卵子の質は食事で上げる!ミトコンドリアを活性化する栄養素と食材

公開日:2026/01/01 

更新日:2026/01/01

卵子の質は食事で上げる!ミトコンドリアを活性化する栄養素と食材について解説します。妊活において、卵子の質は非常に重要な要素です。
卵子の質は加齢とともに低下すると言われていますが、日々の食事を見直すことで、その低下を緩やかにし、質を維持・向上させることが期待できます。

この記事では、卵子の質に深く関わる「ミトコンドリア」に着目し、その働きを活性化させるための具体的な栄養素や食材、食習慣について詳しく解説します。
毎日の食事にアーモンドなどのナッツ類を取り入れるなど、手軽に始められる方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次

なぜ卵子の質にミトコンドリアが重要なのか?

卵子の質を考える上で、細胞内にある「ミトコンドリア」の存在は欠かせません。
ミトコンドリアは、私たちが食事から摂取した糖質や脂質、タンパク質といった栄養素と酸素を使って、細胞が活動するためのエネルギーを作り出す小器官です。

卵子が成熟し、受精、分裂を繰り返して成長していく過程には、莫大なエネルギーが必要であり、そのエネルギー供給のほぼ全てをミトコンドリアが担っています。
良質な油の摂取もミトコンドリアの働きを助けます。

卵子の質は細胞内のエネルギー工場「ミトコンドリア」が左右する

ミトコンドリアは「細胞内のエネルギー工場」と例えられ、生命活動に不可欠なエネルギー通貨であるATP(アデノシン三リン酸)を産生しています。
特に卵子は、細胞分裂を活発に行うため、体内の他の細胞と比較しても非常に多くのミトコンドリアを含んでいます。

このミトコンドリアが十分に機能し、質の良い卵子にエネルギーを供給できるかどうかが、その後の受精や胚発生の成否を大きく左右します。
日々の献立を工夫し、ミトコンドリアを元気にする栄養素を摂ることは、卵子の質を高めるための第一歩となります。

卵子の老化はミトコンドリアの機能低下が主な原因

卵子の老化の主な原因は、加齢に伴うミトコンドリアの質の低下と数の減少です。
ミトコンドリアはエネルギーを産生する過程で活性酸素を発生させるため、常に酸化ストレスにさらされています。

年齢を重ねると、この酸化ダメージからミトコンドリアを守る機能が衰え、エネルギー産生能力が低下してしまいます。
エネルギー不足に陥った卵子は、染色体異常を起こすリスクが高まり、これが受精率の低下や流産の原因となり得ます。
食事改善を基本としつつ、必要に応じてサプリで栄養を補うことも選択肢の一つです。

卵子の質を高める!ミトコンドリアを活性化させる5つの栄養素

卵子の質を高めるためには、ミトコンドリアの働きをサポートし、酸化ストレスから守る栄養素を積極的に摂取することが重要です。
これらの栄養素は、ミトコンドリア内でのエネルギー産生を円滑にしたり、活性酸素によるダメージを防いだりする役割を担っています。

特定の食品に偏るのではなく、様々な食材からバランス良くこれらの栄養素を摂り入れることで、ミトコンドリアが効率良く働ける体内環境を整えることができます。

エネルギー生成を助ける「ビタミンB群」

ビタミンB群は、ミトコンドリア内で行われるエネルギー代謝のサイクル(TCA回路)において、補酵素として働く不可欠な栄養素です。
特に、糖質の代謝を助けるビタミンB1、脂質の代謝に関わるビタミンB2、タンパク質の代謝をサポートするビタミンB6などが重要で、これらが不足するとエネルギー産生が滞ってしまいます。

ビタミンB群は互いに協力し合って機能するため、単体ではなく複合的に摂取することが効果的です。
食事から摂った栄養素を効率よくエネルギーに変換するために、意識して摂取しましょう。

酸化ストレスから守る「抗酸化成分(ビタミンC・E)」

ミトコンドリアはエネルギーを作り出す際に活性酸素を発生させ、自らがそのダメージを受けやすいという側面があります。
この活性酸素による酸化ストレスは、ミトコンドリアの機能を低下させる大きな要因です。

ビタミンCやビタミンEといった抗酸化成分は、この活性酸素を除去し、ミトコンドリアを酸化ダメージから守る働きがあります。
特にビタミンEは細胞膜の酸化を防ぎ、ビタミンCはビタミンEの働きを助ける作用もあるため、合わせて摂取するとより効果的です。
これらの栄養素で、細胞レベルでの老化を防ぎましょう。

