妊活中にどんどん太るのは不妊治療が原因?体重管理の対策と鍼灸治療

公開日:2025/11/29 

更新日:2025/11/29

妊活を始めると、これまでと変わらない生活のはずなのに体重が増えてしまうことがあります。
特に不妊治療中は、薬の影響やストレスで「どんどん太る」「激太りした」と悩む方も少なくありません。
体重増加は見た目の問題だけでなく、妊娠のしやすさにも関わるため、その原因を正しく理解し、適切な対策を行うことが求められます。

この記事では、妊活中に体重が増える原因や、自分でできる体重管理の方法、妊娠に適した体重について解説します。

 

 

妊活中に体重が増えるのはなぜ?考えられる3つの原因

妊活中に体重が増加する背景には、いくつかの要因が複雑に絡み合っています。
不妊治療で使用するホルモン剤の副作用、見通しの立たない妊活がもたらすストレスによる食生活の変化、そして身体を大事にするあまり生じる活動量の低下などが、主な原因として挙げられます。

これらの要因がどのように体重増加に影響するのか、具体的なメカニズムを理解することで、適切な対処法を見つける第一歩となります。

 

 

不妊治療で使うホルモン剤の副作用でむくみやすくなる

不妊治療で用いられる排卵誘発剤や黄体ホルモン剤は、女性ホルモンに働きかける薬です。
これらのホルモン剤には、副作用として体に水分を溜め込みやすくする作用があり、結果としてむくみや体重増加を引き起こす場合があります。

これは脂肪が直接増えたわけではなく、体内の水分量が増加したことによる一時的な変化であることが多いです。
また、ホルモン剤の影響で食欲が増進することもあり、食事量が増えて体重増加につながるケースも見られます。
特に、不妊治療を継続している間は、こうした体の変化が起こりやすい状態にあるといえます。

 

 

妊活のストレスからくる食生活の乱れ

妊活は、先の見えない不安や治療による身体的・精神的な負担から、大きなストレスを伴うことがあります。
ストレスを感じると、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が増加し、食欲を増進させる作用があります。
特に、甘いものや脂っこいものなど、高カロリーな食品を欲しやすくなる傾向が見られます。

この「ストレス食い」や「やけ食い」と呼ばれる行動が習慣化すると、摂取カロリーが消費カロリーを上回り、体重増加の直接的な原因となります。
思うようにいかない妊活への焦りが、食生活の乱れとして現れることは少なくありません。

 

 

活動量の低下による消費カロリーの減少

妊活中は「安静にしたほうが良い」という意識から、これまで行っていた運動や活動を控えてしまうことがあります。
特に、人工授精や体外受精の胚移植後は、過度に安静を保とうとするあまり、日常的な活動量が大きく低下しがちです。
これにより、一日の総消費カロリーが減少し、食事の量が変わらなくても体重が増えやすくなります。

通勤や家事といった日常の動きも減ると、運動不足の状態が慢性化し、基礎代謝も低下しかねません。
摂取カロリーと消費カロリーのバランスが崩れることが、体重増加の一因となります。

 

 

妊活中に太りやすい!一過性の症状①採卵後のお腹の張り

排卵誘発剤を用いた不妊治療で多くの卵胞が育つと、卵巣が腫れたり、お腹に水(腹水)が溜まったりしてお腹の張りを感じることがあります。
特に10個以上採卵できた場合や、女性ホルモン(エストロゲン)の値が高い場合に起こりやすいとされます。
このお腹の張りによって、体重が増えたり、洋服がきつく感じられたりするため、太ったと感じるかもしれません。

しかし、これは一時的な症状であり、多くの場合、次の月経が始まると自然に改善されます。
ただし、強い腹痛や息苦しさなどを伴う場合は、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の可能性もあるため、速やかにかかりつけの医療機関を受診してください。

 

 

妊活中に太りやすい!一過性の症状②胚移植を行うホルモン補充周期でのウトロゲスタン投与によるむくみ

胚移植の際に子宮内膜を受精卵が着床しやすい状態に整える目的で、ウトロゲスタンなどの黄体ホルモン剤が使用されます。
この黄体ホルモンは、体内に水分を保持しようとする働きがあるため、副作用として手足のむくみやお腹の張りを引き起こすことがあります。
体が水分を蓄えることで体重が増加し、太ったと感じるかもしれませんが、これも多くは一時的なものです。

ホルモン剤の投与を開始すると、体が水分を溜め込みやすくなったり、食欲が増したりするため、体重の変化が気になることがあります。
ただし、ホルモン剤の使用を続けている期間は、むくみの症状が継続する可能性も考えられます。

 

 

そもそも妊活における理想の体重とは?BMIでチェックしよう

妊活を進める上で、現在の体重が妊娠に適しているかを知ることは非常に重要です。
太った状態である肥満も、痩せすぎも、排卵や着床に影響を及ぼす可能性があります。

体重管理の第一歩として、まずは客観的な指標であるBMI(BodyMassIndex)を用いて、自身の体格を把握することが推奨されます。
BMIを知ることで、自分の体重がどの範囲にあるのかを正確に理解し、必要に応じた対策を立てることができます。

