基礎体温のグラフがガタガタで安定しないと、「妊娠できないのでは?」「何か病気かもしれない」と不安になるかもしれません。
しかし、グラフの多少の乱れは誰にでも起こりうるものです。
この記事では、基礎体温がガタガタになる原因を解説し、無排卵の可能性があるグラフの見分け方や、自然妊娠の可能性について説明します。
体温が乱れる理由を知り、ご自身の状態を正しく把握するための一助としてください。
まずは落ち着いて!基礎体温がガタガタでも正常なケースとは
基礎体温のグラフが理想的な二層にならず、日々の体温が上下してガタガタになることは珍しくありません。
毎日きれいに安定していることの方が少ないため、少しの変動で過度に心配しなくても大丈夫です。
例えば、睡眠不足や飲酒、ストレス、または風邪気味で微熱がある日など、些細なことでも体温は変動します。
また、冬の寒い日や夏の暑い日といった室温の影響、あるいは夜中に突然目が覚めてしまった後など、測定環境によっても数値は変わるため、1日ごとの結果に一喜一憂せず、月経周期全体を通した体温の推移を見ることが重要です。
あなたのグラフはどれ?基礎体温がガタガタになる主な原因
基礎体温がガタガタになる原因は一つではありません。
測定方法の問題や生活習慣の乱れ、ストレス、さらには婦人科系の疾患が隠れている可能性も考えられます。
まずは、ご自身の基礎体温表と照らし合わせながら、どのような原因が当てはまるかを確認することが大切です。
ここでは、考えられる主な原因をいくつかの型に分けて解説します。
グラフの例を参考にしながら、自身の状況を客観的に把握していきましょう。
測定方法や生活習慣による5つの原因
基礎体温が安定しない最も一般的な原因は、測定方法や生活習慣にあります。
まず、正しい測り方ができているか確認しましょう。
基礎体温計は舌の下に入れ、口を閉じて測定します。
毎朝、目が覚めたら体を動かす前に、同じ時間に測るのが基本です。
目が覚めてすぐに計測できていないと、正確な値は得られません。
また、睡眠不足や起床時間のばらつき、前日の飲酒、疲労なども体温を変動させる要因です。
日々の生活リズムが不規則な場合、それがグラフの乱れとして現れることがあります。
まずは、これらの基本的な測定ルールや生活習慣を見直すことが、安定したグラフへの第一歩です。
ストレスやホルモンバランスの乱れ
精神的なストレスは、基礎体温の安定に大きく影響します。
ストレスを感じると、脳の視床下部や下垂体の働きが乱れ、女性ホルモンの分泌指令がうまく機能しなくなることがあります。
この指令系統は非常にデリケートなため、仕事や人間関係の悩み、妊活そのものへのプレッシャーなどが原因で、容易にホルモンバランスが崩れてしまうのです。
ホルモンバランスが乱れると、排卵が遅れたり、高温期が不安定になったりして、結果的に基礎体温のグラフがガタガタになります。
これは、心と体が密接につながっている証拠であり、自律神経の乱れも体温調節に影響を与えています。
注意したい黄体機能不全や無排卵月経などの可能性
生活習慣やストレスに心当たりがないのに基礎体温の乱れが続く場合、何らかの病気が隠れている可能性も考慮する必要があります。
代表的なものに、排卵後に黄体ホルモンの分泌が不十分になる「黄体機能不全」や、排卵自体が起こらない「無排卵月経」があります。
黄体機能不全の場合、高温期が短くなったり、体温の上昇が緩やかになったりします。
無排卵月経では、グラフが低温期のまま二相性を示しません。
これらの状態は、不妊の原因となることもあり、不正出血を伴うケースも見られます。
自己判断は難しいため、気になる症状が続く場合は早めに婦人科を受診することが重要です。
【グラフで自己診断】無排卵の可能性があるかチェックするポイント
基礎体温のグラフが多少乱れていても、全体的に低温期と高温期の二層に分かれていれば、多くの場合、排卵は起きていると考えられます。
しかし、いくつかの特徴的なパターンが見られる場合は、排卵が正常に行われていない「無排卵」の可能性も疑われます。
ここでは、ご自身の基礎体温グラフと見比べて、無排卵の可能性をセルフチェックするためのポイントを具体的に解説します。
あくまで目安として、気になる点があれば専門医に相談しましょう。
全体を通して低温期と高温期の二相に分かれていない
基礎体温グラフが、排卵を境にした低温期(卵胞期)と高温期(黄体期)のきれいな二相に分かれず、ずっと低い体温のまま横ばいに続く場合、無排卵の可能性が考えられます。
