移植後から判定日まで症状なしで陽性!私の体験談と過ごし方

公開日:2025/12/02 

更新日:2025/12/02

体外受精の胚移植を終え、妊娠判定日を待つまでの期間は、期待と不安が入り混じる特別な時間です。
インターネットやブログで体験談を検索しては、自分の体調と比較して一喜一憂してしまう方も少なくありません。

この記事では、移植後から判定日まで特別な症状が全くなかったにもかかわらず、陽性判定を受け取った私の体験談と、不安な日々を少しでも穏やかに過ごすためのヒントをご紹介します。
今まさに、症状がないことで心を悩ませている方の気持ちが、少しでも軽くなる一助となれば幸いです。

移植後に症状がなくても陽性判定の可能性は十分あります

胚移植後、多くの方が検索する「妊娠超初期症状」。
胸の張りや下腹部痛、眠気といったサインが着床の証だと考え、ご自身の身体に変化がないことで「今回も駄目だったのかもしれない」と落ち込んでしまうことがあります。

しかし、実際には移植後にこれといった症状が全くなくても、陽性判定を受けるケースは数多く存在します。
症状の有無は、妊娠の成否を判断する確実な材料にはなりません。
判定日を迎えるまで、結果は誰にもわからないのです。

【体験談】症状が全くなかった私が陽性判定をもらうまでの記録

ここでは、実際に私が体験した、症状が全くないまま陽性判定に至った経緯についてお話しします。
インターネット上で見かける様々な「妊娠の兆候」が自分には当てはまらず、判定日まで不安な気持ちで過ごしました。

同じように、ご自身の身体の変化のなさに一喜一憂している方にとって、このようなケースもあるのだという一つの事例として参考にしていただければと思います。
客観的な記録として、当時の体調や気持ちの変化を振り返ります。

移植直後から判定日までの体調変化

胚盤胞を移植してから判定日までの約10日間、私の体調には本当に何の変化もありませんでした。
よく言われる胸の張りやチクチクとした下腹部痛、足の付け根の痛み、着床出血といった兆候は一切なく、眠気やだるさを感じることもありませんでした。

むしろ、普段の生理前の方がよほど胸の張りや腹部の違和感があるくらいで、あまりにも無症状なため「今回も着床しなかったのだろう」と半ば諦めの気持ちで過ごしていました。
基礎体温もホルモン補充周期のため参考にならず、体からのサインは何も感じ取ることができませんでした。

陽性判定を聞いたときの素直な気持ち

判定日当日、クリニックで血液検査の結果を待っている間も、症状が全くなかったことから「陰性の告知をどう受け止めようか」ということばかり考えていました。
そのため、医師から「陽性ですよ」と告げられた瞬間は、喜びよりも先に「まさか」「信じられない」という驚きの感情が込み上げてきました。
全く自覚症状がなかったため、自分の体の中で妊娠が成立しているという事実がすぐには理解できませんでした。

この経験から、体のサインだけで妊娠の成否を自己判断するのは全く当てにならないと痛感しました。

一般的にいわれる胚移植後の妊娠初期症状

胚移植後、多くの方が気にするのが「妊娠初期症状」の有無です。
着床が成立すると、体内でホルモンバランスが大きく変化し始め、それに伴い心身に様々な変化が現れることがあります。

しかし、これらの症状は全ての人に起こるわけではなく、またその感じ方にも個人差が大きいという点を理解しておくことが重要です。
ここでは、一般的に知られている身体的、精神的な変化について解説します。

多くの人が経験する身体の変化

妊娠が成立すると、hCGホルモンの分泌が始まり、女性ホルモンのバランスが変化します。
これにより、身体には様々な変化が現れることがあります。
代表的なものとして、乳房の張りや痛み、チクチクとした下腹部痛、ごく少量の出血(着床出血)などが挙げられます。

また、基礎体温の高温期が持続したり、強い眠気や身体のだるさを感じたり、頻尿になったりする人もいます。
おりものの量や性状が変化するのも、よく見られる症状の一つです。
ただし、これらの変化は生理前の症状(PMS)と非常によく似ているため、症状だけで妊娠を判断することは困難です。

精神的な気分の浮き沈み

身体的な変化と同時に、精神的な面での変化を経験する人も少なくありません。
ホルモンバランスが急激に変動することで、自律神経が影響を受け、感情のコントロールが難しくなることがあります。
具体的には、些細なことでイライラしたり、突然悲しくなって涙もろくなったり、理由もなく気分が落ち込んだりと、情緒が不安定になりがちです。
しかし、これもまた月経前症候群(PMS)の症状と似ています。

加えて、判定日を待つ間の期待やプレッシャーといった心理的なストレスが、気分の浮き沈みに影響を与えている可能性も十分に考えられます。

妊娠初期症状の有無で妊娠は判断できない理由

多くの方が妊娠のサインとして捉える身体の変化ですが、その有無だけで妊娠しているかどうかを判断することはできません。
なぜなら、症状の感じ方には個人差があり、また不妊治療の状況によっても体のコンディションは変わってくるからです。
症状がないからといって、過度に心配する必要はありません。

