hCGの増え方がゆっくりでも妊娠継続は可能?出産できた事例と基準値

公開日:2026/01/01 

更新日:2026/01/01

hCGの増え方がゆっくりでも妊娠継続は可能?出産できた事例と基準値について解説します。

妊娠初期にhCGの増え方がゆっくりだと診断されると、流産や子宮外妊娠の可能性を考えて不安になるかもしれません。
しかし、hCGの上昇ペースが遅い場合でも、その後の経過で数値が伸び、無事に出産に至るケースは存在します。

hCGの数値はあくまでも目安の一つであり、個人差が大きい要素です。
大切なのは、数値だけに一喜一憂せず、医師の診断のもとで総合的に体の状態を判断していくこと。
この記事では、hCGの基本的な役割から、増え方が遅い原因、そして妊娠を継続できた事例までを解説します。

hCGの増え方がゆっくりでも諦めないで!妊娠継続の可能性はあります

妊娠初期のhCGホルモンの増加ペースが遅いと告げられると、多くの人が妊娠の継続を諦めてしまうかもしれません。
しかし、hCGの伸び率には個人差があり、上昇が緩やかだからといって、必ずしも異常妊娠につながるわけではありません。

実際に、当初の伸びは悪くても、その後に数値が追いつき、無事に出産まで至ったというケースも報告されています。
hCGの値は重要な指標の一つですが、それだけで全てが決まるわけではないのです。
胎嚢や心拍の確認など、他の検査結果と合わせて総合的に判断されるため、数値を悲観しすぎず、医師の指示に従いながら経過を見守ることが重要です。
まずは落ち着いて、体の変化に注意を払いましょう。

そもそもhCGホルモンとは?妊娠初期における大切な役割

hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)ホルモンは、妊娠すると胎盤の一部となる絨毛組織から分泌されるホルモンで、妊娠の維持に不可欠な役割を担っています。
主な働きは、卵巣にある黄体を刺激し、妊娠の継続に必要なプロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌を促すことです。
これにより、子宮内膜が維持され、赤ちゃんが育ちやすい環境が整います。

受精卵が着床するとhCGの分泌が始まり、血中や尿中の濃度が急速に上昇するため、妊娠検査薬はこのホルモンを検出して陽性反応を示します。
妊娠初期にhCGが順調に増えることは、胎盤が正常に機能し、妊娠が継続している証となります。

【週数別】妊娠初期におけるhCGの正常な伸び率の目安

妊娠初期のhCG値は、妊娠が順調に経過しているかを知るための重要な指標となります。
このホルモンは着床後に急速に分泌が始まり、週数が進むにつれてその値は大きく変動します。

特に妊娠超初期である4週から5週にかけては、数値の伸び率が重要視されます。
ただし、ここで示される数値はあくまで一般的な目安であり、個人差が非常に大きいことを理解しておく必要があります。
排卵日のズレや着床のタイミングによっても値は変わるため、一度の測定値だけでなく、その後の伸び率を含めて総合的に判断されることが大切です。

妊娠4週(BT7-10)のhCG基準値

妊娠4週は、生理予定日頃にあたり、妊娠検査薬で陽性反応が出始める時期です。
体外受精の場合は、胚盤胞移植後7日目(BT7)から10日目(BT10)頃に妊娠判定が行われます。

この時期のhCGの基準値はクリニックによって異なりますが、一般的にBT7で20〜50mIU/mL以上、BT10で100mIU/mL以上が一つの目安とされています。
ただし、これはあくまで目安の数値です。
この基準に満たなくても、その後の伸び率が良好であれば問題なく妊娠が継続するケースも多くあります。
大切なのは一度の数値ではなく、次の検査までにどれだけ数値が伸びているかという点です。

妊娠5週(BT14-17)のhCG基準値

妊娠5週に入ると、超音波検査で子宮内に胎嚢が確認できる時期になります。
この時期のhCG値は、1,000mIU/mLを超えていることが一つの目安とされます。

一般的には、hCG値が1,000〜2,000mIU/mLに達すると、経腟超音波で胎嚢が見え始めると言われています。
体外受精の場合、胚盤胞移植後14日目(BT14)から17日目(BT17)がこの時期にあたります。
hCG値が順調に伸びていれば、妊娠5週の半ばから後半にかけて胎嚢を確認できる可能性が高まります。
この段階でも数値には個人差があるため、医師の診断のもとで慎重に経過を観察することが求められます。

hCGは「1.5〜2倍/日」のペースで増えるのが一般的

妊娠初期のhCGホルモンは、非常に速いペースで増加するのが特徴です。
一般的には、妊娠8週頃まで「1.5日から2日で2倍」のペースで数値が増えるのが理想的とされています。
例えば、今日のhCG値が100mIU/mLであれば、2日後には200mIU/mL程度に増加していることが期待されます。

