生理中に襲ってくる強いだるさや眠気で、「何もしたくない」と感じるのは、決して特別なことではありません。
この記事では、なぜ生理中に眠いと感じるのか、その原因を解説するとともに、つらい症状を少しでも和らげるための具体的な対処法を紹介します。
自分の体の変化を正しく理解し、無理なくこの時期を乗り越えるためのヒントを見つけていきましょう。
生理中に「だるい、何もしたくない」と感じるのは自然なこと|無理せず休みましょう
生理中に体がだるく、何もする気が起きないと感じるのは、多くの女性が経験する自然な反応です。
これは、女性ホルモンの急激な変動によって引き起こされる心身の変化であり、決して「甘え」や「気のせい」ではありません。
体が休息を求めているサインと捉え、罪悪感を抱くことなく、意識的に休む時間を作りましょう。
家事や仕事を完璧にこなそうとせず、自分自身を最優先に労わることが、この時期を上手に乗り切るための第一歩です。
生理中に異常な眠気やだるさを感じる主な原因
生理中に訪れる強い眠気や倦怠感には、女性の体内で起こる特有の変化が関係しています。
ホルモンバランスの乱れをはじめ、自律神経や脳内物質の変動など、複数の要因が複雑に絡み合って不調を引き起こします。
なぜこれほどまでに眠いのか、その医学的な理由を知ることで、「自分のせいではない」と理解でき、心身の負担を軽減することにつながります。
女性ホルモン「プロゲステロン」の急激な変動
生理前から分泌量が増加する女性ホルモン「プロゲステロン(黄体ホルモン)」は、妊娠を維持するために基礎体温を上げる働きがあります。
この作用により、日中も体温が高い状態が続くため、脳が休息モードに入りやすくなり、強い眠気を引き起こします。
また、プロゲステロンは体内に水分を溜め込む性質もあるため、むくみや頭痛、倦怠感の原因にもなります。
生理が始まるとプロゲステロンの分泌量は急激に減少し、この大きなホルモン変動が体調不良をさらに助長させます。
自律神経の乱れによる心身の不調
女性ホルモンのバランスが大きく変動すると、それに伴って自律神経も乱れやすくなります。
自律神経は、体を活動的にする交感神経と、リラックスさせる副交感神経の切り替えをコントロールしています。
このバランスが崩れると、日中に活動すべき時間でも副交感神経が優位になり、体が休息モードから抜け出せず、だるさや強い眠気、意欲の低下といった不調が生じます。
血行不良も引き起こしやすくなるため、体の冷えや生理痛の悪化にもつながります。
PMS(月経前症候群)の症状が影響している可能性
生理の3〜10日ほど前から始まり、生理が来ると症状が和らぐ心身の不調をPMS(月経前症候群)と呼びます。
PMSの症状は多岐にわたりますが、その中には強い眠気や集中力の低下、全身の倦怠感なども含まれます。
これらの症状は、排卵後から生理前にかけての女性ホルモンの変動が主な原因と考えられています。
人によっては、生理が始まっても数日間はPMSの症状が続くことがあり、生理中のだるさや眠気の直接的な原因となっている場合があります。
セロトニンの減少による気力の低下
「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンは、精神を安定させ、幸福感をもたらす脳内物質です。
女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が減少する生理期間中は、セロトニンの生成も低下する傾向にあります。
セロトニンが不足すると、気分の落ち込みや不安感、イライラといった精神的な不調が現れやすくなります。
これが「何もしたくない」という無気力な状態や、集中力の散漫につながり、結果として身体的なだるさとして感じられることがあります。
【今日からできる】だるさや眠気を和らげる5つの対処法
つらいだるさや眠気は、日常生活における少しの工夫で和らげることが可能です。
ここでは、無理なく今日からすぐに始められるセルフケアとしての対処法を5つ紹介します。