正常な月経周期では、排卵後に卵胞から変化した黄体からプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌され、その働きによって体温が上昇し高温期が作られます。
しかし、排卵が起こらないとプロゲステロンが分泌されないため、体温は上昇せず、グラフは低温のまま一相性を示します。
これが何周期も続く場合は、婦人科での検査を検討する必要があります。
高温期が10日未満で終わってしまう
排卵後に体温は上昇するものの、その高温期が10日未満で終わってしまう場合は、黄体機能不全が疑われます。
黄体機能不全とは、黄体の働きが不十分で、妊娠の維持に必要なプロゲステロンの分泌が少ない状態のことです。
プロゲステロンの分泌期間が短いと、高温期を十分に維持できず、次の月経が早く始まってしまいます。
この状態では、たとえ受精しても子宮内膜が着床に適した状態を保てないため、不妊や早期流産の原因となることがあります。
グラフ上で高温期が短い傾向が続くなら、一度医師に相談することをおすすめします。
高温期と低温期の温度差が0.3℃に満たない
基礎体温における高温期と低温期の温度差は、一般的に0.3℃以上あるのが望ましいとされています。
この温度差が0.3℃に満たない場合、例えば高温期の体温が低すぎる、あるいは上昇が緩やかで明確な差が見られないケースでは、黄体機能不全の可能性があります。
これは、排卵後に分泌されるプロゲステロンの量が不足しており、体温を十分に上昇させる作用が弱まっていることを示唆します。
排卵が起こっていてもホルモンの働きが不十分なため、着床しにくい状態かもしれません。
毎周期のように温度差が小さい場合は、ホルモン分泌に問題がないか調べてもらうとよいでしょう。
基礎体温がガタガタでも自然妊娠はできる?
基礎体温のグラフが乱れていると、「このままでは妊娠できないのでは」と不安に感じるかもしれません。
しかし、グラフが多少ガタガタでも、実際に妊娠した人はたくさんいます。
大切なのは、グラフの見た目のきれいさよりも、妊娠に必要な体の機能が働いているかどうかです。
ここでは、基礎体温が不安定な場合でも自然妊娠が可能かどうか、その条件や知っておくべきことについて解説します。
排卵があれば妊娠の可能性はある
結論として、基礎体温のグラフが多少ガタガタであっても、排卵が正常に起きていれば自然妊娠の可能性は十分にあります。
最も重要なのは、見た目がきれいなグラフであることではなく、卵巣から卵子が排出される「排卵」という現象が起きているかです。
低温期から高温期への移行が確認できれば、排卵があったと推測できます。
より正確に知りたい場合は、排卵検査薬を併用し、陽性反応を確認することで排卵日を予測する精度が高まります。
グラフの乱れに悩みすぎず、排卵のタイミングを捉えることに焦点を当てることが、妊娠への近道となります。
妊娠を希望する場合に知っておきたいこと
基礎体温の乱れが黄体機能不全によるものである場合、妊娠の維持が難しくなる可能性があります。
黄体ホルモンは子宮内膜を厚く保ち、着床を助ける働きがあるため、分泌が不十分だと妊娠初期の流産につながることもあります。
もし妊活を続けてもなかなか結果が出ない場合や、高温期が短いなどの不安要素がある場合は、婦人科で相談しましょう。
不妊治療では、ホルモン補充療法などを行うことで妊娠・出産に至るケースも多くあります。
また、体外受精などの高度生殖医療も選択肢の一つです。
妊娠中になると基礎体温の計測は不要になるため、まずは妊娠の成立と維持を目指すことが大切です。
乱れた基礎体温を整えるために自分でできること
基礎体温の乱れには、ホルモンバランスの乱れが大きく関わっています。
このホルモンバランスは、日々の生活習慣の影響を強く受けるため、セルフケアによる改善が期待できます。
特別なことを始める必要はなく、まずはご自身の生活を見直し、できるところから改善していくことが大切です。
ここでは、乱れた基礎体温を整え、健やかな体を作るために今日から実践できることを3つ紹介します。
質の良い睡眠を十分にとる
ホルモンバランスを整える上で、質の良い睡眠は不可欠です。
睡眠中に多くのホルモンが分泌・調整されるため、睡眠不足や不規則な睡眠はホルモンバランスの乱れに直結します。
毎日できるだけ同じ時間に就寝・起床し、体内時計を整えるよう心がけましょう。
また、睡眠の質を高めるために、寝る前のスマートフォンやパソコンの使用を控え、リラックスできる環境を整えることも重要です。
十分な睡眠時間を確保することは、心身の疲労回復だけでなく、ホルモン分泌を正常化させるための基本的なセルフケアです。