 

 

あなたのBMIは?計算方法と妊娠への影響

BMIは、体重と身長から算出される肥満度を表す国際的な指標で、「体重(kg)÷[身長(m)×身長(m)]」の式で計算できます。
例えば、身長160cm(1.6m)、体重55kgの場合、55÷(1.6×1.6)=21.48となります。
日本では、日本肥満学会が定めた基準に基づき、BMI18.5未満を「低体重(痩せ)」、18.5以上25未満を「普通体重」、25以上を「肥満」と分類しています。

このうち、妊娠に最も適しているのは「普通体重」の範囲です。
BMIがこの範囲から外れると、ホルモンバランスが乱れ、排卵障害のリスクが高まるなど、妊娠のしやすさに影響が出ることがあります。

 

 

太りすぎ・痩せすぎが妊娠に与えるリスク

体重が適正範囲を外れることは、妊娠の成立や継続に様々なリスクをもたらします。
BMIが25以上の肥満の場合、排卵障害や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を引き起こしやすくなるほか、着床率の低下も報告されています。
また、妊娠できた後も、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病といった妊娠中の合併症のリスクが高まります。

一方で、BMIが18.5未満の痩せすぎも問題です。
体脂肪が極端に少ないと、女性ホルモンの分泌が低下し、月経不順や無排卵の原因となります。
適切な体重を維持することは、母体と未来の赤ちゃんの健康を守るために不可欠です。

 

 

妊活中の体重増加をストップ!今日からできる4つの対策

妊活中の体重増加に悩んでいる場合でも、日常生活を見直すことで状況を改善できる可能性があります。
大切なのは、極端なダイエットではなく、体に負担をかけずに健康的な状態を目指すことです。

ここでは、栄養バランスの取れた食事、無理のない運動、ストレスケア、そしてむくみ対策という4つの具体的なアプローチを紹介します。
今日からでも始められるこれらの対策を取り入れ、体重管理を行いましょう。

 

 

栄養バランスを考えた食事で体を内側から整える

体重管理の基本は、栄養バランスの取れた食事です。
特定の食品を抜くのではなく、タンパク質、脂質、炭水化物の三大栄養素に加え、ビタミンやミネラルをまんべんなく摂取することを心がけてください。
特に、良質なタンパク質や鉄分、葉酸は、妊娠しやすい体づくりに欠かせません。

体を温める効果のある根菜類や生姜などを食事に取り入れるのも良い方法です。
また、食事の際は野菜から先に食べる「ベジファースト」を意識すると、血糖値の急上昇を抑えられます。
3食をできるだけ決まった時間に摂り、規則正しい食生活を送ることで、体の内側からコンディションを整えていきましょう。

 

 

無理なく続けられるウォーキングなどの有酸素運動を取り入れる

妊活中は激しい運動を避けるべきですが、適度な運動は体重管理や健康維持に有効です。
特におすすめなのが、ウォーキングや軽いジョギング、マタニティヨガなどの有酸素運動です。
これらの運動は、血行を促進して体の冷えを改善したり、ストレスを発散させたりする効果も期待できます。

大切なのは、無理なく継続することです。
まずは1日に20〜30分程度から始め、体調に合わせて調整してください。
運動習慣を身につけることで、消費カロリーが増えるだけでなく、心身のリフレッシュにもなり、前向きな気持ちで妊活に取り組めるようになります。

 

 

自分に合った方法でストレスを上手に発散する

妊活に伴うストレスは、過食やホルモンバランスの乱れを引き起こし、体重増加の要因となり得ます。
そのため、自分なりのストレス解消法を見つけて、上手に発散することが重要です。
例えば、好きな音楽を聴く、温かいお風呂にゆっくり浸かる、趣味に没頭する時間を作る、信頼できる友人やパートナーと話すといった方法があります。

妊活のことばかりを考えすぎず、意識的にリラックスできる時間を持つようにしてください。
心穏やかに過ごすことは、体重管理だけでなく、心身の健康を保ち、妊娠しやすい状態を整える上でも役立ちます。

 

 

体重増加はむくみが原因かも?セルフケアでスッキリ

不妊治療のホルモン剤などの影響で体重が増加している場合、その原因は脂肪ではなく、むくみによる水分貯留かもしれません。
この場合、セルフケアで症状を緩和できる可能性があります。
足やふくらはぎを優しくマッサージしたり、ストレッチを行ったりして、血行やリンパの流れを促進しましょう。

また、食事では塩分の摂取を控えめにし、余分な塩分を排出する働きのあるカリウムを多く含む、バナナやほうれん草、海藻類などを積極的に摂ることをお勧めします。
ぬるめのお湯にゆっくり浸かる入浴も、血行を改善しリラックス効果を高めるのに有効です。

 

 

体質改善を目指すなら鍼灸治療も選択肢のひとつ

日々のセルフケアに加えて、より専門的なアプローチで体質から見直したいと考えるなら、鍼灸治療を選択肢の一つとして検討するのも良いでしょう。
東洋医学の観点から、体のバランスを整えることを目的とした鍼灸は、妊活中の様々な悩みに対応できる可能性があります。