ミトコンドリアの働きに不可欠な「鉄分」

鉄分は、血液中のヘモグロビンの成分として全身に酸素を運ぶ役割がよく知られていますが、ミトコンドリア内でのエネルギー産生においても極めて重要なミネラルです。
ミトコンドリアの電子伝達系というエネルギー産生の最終段階で、鉄は電子をやり取りする中心的な役割を担っています。

鉄分が不足すると、この電子伝達がスムーズに行われなくなり、ATPの産生効率が著しく低下します。
特に女性は月経により鉄分を失いやすいため、貧血予防だけでなく、卵子の質のためにも積極的な摂取が求められます。

細胞の基本的な構成要素である「タンパク質」

タンパク質は、筋肉や臓器、ホルモンなど体を作る基本的な材料であり、ミトコンドリア自体を構成する要素でもあります。
ミトコンドリアは常に新陳代謝を繰り返しており、古くなったものは分解され、新しいものが作られています。

この再構築のプロセスには、良質なタンパク質から得られるアミノ酸が欠かせません。
タンパク質が不足すると、ミトコンドリアの数が減少したり、機能が低下したりする可能性があります。
肉、魚、卵、大豆製品など、様々な食品からバランス良くタンパク質を摂取することが、元気なミトコンドリアを維持する上で基盤となります。

エネルギー産生をサポートする「コエンザイムQ10」

コエンザイムQ10は、ミトコンドリア内でエネルギー(ATP)を産生する電子伝達系において、電子の受け渡しを担う必須の補酵素です。
この働きにより、エネルギー産生プロセスが円滑に進みます。
また、コエンザイムQ10自身も高い抗酸化作用を持ち、活性酸素からミトコンドリアを保護する役割を果たします。

体内でも合成されますが、その量は20代をピークに加齢とともに減少するため、食事から積極的に補うことが望ましいです。
イワシなどの青魚や牛肉、ブロッコリーなどに含まれています。

【食材リスト】ミトコンドリア活性化のために積極的に摂りたい食べ物

ミトコンドリアを活性化させるためには、これまで紹介した栄養素を豊富に含む食材を日々の食事にバランス良く取り入れることが効果的です。
特定の食材ばかりを食べるのではなく、主食、主菜、副菜をそろえ、多様な食品を組み合わせることで、必要な栄養素を過不足なく摂取できます。

ここでは、それぞれの栄養素を効率的に摂れる代表的な食材をリストアップして紹介します。
毎日の買い物やメニュー決めの参考にしてください。

ビタミンB群が豊富な豚肉・レバー・うなぎ

エネルギー代謝に不可欠なビタミンB群は、様々な食材に含まれています。
特に豚肉には糖質の代謝を助けるビタミンB1が豊富で、疲労回復にも役立ちます。

また、レバーは「栄養の宝庫」とも呼ばれ、ビタミンB2やB6、B12、そして鉄分や葉酸も多く含んでいます。
うなぎにもビタミンB1やB2が豊富に含まれており、スタミナ食として知られています。
これらの食材を週に数回、食事の主役として取り入れることで、効率的にビタミンB群を補給でき、ミトコンドリアのエネルギー産生を活発に保つことができます。

抗酸化作用の高いナッツ類・アボカド・緑黄色野菜

ミトコンドリアを酸化ストレスから守るためには、抗酸化成分を豊富に含む食材を意識して摂ることが重要です。

アーモンドやクルミなどのナッツ類には、強力な抗酸化作用を持つビタミンEが多く含まれており、おやつとして手軽に取り入れられます。アボカドも「森のバター」と呼ばれるほど栄養価が高く、ビタミンEや良質な脂質が豊富です。さらに、パプリカやブロッコリー、ほうれん草といった緑黄色野菜には、β-カロテンやビタミンCが多く含まれます。これらの食材をサラダやスムージー、炒め物などに活用し、彩り豊かに食卓へ並べましょう。

鉄分を効率よく摂取できる赤身肉やカツオ

ミトコンドリアでのエネルギー産生に欠かせない鉄分は、吸収率の違いを理解して食材を選ぶことがポイントです。
鉄分には、肉や魚に含まれる「ヘム鉄」と、野菜や海藻に含まれる「非ヘム鉄」の2種類があり、ヘム鉄の方が体内への吸収率が高いことで知られています。