眠いと感じる体のサインに正直に、自分に合った方法を見つけて試してみましょう。
大切なのは、完璧を目指すのではなく、少しでも快適に過ごせる時間を作ることです。
1. とにかく睡眠を優先!質の良い眠りのための工夫
生理中に強い眠気を感じるのは、体が休息を必要としている証拠です。
可能であれば、普段より30分〜1時間ほど長く睡眠時間を確保しましょう。
夜更かしは避け、早めに布団に入ることが大切です。
睡眠の質を高めるためには、就寝前の環境作りも重要になります。
部屋の照明を暗くしたり、リラックス効果のあるアロマを焚いたり、ヒーリングミュージックを聴いたりするのも良いでしょう。
短時間でも質の良い睡眠をとることで、日中のだるさの軽減が期待できます。
2. 体を芯から温めて血行を促進する
体の冷えは血行不良を招き、だるさや生理痛を悪化させる一因となります。
体を内側と外側から温め、血の巡りを良くすることを意識しましょう。
38〜40℃程度のぬるめのお湯にゆっくりと浸かる入浴は、リラックス効果も高くおすすめです。
時間がない場合は、足湯だけでも効果があります。
また、腹巻きやカイロでお腹周りを直接温めたり、靴下やレッグウォーマーで足元の冷えを防いだりすることも有効です。
飲み物は常温か温かいものを選び、体を冷やさないようにしましょう。
3. 血糖値を安定させる食事を意識する
血糖値の急激な変動は、強い眠気やだるさを引き起こす原因の一つです。
特に空腹時に甘いものや精製された炭水化物(白米、パン、麺類など)を大量に摂取すると、血糖値が急上昇した後に急降下し、低血糖状態になってしまいます。
これを防ぐためには、血糖値の上昇が緩やかな玄米や全粒粉パン、食物繊維が豊富な野菜や豆類を食事に取り入れるのがおすすめです。
また、一度にたくさん食べるのではなく、食事の回数を分けて少量ずつ食べることも、血糖値の安定につながります。
4. 無理のない範囲で軽いストレッチを取り入れる
だるいからといって一日中動かずにいると、かえって血行が悪くなり症状が悪化することがあります。
無理のない範囲で軽いストレッチを行い、筋肉の緊張をほぐして血流を促しましょう。
特に骨盤周りの血行を改善するストレッチは、生理痛の緩和にも効果が期待できます。
ベッドの上で寝たまま足首を回したり、両腕を上げて背伸びをしたりするだけでも十分です。
自分の体調と相談しながら、気持ち良いと感じる範囲で体を動かすことを心がけましょう。
5. スマホやPCから離れて脳を休ませる時間を作る
スマートフォンやパソコンの画面が発するブルーライトは、脳を覚醒させる作用があり、交感神経を優位にしてしまいます。
これが睡眠の質を低下させ、日中の眠気やだるさにつながることがあります。
特に就寝前1〜2時間はデジタルデバイスの使用を控え、脳をリラックスさせる時間を作りましょう。
代わりに、好きな音楽を聴いたり、温かいハーブティーを飲んだり、読書をしたりするなど、心身が落ち着く過ごし方を意識することが、質の良い睡眠への第一歩です。
症状を悪化させてしまう可能性のあるNG行動
生理中のつらい症状を少しでも和らげようとして無意識に行っている行動が実は逆効果になっている可能性があります。
良かれと思って選んだ飲み物や食べ物、あるいは気合で乗り切ろうとする精神論が、かえって体調を悪化させてしまうケースは少なくありません。
ここでは、生理中に避けるべき行動を具体的に解説し、不調の悪循環を断ち切るためのポイントをお伝えします。
カフェインやアルコールで睡眠の質を下げる
眠気を覚ますためにコーヒーや緑茶などのカフェインを摂取したくなるかもしれませんが、カフェインには神経を興奮させる作用があり、夜の寝つきを悪くしたり、眠りを浅くしたりする原因になります。
結果として睡眠の質が低下し、翌日のだるさが余計にひどくなる可能性があります。
また、アルコールは一時的に寝つきを良くするように感じますが、利尿作用や覚醒作用によって夜中に目が覚めやすくなり、深い睡眠を妨げるため、生理中の摂取は控えるのが賢明です。