特に、自律神経やホルモンバランスの乱れ、血行不良といった、体重増加の背景にある根本的な問題に働きかけることが期待されます。

 

 

ストレスで過食になる可能性も

不妊治療中に感じるストレスは、過食につながる可能性があります。
ホルモン剤の副作用による体重増加は1〜2kg程度の場合が多く、それ以上に増える場合は、治療のプレッシャーなどが影響していることも考えられます。
痩せすぎも肥満も、妊活中には避けたい状態です。

特にBMIが30以上の肥満になると、排卵障害を伴う多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)のリスクが高まるという影響も指摘されています。
過食を防ぐためには、野菜から食べるベジファーストや、3食バランス良く食べるなど、健康的な食生活を心がけることが有効です。
ストレスとの付き合い方は難しいですが、食事内容を見直すことは体重管理の第一歩となります。

 

 

鍼灸治療でストレスを緩和させる

鍼灸治療は、心身の緊張を和らげ、ストレスを緩和する効果が期待されています。
特定のツボを鍼や灸で刺激することにより、自律神経のバランスが整えられ、リラックス状態を司る副交感神経が優位になります。
これにより、妊活中に感じやすい不安やイライラが軽減され、精神的な安定が得やすくなります。

また、鍼灸には血行を促進する作用もあるため、体の冷えやむくみの改善にもつながります。
ストレスが緩和されることで、過食に走るのを防いだり、睡眠の質を向上させたりと、体重管理しやすい心身の状態へと導くサポートが可能です。

 

 

妊活中の体重管理に関するQ&A

妊活中の体重管理については、多くの方が様々な疑問や不安を抱えています。
過度なダイエットは問題ないのか、治療をやめたら体重は元に戻るのか、どのタイミングで医師に相談すれば良いのかなど、具体的な悩みは尽きません。

ここでは、そうした妊活中の体重管理に関するよくある質問を取り上げ、それぞれの疑問に対して分かりやすく回答していきます。
正しい知識を持つことで、安心して体重管理に取り組めるようになります。

 

 

妊活中に過度なダイエットをしても良い?

妊活中に過度なダイエットを行うことは推奨されません。
極端な食事制限や激しい運動は、体に必要な栄養素の不足を招き、ホルモンバランスを崩す原因となります。
栄養が不足すると、卵子の質が低下したり、子宮内膜が十分に厚くならなかったりと、かえって妊娠しにくい状態を引き起こす可能性があります。

もし体重を減らす必要がある場合でも、急激な減量は体に大きな負担をかけるため避けるべきです。
バランスの取れた食事と適度な運動を基本として、月に1〜2kg程度の緩やかなペースで体重を調整していくのが理想的です。

 

 

不妊治療をやめると体重は元に戻る?

不妊治療中にホルモン剤の影響でむくみや一時的な体重増加を感じる場合がありますが、ホルモンバランスが正常に戻ることで体重も自然に戻ることがあります。ただし、治療期間中のストレスによる過食や運動不足が習慣化し、それが原因で体重が増加した場合は、治療を中断しただけでは体重が戻りにくいこともあります。

このケースでは、食生活の見直しや運動習慣の確立など、ライフスタイルそのものを改善していく必要があります。治療が終わった後も健康的な生活を継続することが重要です。

 

 

体重増加が続く場合、いつ医師に相談すべき?

セルフケアを試みても体重が増え続ける場合や、短期間で急激に体重が増加した場合は、かかりつけの医師に相談してください。
特に、体重増加に加えて、お腹の強い張りや痛み、吐き気、息苦しさなどの症状が見られる場合は、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)といった合併症の可能性も考えられるため、速やかな受診が必要です。

体重増加が治療薬の副作用によるものか、あるいは他の原因があるのかを専門家に判断してもらうことが重要です。
医師に相談することで、薬の種類の変更や、食事や運動に関する具体的なアドバイスを受けられる場合もあります。

 

 

まとめ

妊活中の体重増加は、不妊治療で用いるホルモン剤の副作用、ストレスによる食生活の乱れ、活動量の低下など、様々な要因が絡み合って生じます。
体重の増減に一喜一憂しがちですが、まずはBMIで自身の体格を客観的に把握し、太りすぎや痩せすぎが妊娠に与えるリスクを理解することが第一歩です。

その上で、栄養バランスの取れた食事や適度な運動、ストレスケアといった日々の対策を実践することが、体重管理の鍵となります。

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この記事の監修者

監修者の写真

藤鬼 千子

住吉鍼灸院総院長

東洋鍼灸専門学校卒業後、2011年4月に住吉鍼灸院に入社し、9年間住吉鍼灸院院長として従事。
現在は総院長として妊娠を望むすべてのご夫婦に貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、不妊カウンセラー

《経歴》

東洋鍼灸専門学校 卒業
住吉鍼灸院 院長就任
住吉鍼灸院 総院長就任

《所属》

日本不妊カウンセリング学会会員

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