効率よく鉄分を補給するには、牛肉やラムなどの赤身肉、カツオやマグロといった赤身の魚を積極的に食べることが推奨されます。
ビタミンCと一緒に摂取すると鉄の吸収がさらに高まるため、ピーマンやブロッコリーなどの野菜と組み合わせるのがおすすめです。

良質なタンパク質が摂れる大豆製品・鶏むね肉

ミトコンドリアそのものを作る材料となるタンパク質は、アミノ酸バランスの良い良質なものを選ぶことが重要です。
豆腐や納豆、味噌などの大豆製品は、低脂質で良質な植物性タンパク質を手軽に摂取できる優れた食材です。

また、鶏むね肉は高タンパク・低脂肪の代表格で、皮を取り除けばさらにヘルシーになります。
卵も必須アミノ酸をバランス良く含む完全栄養食品の一つです。
これらの動物性・植物性のタンパク質源を偏りなく組み合わせ、毎食の食事に取り入れることで、元気なミトコンドリアの維持に貢献します。

要注意!卵子の質を低下させてしまう可能性のある食習慣

ミトコンドリアを活性化させる食材を摂る一方で、その働きを妨げ、卵子の質を低下させる可能性のある食習慣を避けることも同様に重要です。
知らず知らずのうちに続けている食事が、卵子にダメージを与えているかもしれません。
ここでは、特に注意したい食習慣を3つ挙げます。

ご自身の食生活を振り返り、改善できる点がないか確認してみましょう。
小さな意識の変化が、体内の環境を整える大きな一歩となります。

糖質の過剰摂取による血糖値の乱高下

白米やパン、麺類、甘いお菓子などの糖質を一度に大量に摂取すると、血糖値が急上昇します。
すると、血糖値を下げるためにインスリンが過剰に分泌され、今度は血糖値が急降下するという「血糖値スパイク」が起こります。

このような血糖値の乱高下は、体内でAGEs(終末糖化産物)という老化物質を産生しやすくなります。
このAGEsは、卵巣や卵子にダメージを与え、細胞の老化を促進させるため、卵子の質の低下に直結する要因です。
食物繊維が豊富な野菜から先に食べる「ベジファースト」や、玄米などの低GI食品を選ぶ工夫が有効です。

酸化ストレスを増やすトランス脂肪酸や加工食品

マーガリンやショートニング、それらを使用したパン、お菓子、揚げ物などに含まれるトランス脂肪酸は、体内で炎症を引き起こし、酸化ストレスを増大させることが知られています。
酸化ストレスはミトコンドリアの機能を直接的に損なうため、卵子の質の低下を招く大きな要因となります。

また、保存料や着色料などの食品添加物が多く含まれる加工食品やインスタント食品も、体の解毒システムに負担をかけ、酸化を促進させる可能性があります。
できるだけ素材の味を活かしたシンプルな調理法を選び、これらの摂取は控えるよう心がけましょう。

体を冷やす冷たい飲み物や食べ物の摂りすぎ

冷たい飲み物やアイスクリーム、生の野菜サラダなどを過剰に摂取すると、内臓から体が冷えてしまいます。
体が冷えると血管が収縮し、全身の血行が悪化します。

特に、子宮や卵巣への血流が滞ると、卵子の発育に必要な栄養素や酸素が十分に行き渡らなくなってしまいます。
これにより、卵巣機能そのものが低下し、結果として卵子の質にも悪影響を及ぼす可能性があります。
飲み物は常温や温かいものを選び、食材もスープや煮物など加熱調理を基本とすることで、体を内側から温め、血流の良い状態を保ちましょう。

食事と合わせて実践したい!卵子の質を上げる生活習慣

卵子の質を高めるためには、食事改善に加えて、生活習慣全体を見直すことが非常に効果的です。
運動、睡眠、ストレス管理は、ホルモンバランスや血流に大きく影響し、食事から得た栄養素が効率よく細胞に届くための土台を作ります。

食事で体の中を整え、生活習慣でその効果を最大限に引き出すという相乗効果を目指しましょう。
ここでは、今日からでも始められる3つの生活習慣を紹介します。

適度な有酸素運動で血流を促進する

ウォーキングやジョギング、ヨガ、水泳などの有酸素運動は、全身の血行を促進するのに非常に効果的です。
血流が良くなることで、卵巣に新鮮な酸素と栄養素がたっぷりと供給され、卵子の健やかな発育をサポートします。