体を冷やす食べ物や服装は避ける
体の冷えは血行を滞らせ、生理痛やだるさを増強させる大きな要因です。
そのため、アイスクリームや冷たいジュースといった体を直接冷やす飲食物は避けるべきです。
また、トマトやきゅうりなどの夏野菜も体を冷やす性質があるため、食べる際は加熱調理するなどの工夫をしましょう。
服装に関しても、薄着や素足、体を締め付けるスキニージーンズなどは血行不良の原因となります。
ゆったりとした服装を選び、靴下や腹巻きなどを活用して体を冷やさないように心がけましょう。
「頑張らなきゃ」と無理に活動しようとする
生理中のだるさや眠気は、体が休息を求めているサインです。
このサインを無視して「頑張らなきゃ」と無理に活動を続けると、心身に過度なストレスがかかり、症状をさらに悪化させたり、回復を遅らせたりする原因になります。
仕事や家事が休めない状況であっても、普段の8割程度の力でこなすことを目標にし、完璧を目指さないようにしましょう。
自分を追い込まず、「今は休むべき時」と割り切って、意識的にペースを落とすことが大切です。
日常生活に支障が出るほどの不調は婦人科へ相談を
セルフケアを試しても症状が改善しない場合や、だるさや眠気がひどく、仕事や学業、家事といった日常生活に大きな支障が出ている場合は、我慢せずに婦人科を受診しましょう。
その不調の背景には、月経困難症や子宮内膜症、甲状腺機能の低下といった病気が隠れている可能性も考えられます。
専門医に相談することで、適切な検査や診断を受けられ、低用量ピルなどのホルモン剤や漢方薬といった薬による治療も選択肢に入ります。
一人で抱え込まず、専門家の力を借りることも重要です。
生理のだるさや眠気に関するよくある質問
生理中の不調は多くの女性が経験するものですが、その感じ方や悩みは人それぞれです。
ここでは、生理に伴うだるさや眠気に関して、特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。
自分の状況と照らし合わせながら、疑問や不安の解消に役立ててください。
Q1. 生理中にずっと寝てしまうのは、怠けている証拠ですか?
怠けている証拠ではありません。
生理中に異常に眠いと感じ、ずっと寝てしまうのは、女性ホルモンの急激な変動による生理的な現象です。
体が休息を強く求めているサインなので、罪悪感を感じる必要は全くありません。
むしろ、体の声に素直に従い、可能な限り睡眠をとることが最善の対処法と言えます。
Q2. 仕事や家事で休めない場合、どうやって乗り切れば良いですか?
仕事や家事を休めない場合は、完璧を目指さずハードルを下げることが有効な対処法です。
仕事ではタスクに優先順位をつけ、重要度の低いものは後回しにしましょう。
主婦の方であれば、家事は最低限にとどめ、惣菜や冷凍食品、便利な家電などを活用して負担を減らす工夫が大切です。
周囲に協力を求めることも考えましょう。
Q3. 眠気やだるさを緩和するのにおすすめの食べ物・飲み物はありますか?
体を温め、鉄分やビタミンB群を補給できる食品が、眠気やだるさを和らげる対処法としておすすめです。
飲み物であれば、血行を促進する生姜湯や、ノンカフェインでリラックス効果のあるカモミールティーやルイボスティーが良いでしょう。
食べ物では、鉄分が豊富なほうれん草やレバー、ビタミンB群を多く含む大豆製品や豚肉などを意識的に摂取すると効果的です。
まとめ
生理中に「だるい」「何もしたくない」「眠い」と感じるのは、女性ホルモンの影響による自然な体の反応であり、決して甘えではありません。
体が休息を求めているサインと捉え、自分を責めずに休むことを優先しましょう。
体を温める、血糖値を安定させる食事を心がける、軽いストレッチを取り入れるといったセルフケアを試すことで、症状が和らぐ場合があります。
もし日常生活に支障が出るほどつらい場合は、我慢せずに婦人科へ相談することも検討してください。








