妊活を始めると、卵子の質という言葉を耳にする機会が増えるかもしれません。
卵子の質は年齢とともに低下する傾向にありますが、日々の食事を見直すことで、その質を健やかに保つサポートができます。
卵子の質を上げる食べ物は、特別なものではなく、私たちの身近にある食材に多く含まれています。
この記事では、卵子の質を良くする食べ物を栄養素別に解説し、コンビニで手軽に買える食品や簡単なレシピまで、幅広く紹介します。
なぜ食事で卵子の質が上がるの?知っておきたい2つのポイント
卵子の質は、年齢だけでなく生活習慣、特に毎日の食事内容に大きく影響されます。
卵子の発育や成熟には多くのエネルギーが必要であり、そのエネルギー源や細胞を保護する栄養素は食事から摂取されるためです。
卵子の質を維持し、向上させるためには、細胞のエネルギー生成を助け、老化の原因となるダメージから守ることが重要になります。
ここでは、食事と卵子の質の関係について、特に重要な2つのポイントを解説します。
ポイント① 卵子のエネルギー源「ミトコンドリア」を活性化させる
卵子が成長し、受精・分裂していく過程には、膨大なエネルギーが必要です。
このエネルギーを作り出しているのが、細胞内にある「ミトコンドリア」です。
ミトコンドリアは、細胞の活動に必要なエネルギーの大部分を生産する役割を担っており、卵子内にも数多く存在します。
しかし、ミトコンドリアの機能は加齢とともに低下し、エネルギー生産が滞ると、卵子の質の低下につながる可能性があります。
食事からミトコンドリアの働きをサポートする栄養素を摂取することで、エネルギー生産を活発にし、卵子の活動を支えることが期待できます。
ポイント② 卵子の老化につながる「酸化」を防ぐ
酸化とは、体内で過剰に発生した活性酸素が細胞を傷つけ、老化や機能低下を引き起こす現象です。
この酸化によるダメージは酸化ストレスと呼ばれ、卵子も例外ではありません。
卵子が酸化ストレスにさらされると、DNAが損傷したり、細胞膜が硬くなったりして、質の低下を招くことがあります。
私たちの体には本来、活性酸素から身を守る抗酸化作用が備わっていますが、この力は年齢とともに衰えていきます。
そのため、抗酸化作用を持つ栄養素を食事から積極的に摂り、酸化ストレスから卵子を守ることが重要です。
【栄養素別】卵子の質向上に欠かせない食べ物リスト
卵子の質を高めるためには、特定の栄養素だけを摂取するのではなく、バランスの取れた食事が基本です。
酸化を防ぐ抗酸化物質、細胞のエネルギー源となる成分、そして卵子の材料となるタンパク質や脂質など、様々な栄養素が相互に作用し合って体を支えています。
ここでは、特に卵子の質の向上に貢献すると考えられている栄養素と、それらを豊富に含む食材をカテゴリー別に紹介します。
日々の食事にこれらの食材を意識的に取り入れてみましょう。
抗酸化作用で老化を防ぐ栄養素(ビタミンA・C・Eなど)が豊富な食材
ビタミンA・C・Eは「ビタミンACE(エース)」とも呼ばれ、強力な抗酸化作用を持つ栄養素です。
ビタミンEは血流を改善する働きもあり、卵巣に栄養を届けやすくします。
ビタミンAは緑黄色野菜(にんじん、かぼちゃ、ほうれん草)、ビタミンCは果物や野菜(パプリカ、ブロッコリー、キウイフルーツ)、ビタミンEはナッツ類やアボカドに豊富です。
また、トマトのリコピンや鮭のアスタキサンチンといったカロテノイドも優れた抗酸化物質として知られています。
これらの食材を組み合わせることで、多角的に酸化ストレスから卵子を守る効果が期待できます。
ミトコンドリアを元気にする栄養素(鉄分・コエンザイムQ10など)が豊富な食材
ミトコンドリアがエネルギーを生産する過程では、鉄分やコエンザイムQ10などの栄養素が不可欠です。
鉄分はエネルギー産生だけでなく、酸素を全身に運ぶヘモグロビンの材料でもあり、不足すると卵巣機能の低下につながる可能性があります。
鉄分はレバーや赤身肉、あさりなどに多く含まれます。
コエンザイムQ10は、エネルギー産生を直接サポートする補酵素で、牛肉や豚肉、イワシやサバなどの青魚に豊富です。
また、エネルギー代謝を円滑にするビタミンB群(豚肉、うなぎ、卵など)も合わせて摂取するとより効果的です。
質の良い卵子の材料となる栄養素(タンパク質・良質な脂質)が豊富な食材
卵子を含め、私たちの体はタンパク質から作られています。
そのため、良質なタンパク質の摂取は、質の良い卵子を育むための基本となります。
