるため、ニキビや多毛といった症状の改善にもつながります。
ピルが使用できない場合には、黄体ホルモン製剤を定期的に服用して月経を起こすホルムストローム療法などが選択されます。

多嚢胞性卵巣症候群とストレスに関するよくある質問

ここでは、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とストレスに関して、多くの方が疑問に思う点についてお答えします。
仕事との関係やセルフケアの効果、PCOSを悪化させる可能性のある生活習慣など、具体的な質問を取り上げ、簡潔に解説します。
治療や生活習慣の改善を進める上での参考にしてください。

Q. 仕事のストレスがひどいのですが、退職すれば症状は改善しますか?

退職してストレスが軽減されれば症状が改善する可能性はありますが、必ずしも治るとは断言できません。
PCOSは体質や食生活など複数の要因が絡むためです。
退職後の経済的な不安が新たなストレスになることも考えられます。

まずは休職や部署異動など、仕事を続けながら負担を減らす方法を検討し、生活習慣の改善と治療を優先するのが問題ない選択肢といえます。

Q. 薬に頼らずセルフケアだけでPCOSを治すことは可能ですか?

セルフケアだけでPCOSを完治させることは困難です。
食事や運動などの生活習慣改善は、症状の緩和や体質改善に非常に有効ですが、排卵障害などが重い場合は医療による介入が必要です。
セルフケアはあくまで治療の補助と捉え、必ず専門医に相談しながら治療を進めることが重要です。

Q. ストレスの他に、PCOSの症状を悪化させる生活習慣はありますか?

はい、あります。
糖質の多い食事や清涼飲料水の摂取、運動不足、睡眠不足などは症状を悪化させる可能性があります。
これらは血糖値を急に上昇させ、インスリン抵抗性を高める原因となります。

また、肥満もPCOSの症状を悪化させる大きな要因の一つです。
バランスの取れた食事と適度な運動、十分な睡眠を心がけることが大切です。

まとめ

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とストレスには密接な関係があり、ストレスはホルモンバランスを乱し症状を悪化させる一因となり得ます。
また、PCOSの症状自体が新たなストレスを生む悪循環に陥ることもあります。
この悪循環を断ち切るためには、生活習慣の見直しによるセルフケアでストレスを管理し、自律神経を整えることが有効です。

しかし、セルフケアだけで改善が難しい場合は、医療機関での適切な治療が必要となります。
自身の状態に合わせて、専門医に相談しながら治療を進めましょう。

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この記事の監修者

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藤鬼 千子

住吉鍼灸院総院長

東洋鍼灸専門学校卒業後、2011年4月に住吉鍼灸院に入社し、9年間住吉鍼灸院院長として従事。
現在は総院長として妊娠を望むすべてのご夫婦に貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、不妊カウンセラー

《経歴》

東洋鍼灸専門学校 卒業
住吉鍼灸院 院長就任
住吉鍼灸院 総院長就任

《所属》

日本不妊カウンセリング学会会員

《SNS》

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