バランスの取れた食事を心がける
体は食べたもので作られるため、バランスの取れた食事は健康な体づくりの基本です。
特に、体を冷やす冷たい食べ物や飲み物の摂りすぎは避け、血行を促進する温かい食事を意識しましょう。
ビタミンやミネラル、タンパク質などを過不足なく摂取することが大切です。
また、女性ホルモンと似た働きを持つ大豆イソフラボンを多く含む食品(納豆、豆腐など)を適度に取り入れるのもよい方法です。
極端なダイエットはホルモンバランスを大きく崩す原因となるため避け、一日三食、規則正しく食べる習慣をつけましょう。
体質改善を目指す場合は、漢方を取り入れる選択肢もあります。
心身をリラックスさせてストレスを溜めない
ストレスはホルモンバランスを乱す大きな原因の一つです。
妊活自体がプレッシャーとなり、かえってストレスを溜め込んでしまうことも少なくありません。
意識的にリラックスできる時間を作り、心身を休ませることが重要です。
ウォーキングなどの軽い運動や、好きな音楽を聴く、アロマテラピーを楽しむ、ゆっくり入浴するなど、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。
基礎体温のグラフに一喜一憂しすぎず、「今月はこういう傾向なんだな」と大らかに捉えることも、不要なストレスを避けるためのコツです。
基礎体温の乱れで病院を受診するべきか判断する目安
セルフケアを続けても基礎体温のガタガタが改善されない場合や、妊娠を希望しているのに長期間授からない場合は、婦人科の受診を検討しましょう。
特に、3周期以上続けてグラフが二相性にならない、高温期が10日未満で終わる、不正出血やひどい月経痛があるといった具体的な症状が見られる場合は、早めに相談することをおすすめします。
病院では、超音波検査やホルモン検査などを行い、乱れの原因を医学的に調べることができます。
原因に応じた治療や薬の処方を受けることで、ホルモンバランスが整い、妊娠しやすい体づくりにつながります。
基礎体温のガタガタに関するよくある質問
基礎体温を測り始めると、さまざまな疑問や不安が湧いてくるものです。
特に、グラフが理想通りにならないと、「自分の体はどこかおかしいのでは?」と感じてしまうかもしれません。
ここでは、基礎体温の乱れに関して多くの方が抱く質問とその回答をまとめました。
ご自身の状況と照らし合わせながら、不安の解消にお役立てください。
今月のグラフだけでなく、長期的な視点で考えることが大切です。
Q1.ストレスだけで基礎体温はガタガタになりますか?
はい、なります。
強いストレスは自律神経の働きを乱し、ホルモン分泌をコントロールしている脳の視床下部に直接影響を与えます。
その結果、排卵が遅れたり、高温期が不安定になったりして基礎体温がガタガタになることは珍しくありません。
仕事や家庭環境の変化など、大きなストレスを感じた時期にグラフが乱れるのは、体がサインを送っている証拠です。
Q2.高温期が短い(9日以下)のですが、妊娠は難しいですか?
高温期が9日以下の場合は黄体機能不全の可能性があり、受精卵が着床しにくい状態かもしれません。
必ずしも妊娠できないわけではありませんが、妊娠の維持が難しくなることがあります。
特に、生理前の不調が強い、経血量が少ないなどの症状も伴う場合は、一度婦人科で相談することをおすすめします。
ホルモン補充療法などで改善が期待できます。
Q3.40代ですが、ガタガタなのは更年期が近いサインでしょうか?
その可能性は考えられます。
40代になると卵巣機能が徐々に低下し、女性ホルモンの分泌が不安定になるため、排卵が不規則になったり無排卵月経が増えたりします。
これにより、基礎体温のグラフが二相に分かれずガタガタになることがあります。
これは更年期に向けた自然な体の変化の一つですが、他の不調もあれば婦人科医に相談してみましょう。
まとめ
基礎体温のグラフがガタガタになる原因は、測定方法や生活習慣、ストレス、そして病気の可能性まで多岐にわたります。
日々のわずかな体温の変動に一喜一憂せず、まずは周期全体を通して低温期と高温期の二相に分かれているかという大きな傾向を見ることが重要です。
もし、グラフが一相性のまま続く、高温期が極端に短いといった状態が何周期も続く場合や、妊娠を希望していて不安な場合は、一人で抱え込まずに婦人科へ相談しましょう。
専門家のアドバイスを受けることが、原因を特定し、不安を解消するための最も確実な方法です。