肉、魚、卵、大豆製品など、動物性と植物性のタンパク質をバランス良く食事に取り入れましょう。
また、細胞膜の材料となる脂質の質も重要です。
特に、サバやイワシなどの青魚に含まれるオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)は、体内の炎症を抑え、血流を改善する効果が期待されます。
一方で、加工食品に多いトランス脂肪酸は、細胞の働きを妨げる可能性があるため、摂取を控えることが推奨されます。
ホルモンバランスの維持を助ける栄養素(ビタミンD・亜鉛など)が豊富な食材
正常な排卵や着床には、ホルモンバランスが整っていることが不可欠です。
ビタミンDは、女性ホルモンの生成に関わる重要な栄養素で、卵胞の発育や子宮内膜の状態にも影響を与えるといわれています。
ビタミンDは、鮭やきのこ類に多く含まれるほか、日光を浴びることで体内でも生成されます。
一方、亜鉛は「セックスミネラル」とも呼ばれ、ホルモンの分泌や卵子の成熟をサポートする働きがあります。
亜鉛は牡蠣や赤身肉、ナッツ類から摂取できます。
これらの栄養素を意識して摂ることで、妊娠しやすい体づくりをサポートします。
【手軽に実践】コンビニでも買える!妊活中におすすめの食べ物5選
忙しい毎日の中で、常に栄養バランスの取れた食事を用意するのは難しいかもしれません。
しかし、コンビニエンスストアで手に入る食材を上手に活用すれば、手軽に妊活に役立つ栄養素を補うことが可能です。
ポイントは、加工度が低く、素材に近いものを選ぶことです。
ここでは、仕事帰りや時間がない時でも手軽に取り入れられる、妊活中におすすめのコンビニ食材を5つ紹介します。
日々の食生活にプラスして、無理なく続けていきましょう。
おすすめ① 栄養満点のサバの水煮缶
サバの水煮缶は、卵子の質向上に役立つ栄養素の宝庫です。
良質なタンパク質はもちろん、オメガ3脂肪酸であるDHAやEPAが豊富に含まれています。
これらの脂質は、血流を改善し、卵巣に必要な栄養を届けやすくする働きが期待されます。
また、骨ごと食べられるため、カルシウムの補給にもなります。
味付けがシンプルな水煮缶は、サラダやスープ、和え物など様々な料理にアレンジしやすく、買い置きしておくと非常に便利です。
調理の手間なく、手軽に栄養をプラスできる優れた食材です。
おすすめ② 手軽にタンパク質を補給できる納豆
納豆は、植物性タンパク質を手軽に摂取できる代表的な食品です。
タンパク質は卵子の材料となる重要な栄養素であり、毎日の食事でしっかり補給することが大切です。
また、納豆には女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンや、ミトコンドリアの働きを助ける鉄分も含まれています。
さらに、腸内環境を整える納豆菌や食物繊維も豊富で、全身の健康維持にもつながります。
付属のタレには糖分が多い場合があるため、醤油やポン酢を少量かけるなど、シンプルな味付けで食べるのがおすすめです。
おすすめ③ 間食にぴったりな素焼きのミックスナッツ
小腹が空いた時のおやつには、菓子パンやスナック菓子ではなく、素焼きのミックスナッツを選びましょう。
特にアーモンドやくるみには、強い抗酸化作用を持つビタミンEが豊富に含まれており、卵子の老化を防ぐ効果が期待されます。
また、ナッツには良質な脂質や亜鉛、食物繊維も含まれており、妊活中に必要な栄養素を手軽に補給できます。
塩や油で加工されていない「素焼き」タイプを選ぶのがポイントです。
ただし、カロリーは高めなので、1日ひとつかみ程度(25g前後)を目安にすると良いでしょう。
おすすめ④ 良質な脂質が摂れるアボカド
「森のバター」とも呼ばれるアボカドは、栄養価が非常に高い果物です。
強力な抗酸化作用を持つビタミンEをはじめ、葉酸やビタミンB群など、妊活中に摂取したい栄養素が豊富に含まれています。
また、アボカドの脂質の多くはオレイン酸という良質な不飽和脂肪酸で、悪玉コレステロールを減らす働きがあります。
コンビニではカットされたものや、サラダとして販売されていることも多く、手軽に入手できます。
サラダに加えたり、パンに乗せたりと、様々な食べ方で日常に取り入れやすい食材です。
おすすめ⑤ 完全栄養食といわれる卵
卵は、タンパク質、ビタミン、ミネラルをバランス良く含む「完全栄養食」であり、妊活中の食事に積極的に取り入れたい食材の一つです。
特に、卵子の材料となる良質なタンパク質を効率的に摂取できます。