また、運動はミトコンドリアの新生を促す効果も報告されており、細胞レベルでの若返りが期待できます。
激しい運動はかえって活性酸素を増やす原因にもなるため、少し汗ばむ程度で心地よいと感じる強度の運動を、週に数回、継続的に行うのが理想的です。

質の良い睡眠でホルモンバランスを整える

睡眠は体の修復とホルモンバランスの調整に不可欠な時間です。

特に、睡眠中に分泌される「メラトニン」というホルモンには強力な抗酸化作用があり、活性酸素から卵子を守る働きがあることがわかっています。質の良い睡眠を確保するためには、毎日同じ時間に就寝・起床する、寝る前にスマートフォンやパソコンの画面を見ない、リラックスできる環境を整えるなどの工夫が有効です。7〜8時間程度の十分な睡眠時間を確保し、妊娠に関わるホルモンの分泌リズムを整えましょう。

ストレスを溜めずにリラックスできる時間を作る

過度なストレスは、自律神経のバランスを乱し、血管を収縮させて血流を悪化させる原因となります。

また、ストレスホルモンであるコルチゾールの過剰な分泌は、性ホルモンのバランスにも悪影響を及ぼし、排卵障害などを引き起こすこともあります。

妊活中は特に精神的なプレッシャーを感じやすいですが、意識的にリラックスする時間を作ることが重要です。

趣味に没頭する、ゆっくりと入浴する、アロマテラピーを取り入れる、友人と話すなど、自分に合ったストレス解消法を見つけ、心穏やかに過ごすことを心がけましょう。

卵子の質と食事に関するよくある質問

ここまで卵子の質と食事、生活習慣について解説してきましたが、実践するにあたって様々な疑問が浮かぶことでしょう。
ここでは妊活中の方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

食事改善の効果が現れる期間や、サプリメントの利用、年齢との関係など、気になる点についての理解を深め、前向きに妊活に取り組むための参考にしてください。

食事改善の効果はどのくらいの期間で現れますか?

一般的に、原始卵胞が排卵されるまでに要する期間は約85日とされています。
そのため、食事改善の効果が卵子の質に反映されるまでには、最低でも3ヶ月は継続することが推奨されます。

体の細胞が入れ替わるサイクルを考慮し、焦らずに長期的な視点で取り組むことが、体質改善と卵子の質の向上につながります。

サプリメントを併用した方が良いですか?

基本はバランスの良い食事から栄養を摂取することですが、コエンザイムQ10やビタミンDなど、食事だけでは十分な量を補うのが難しい栄養素もあります。

そのような場合は、医師や管理栄養士などの専門家に相談の上、自身の状態に合わせてサプリメントを補助的に活用するのも有効な手段の一つです。

年齢が高い場合でも食事改善で卵子の質は上がりますか?

加齢による卵子の質の低下を完全に元に戻すことは困難ですが、食事改善によってその低下スピードを緩やかにし、現状の質を維持・向上させることは十分に期待できます。

ミトコンドリアの働きをサポートし、酸化ストレスを軽減する食生活は、年齢に関わらず卵子のコンディションを整える上で非常に重要です。

まとめ

卵子の質は、細胞のエネルギー工場であるミトコンドリアの働きに大きく左右されます。
加齢などによって低下するミトコンドリアの機能をサポートするためには、日々の食事が鍵となります。

ビタミンB群や鉄分、抗酸化成分、タンパク質などの栄養素を積極的に摂取し、糖質の過剰摂取やトランス脂肪酸を避けることが重要です。
さらに、適度な運動や質の良い睡眠、ストレス管理といった生活習慣を組み合わせることで、卵子の質を高めるための体内環境が整います。
できることから一つずつ、毎日の生活に取り入れていきましょう。

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この記事の監修者

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藤鬼 千子

住吉鍼灸院総院長

東洋鍼灸専門学校卒業後、2011年4月に住吉鍼灸院に入社し、9年間住吉鍼灸院院長として従事。
現在は総院長として妊娠を望むすべてのご夫婦に貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、不妊カウンセラー

《経歴》

東洋鍼灸専門学校 卒業
住吉鍼灸院 院長就任
住吉鍼灸院 総院長就任

《所属》

日本不妊カウンセリング学会会員

《SNS》

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