この急速な増加は、胎盤が順調に発育していることを示す重要なサインです。
ただし、この伸び率もあくまで目安であり、すべての人がこのペースに当てはまるわけではありません。
伸びが少し緩やかであっても、継続的に数値が増加していれば、妊娠が継続する可能性は十分にあります。

hCGの増加ペースが緩やかになる3つの主な原因

hCGの増加ペースが一般的な目安よりも緩やかである場合、その背景にはいくつかの原因が考えられます。
最も多いのは、排卵日のズレによる妊娠週数の計算違いですが、中には流産や子宮外妊娠といった異常妊娠の可能性も含まれます。

hCGの伸びが遅いと診断された際は、不安になるかもしれませんが、まずはその原因を正しく理解することが大切です。
ここでは、hCGの増加ペースが緩やかになる主な3つの原因について、それぞれ詳しく解説していきます。
原因を把握し、冷静に医師の診断を仰ぐ準備をしましょう。

原因①:排卵日のズレや着床が遅れたことによるもの

hCGの増加ペースが遅いと感じる最も一般的な原因は、排卵日のズレです。
最終月経日から計算される予定週数と、実際の排卵日に基づく週数に差がある場合、hCG値は想定よりも低く出ることがあります。
特に、生理周期が不規則な方は排卵日が特定しにくいため、このようなズレが生じやすいです。

また、受精卵が子宮内膜に着床するタイミングが通常より遅れた場合も、hCGの分泌開始が遅れるため、結果的に数値の伸びが緩やかに見えることがあります。
このケースでは、初期の伸びは遅いものの、その後適切なペースで数値が上昇していくことが多いです。
超音波検査で胎嚢や心拍が確認できれば、週数を修正して経過観察となります。

原因②:流産の兆候(化学流産・稽留流産)

hCGの伸びが緩やか、あるいは途中で数値が下降に転じる場合は、残念ながら流産の兆候である可能性があります。
特に、妊娠検査薬で陽性反応が出たものの、超音波で胎嚢が確認される前にhCG値が伸び悩み、生理が始まってしまう状態を「化学流産」と呼びます。

また、胎嚢は確認できたものの、その後の胎児の成長が止まってしまう「稽留流産」の場合も、hCGの増加が停止、または減少します。
これらのケースでは、受精卵の染色体異常などが原因であることが多く、妊娠初期の流産は誰にでも起こりうるものです。
hCGの数値の推移は、こうした状態を早期に判断するための一つの指標となります。

原因③:子宮外妊娠(異所性妊娠)の可能性

hCGの伸びが緩やかである場合に、特に注意が必要なのが子宮外妊娠(異所性妊娠)です。

これは、受精卵が子宮内膜以外の場所(卵管や卵巣など)に着床してしまう状態で、全妊娠の約1〜2%に発生します。

子宮外妊娠の場合、hCGは分泌されるものの、正常な妊娠に比べてその上昇ペースが非常に緩やかになる傾向があります。

胎嚢が子宮内に確認できないにもかかわらずhCG値が上昇し続ける場合や、下腹部痛や不正出血などの症状を伴う際には、子宮外妊娠が強く疑われます。

放置すると卵管破裂などを引き起こす危険があるため、早期の診断と適切な処置が不可欠です。

超音波検査とhCG値の推移を慎重に見ていく必要があります。

hCGの伸びが遅くても無事に出産まで至った事例

hCGの伸びが遅いと診断されると、妊娠の継続は難しいのではないかと強い不安に駆られるかもしれません。
しかし、医学的な基準とされるペースよりも上昇が緩やかであったにもかかわらず、最終的に心拍が確認され、無事に出産まで至ったという事例は決して少なくありません。

hCG値はあくまでも妊娠状態を評価するための一つの指標であり、その数値だけで全てが決まるわけではないのです。
ここでは、不安を感じている方々にとって少しでも希望となるよう、hCGの伸びが遅い状況から妊娠を継続し、元気な赤ちゃんを出産したケースを紹介します。

事例:hCGの伸び率が1.5倍未満でも心拍確認後に継続できたケース

妊娠初期の判定でhCG値が低く、その後の再検査でも2日間で1.5倍に満たない緩やかな伸びだった方がいました。
一般的には厳しい状況と判断されがちですが、医師と相談しながら注意深く経過を観察したところ、hCGは少しずつ上昇を続けました。

そして妊娠6週を過ぎた頃の超音波検査で、子宮内に胎嚢と、その中に小さな心拍を確認することができました。
心拍確認後は胎児も順調に成長し、予定日通りに無事出産されました。
この事例のように、初期のhCGの伸び率だけでは判断できないケースも存在します。
諦めずに赤ちゃんの生命力を信じ、医師の診察を受け続けることが大切です。

hCGの増え方がゆっくりと診断された後に注意すべきこと

hCGの増え方が遅いと医師から伝えられた場合、次の診察まで不安な日々を過ごすことになります。
この時期は、いたずらに情報を検索して一喜一憂するのではなく、自身の体と向き合い、冷静に行動することが何よりも大切です。
急な体調の変化を見逃さないようにし、自己判断で行動することは避けなければなりません。

ここでは、hCGの伸びがゆっくりだと診断された後に、特に注意すべき3つのポイントを解説します。
心と体の状態を落ち着かせ、来るべき診察に備えるための参考にしてください。