また、ビタミンDや鉄分、ミトコンドリアの働きをサポートするビタミンB群も含まれています。
コンビニでは、ゆで卵や温泉卵として手軽に購入できるため、サラダのトッピングや、食事にもう一品加えたい時に便利です。
1日1〜2個を目安に、毎日の食事に取り入れていきましょう。
卵子の質を高める!今日から使える簡単妊活レシピ2選
卵子の質を高めるためには、栄養バランスの取れた食事を継続することが大切です。
しかし、毎日複雑なレシピに挑戦するのは大変です。
そこで、手軽に手に入る食材を使い、簡単に作れて栄養満点な妊活レシピを2つ紹介します。
これらのレシピは、これまで紹介してきた卵子の質の向上に役立つ栄養素を効率良く摂取できるよう工夫されています。
普段の食事に気軽に取り入れて、美味しく楽しく体づくりをしていきましょう。
レシピ① サバ缶とアボカドの栄養満点サラダ
このレシピは、サバ缶の良質なタンパク質とオメガ3脂肪酸、アボカドのビタミンEと良質な脂質を同時に摂取できる、妊活に最適な一品です。
サバの水煮缶(1缶)の汁気を切り、角切りにしたアボカド(1/2個)、ミニトマト(数個)と和え、マヨネーズと醤油、またはポン酢で味を調えるだけで完成します。
抗酸化作用のある食材を組み合わせることで、卵子の老化防止をサポートします。
調理時間も短く、忙しい日でも手軽に作れるため、普段の食事の副菜としておすすめです。
レシピ② 体が温まる鶏肉と根菜の具沢山スープ
体を温めることは、血流を促進し、卵巣に栄養を届ける上で重要です。
このスープは、体を温める効果のある根菜(にんじん、ごぼう、大根など)と、良質なタンパク質源である鶏肉を使います。
食べやすく切った鶏もも肉と根菜を和風だしで煮込み、醤油や味噌で味付けするだけで手軽に作れます。
鶏肉にはタンパク質、根菜にはビタミンや食物繊維が豊富に含まれており、一杯で多くの栄養素を摂取できます。
体を内側から温め、栄養を補給することで、卵子の質向上をサポートします。
要注意!卵子の質を下げる可能性のある食べ物や食習慣
卵子の質を高める食材を意識的に摂取することと同時に、質の低下につながる可能性のある食べ物や食習慣を避けることも重要です。
特に、体を酸化させたり、ホルモンバランスを乱したりする食品の過剰摂取には注意が必要です。
完全に断つ必要はありませんが、摂取する頻度や量を減らすだけでも、体への負担を軽減できます。
ここでは、妊活中に特に気をつけたい食べ物や食習慣について解説します。
日々の食生活を見直すきっかけにしてください。
トランス脂肪酸を多く含む食品(マーガリン、ショートニングなど)
トランス脂肪酸は油脂を加工する過程で生成される不自然な脂肪酸で「食べるプラスチック」とも呼ばれることがあります。
マーガリンやショートニング、それらを使用したパン洋菓子スナック菓子揚げ物などに多く含まれます。
トランス脂肪酸を過剰に摂取すると体内で炎症を引き起こしたり細胞膜の機能を損なったりする可能性が指摘されています。
これにより排卵障害のリスクが高まるという研究報告もあり卵子の質にも悪影響を及ぼす恐れがあるためできるだけ避けるように心がけましょう。
血糖値を急上昇させる精製された糖質(白砂糖、菓子パンなど)
白砂糖や白いパン、白米など、精製された炭水化物は、体内で急速に糖に分解され、血糖値を急激に上昇させます。
血糖値が急上昇すると、それを下げるためにインスリンというホルモンが大量に分泌されますが、この状態が続くとホルモンバランスの乱れにつながることがあります。
また、血糖値の乱高下は、体内でAGEs(終末糖化産物)という老化物質の生成を促進し、卵子の質の低下を招く一因となります。
主食は玄米や全粒粉パンを選び、甘いお菓子やジュースは控えるようにしましょう。
体を冷やす冷たい飲み物や食べ物の摂りすぎ
体の冷えは血行不良を招き、卵巣への血流を滞らせる原因となります。
卵巣に十分な血液が届かないと、卵子の発育に必要な栄養素や酸素が不足し、機能低下につながる可能性があります。
特に、冷たい飲み物やアイスクリーム、夏野菜(きゅうり、トマトなど)の食べ過ぎは、内臓から体を冷やしてしまいます。
飲み物は常温や温かいものを選び、食事では体を温める作用のある根菜類や生姜、ネギなどを取り入れるのがおすすめです。
体を冷やさない食習慣を意識することが、健康な卵子を育む土台となります。
食事以外で卵子の質を上げるために意識したい3つの生活習慣
卵子の質は、食事だけでなく、睡眠、運動、ストレス管理といった生活習慣全体の影響を大きく受けます。
栄養バランスの取れた食事を心がけるとともに、日々の暮らし方を見直すことで、より効果的に妊娠しやすい体づくりを進めることができます。
ここでは、食事以外で卵子の質を上げるために、今日から意識したい3つの基本的な生活習慣を紹介します。
一つでも良いので、できることから取り入れて、心身ともに健やかな状態を目指しましょう。
質の良い睡眠を7時間以上とる
睡眠中は、体の細胞を修復し、ホルモンバランスを整えるための重要な時間です。
特に、睡眠中に分泌されるメラトニンというホルモンには、強力な抗酸化作用があり、卵子の老化を防ぐ働きがあることがわかっています。
質の良い睡眠を確保するためには、毎日7時間以上の睡眠時間を目標にし、就寝前にスマートフォンやパソコンの画面を見るのを避けることが有効です。
寝室の環境を整え、リラックスして眠りにつく習慣をつけることで、卵子の質向上につながる体の内側からのケアが期待できます。
適度な運動で血流を促す
適度な運動は、全身の血行を促進し、卵巣への血流を改善する効果があります。
血流が良くなることで、卵子に必要な栄養素や酸素が十分に供給され、老廃物の排出もスムーズになります。
ウォーキングやヨガ、ストレッチなど、心拍数が少し上がる程度の有酸素運動を週に2〜3回、30分程度行うのがおすすめです。
無理のない範囲で体を動かす習慣を身につけることが、卵巣機能の維持と卵子の質の向上に役立ちます。
ただし、過度な運動はかえって体にストレスを与えるため、注意が必要です。
ストレスを溜めずにリラックスする時間を作る
長期的なストレスは、自律神経やホルモンバランスの乱れを引き起こし、排卵障害や卵子の質の低下につながる可能性があります。
妊活中は特に精神的なプレッシャーを感じやすい時期ですが、意識的にリラックスできる時間を作ることが非常に重要です。
趣味に没頭する、好きな音楽を聴く、アロマテラピーを楽しむ、ゆっくりと入浴するなど、自分が心から安らげる方法を見つけましょう。
ストレスを上手に管理し、心穏やかに過ごすことが、妊娠しやすい心と体を作ることにつながります。
卵子の質を上げる食べ物に関するよくある質問
卵子の質を高めるための食事について、様々な情報がある中で、具体的な疑問や不安を持つ方も多いでしょう。
サプリメントの必要性や、特定の食品に関する噂など、気になる点も少なくないはずです。
ここでは、卵子の質を上げる食べ物に関して、特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。
正しい知識を身につけ、安心して妊活に取り組むための一助としてください。
Q1. 卵子の質を上げるために、サプリメントは飲んだ方がいいですか?
基本は食事からの栄養摂取が理想ですが、食事だけでは不足しがちな栄養素を補う目的でサプリメントを活用するのは有効です。
特に、葉酸やビタミンD、鉄分、コエンザイムQ10などは、妊活中に推奨されることがあります。
ただし、自己判断での過剰摂取は避け、かかりつけの医師や専門家に相談の上、自分に合ったものを適切に利用することが重要です。
Q2. 豆乳は妊活に良くないと聞きましたが本当ですか?
豆乳に含まれる大豆イソフラボンが女性ホルモンと似た働きをするため、過剰摂取はホルモンバランスを乱す可能性があるといわれています。
しかし、常識的な範囲で飲む分には問題ないとされています。
1日にコップ1杯(200ml)程度を目安に、バランスの取れた食事の一部として取り入れるのであれば、過度に心配する必要はありません。
Q3. 食生活を改善すれば、すぐに効果は出ますか?
卵子が発育し成熟するまでには約3ヶ月かかるといわれています。
そのため、食生活を改善しても、すぐに効果が表れるわけではありません。
まずは3ヶ月間、バランスの取れた食事と健康的な生活習慣を続けることを目標にしましょう。
焦らずに、長期的な視点で体質を改善していくことが大切です。
まとめ
卵子の質を向上させるためには、抗酸化作用のある栄養素やミトコンドリアを活性化させる成分、そして卵子の材料となるタンパク質や良質な脂質をバランス良く摂取することが基本です。
サバ缶や納豆、ナッツ類など、コンビニでも手軽に購入できる食材を上手に活用し、無理なく継続することが重要です。
また、トランス脂肪酸や精製された糖質を避け、体を冷やさない食生活を心がけましょう。
食事改善の効果はすぐには現れませんが、睡眠や運動といった生活習慣と合わせて見直すことで、妊娠しやすい体づくりにつながります。