出血や腹痛など普段と違う症状がないか確認する

hCGの伸びが緩やかな場合、特に注意したいのが出血や腹痛といった症状です。
少量の茶色い出血(着床出血)は心配ないこともありますが、鮮血や生理のような多量の出血、また持続的な下腹部痛やこれまで感じたことのないような強い痛みがある場合は、流産や子宮外妊娠のサインである可能性も考えられます。

普段の体の状態と違うと感じる症状があれば、軽く考えずに記録しておきましょう。
そして、症状の有無や程度にかかわらず、次の診察を待たずに、すぐにかかりつけの医療機関へ連絡し、指示を仰ぐことが重要です。
自分の体からのサインを見逃さないようにしましょう。

自己判断でサプリや薬を服用しない

hCGの数値を上げたい、あるいは妊娠継続のために何かできることはないかという焦りから、インターネットの情報などを頼りに自己判断でサプリメントや薬を服用することは絶対に避けてください。
医学的根拠のない情報に基づいて行動することは、かえって母体に悪影響を及ぼす可能性があります。

妊娠初期は、胎児の重要な器官が形成される非常にデリケートな時期です。
葉酸など医師から推奨されているもの以外のサプリメントや、市販薬、漢方薬などを服用したい場合は、必ず事前にかかりつけの医師や薬剤師に相談し、許可を得るようにしましょう。
安全な妊娠継続のためには、専門家の指示に従うことが不可欠です。

不安な時は必ずかかりつけの医師に相談する

hCGの増え方がゆっくりだと知らされると、インターネットで様々な情報を検索し、余計に不安を募らせてしまうことがよくあります。
しかし、ネット上の体験談や情報は、必ずしも自分の状況に当てはまるわけではありません。

最も信頼できる情報は、自分の体を直接診察しているかかりつけの医師からのものです。
不安や疑問に思うことがあれば、一人で抱え込まず、些細なことでも医師に相談しましょう。
現在の状況、今後の見通し、そして注意すべき点について具体的に質問することで、精神的な負担が軽減されることもあります。
医師とのコミュニケーションを密にし、信頼関係を築くことが、この時期を乗り越える上で非常に大切です。

hCGの増え方がゆっくりな場合に関するよくある質問

hCGの増え方が遅いと診断された際、多くの方が同じような疑問や不安を抱えます。
インターネットで情報を検索しても、様々な意見があり、かえって混乱してしまうこともあるかもしれません。

ここでは、そうした方々から寄せられることの多い質問をまとめ、それぞれに簡潔に回答します。
あくまで一般的な情報として参考にし、最終的な判断は必ず主治医に確認するようにしてください。

Q1.hCGの値が低くても無事に出産できる可能性はありますか?

はい、可能性はあります。
hCGの初期値が低くても、その後の伸び率が順調であれば問題なく妊娠が継続し、無事に出産に至るケースは少なくありません。

大切なのは一度の数値ではなく、その後の数値の推移や、超音波検査での胎嚢・心拍の確認など、総合的な所見です。

Q2.再検査はいつ頃受けるのが一般的ですか?

hCGの伸び率を確認するための再検査は、初回の検査から2日後から7日後に行われるのが一般的です。
特に妊娠初期は2日(48時間)で数値が約2倍になるかどうかが重要視されるため、48時間後の再検査を指示されることが多いです。

ただし、最適な時期は個々の状況によるため、必ず医師の指示に従ってください。

Q3.hCGの値が途中から急激に増えることはありますか?

可能性は低いですが、ゼロではありません。
排卵日が想定より遅れていた場合、初期のhCG値は低く出ますが、正しい週数に追いつく過程で数値が急激に増えるように見えることがあります。

ただし、基本的には妊娠初期の伸び率が重要視されるため、急激な増加を過度に期待せず、医師の診断のもとで経過を見守ることが大切です。

まとめ

妊娠初期におけるhCGの増え方がゆっくりであると、流産や子宮外妊娠への不安が募るかもしれません。
しかし、hCGの数値や伸び率には個人差があり、一般的な基準から外れていても、無事に出産に至るケースは存在します。

hCGの増加が緩やかになる原因には、排卵日のズレから異常妊娠の兆候まで様々考えられます。
大切なのは、数値に一喜一憂せず、出血や腹痛などの体調変化に注意を払いながら、かかりつけの医師と密に連携を取り、その指示に従うことです。
自己判断で行動せず、不安な点は専門家に相談しながら、冷静に経過を見守りましょう。

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この記事の監修者

監修者の写真

藤鬼 千子

住吉鍼灸院総院長

東洋鍼灸専門学校卒業後、2011年4月に住吉鍼灸院に入社し、9年間住吉鍼灸院院長として従事。
現在は総院長として妊娠を望むすべてのご夫婦に貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、不妊カウンセラー

《経歴》

東洋鍼灸専門学校 卒業
住吉鍼灸院 院長就任
住吉鍼灸院 総院長就任

《所属》

日本不妊カウンセリング学会会員

《SNS》

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