ここでは、症状の有無が妊娠の判断基準にならない具体的な理由を説明します。

症状の感じ方には大きな個人差があるため

妊娠初期症状の現れ方やその強さは、人によって全く異なります。
非常に敏感に体の変化を感じ取り、着床したと思われる時期からすぐにつわりのような症状が出る人もいれば、妊娠数ヶ月まで全く何も感じない人もいます。
これは、体質やホルモンに対する感受性が一人ひとり違うためです。
同じ人が複数回妊娠した場合でも、その都度症状の出方が違うことさえあります。

したがって、他の人の体験談と自分の状況を比較して落ち込む必要は全くありません。
症状がないことは、決して妊娠していないことを意味しないのです。

ホルモン補充周期では症状が出にくいことも

ホルモン補充周期で胚移植を行った場合、妊娠初期症状を感じにくいことがあります。
この治療法では、卵胞ホルモン(エストロゲン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)の薬を使って、子宮内膜を妊娠に適した状態に保ちます。

これらのホルモン剤の副作用には、胸の張り、眠気、だるさ、吐き気など、妊娠初期症状とよく似たものが含まれます。
そのため、移植前からすでにそのような症状が出ている場合、たとえ着床したとしても新たな変化として感じにくいのです。
逆に、薬の影響なのか妊娠の兆候なのか区別がつかず、混乱してしまうこともあります。

不安な判定日までの期間を穏やかに過ごすための3つのコツ

胚移植後から判定日までの通称「魔の2週間」は精神的に非常に長く感じられるものです。
自分の体の些細な変化に意識が集中し、不安やストレスを抱えやすくなります。

このデリケートな時期を少しでも心穏やかに乗り切るために、意識して取り入れたい3つの過ごし方のコツをご紹介します。
自分を大切にしながら、判定の日を待つためのヒントです。

普段通りの生活リズムを大切にする

移植後は安静にしなければと考えがちですが、医師から特別な指示がない限り、過度に生活を制限する必要はありません。
むしろ、仕事や家事など、できるだけ普段通りの生活リズムを保つ方が、気を紛らわすことができ精神的に安定します。

もちろん、激しい運動や重いものを持つ作業、体を冷やすことは避けるべきですが、日常生活の範囲で体を動かすことは問題ありません。
規則正しい食事や十分な睡眠を心がけ、心身のバランスを整えることが、穏やかな気持ちで過ごすための基本となります。

インターネットでの情報検索から距離を置く

不安な気持ちから、「移植後症状」などのキーワードで検索を繰り返してしまうことはありませんか。
しかし、インターネット上には様々な情報が溢れており、自分とは異なるケースの体験談を見ては一喜一憂し、かえって精神的な疲労を招きます。

特にネガティブな情報に触れると、不安は増幅してしまいます。
この時期は、意識的にスマートフォンやパソコンから離れる時間を作り、情報収集を一旦お休みする勇気も必要です。
判定日の結果がすべてであり、それ以前に検索で得られる情報に振り回されないようにしましょう。

自分が心からリラックスできる時間を作る

妊娠のことばかり考えてしまう時間を減らし、意識を別の方向に向けることが大切です。
自分が「心地よい」「楽しい」と感じることに時間を使ってみましょう。
好きなアーティストの音楽を聴く、温かいハーブティーを淹れてゆっくり味わう、夢中になれる映画やドラマを一気に見る、読みたかった本の世界に浸るなど、何でも構いません。

友人との電話やパートナーとの会話も、気分転換になります。
自分の心と体を労り、意識的にリラックスできる時間を持つことで、不安な気持ちを和らげることができます。

移植後の症状に関するよくある質問

胚移植を終えた方が抱きやすい、症状に関する様々な疑問。
ここでは、特に多くの方が気にされる質問とその回答をまとめました。
「症状がない=着床していない?」といった直接的な不安から、陰性の場合のサイン、症状が出始める時期の目安まで、よくある疑問に答えていきます。

正しい知識を持つことで、不要な心配を少しでも減らしていきましょう。

Q. やはり何も症状がないと着床していないのでしょうか?

いいえ、症状の有無と着床の成否は直接関係ありません。
これまで述べてきたように、妊娠初期症状の感じ方には非常に大きな個人差があります。
また、ホルモン補充周期の治療を受けている場合は、薬の影響で症状を感じにくいこともあります。

実際、全くの無症状で陽性判定を受ける方は決して少なくありません。
体のサインだけで着床しているかどうかを判断することは不可能です。
最終的な結果は、クリニックでの血液検査などによる判定でしかわかりませんので、症状がないことを悲観的に捉える必要はありません。

Q. 逆に陰性だった場合に出やすいサインはありますか?

陰性だった場合に特有のサインというものは、医学的にはありません。
妊娠初期症状として挙げられる胸の張りや下腹部痛などは、生理前の症状(PMS)と酷似しているため、症状の有無や種類だけで陽性か陰性かを判断することは非常に困難です。

判定日よりも前に普段通りの生理が始まった場合は、残念ながら陰性の可能性が高いと考えられます。
ただし、着床期に起こる少量の出血を生理と見誤るケースもあるため、自己判断はせずに必ずクリニックの指示に従ってください。
症状に一喜一憂せず、判定日を待つことが重要です。

Q. いつ頃から症状が出始めるのが一般的ですか?

症状が出始める時期にも大きな個人差があることが大前提ですが、一般的には妊娠4週目以降、つまり生理予定日頃から何らかの変化を感じ始める人が多いようです。
胚盤胞移植の場合、移植後1〜3日で着床し、そこからhCGホルモンが分泌され始めます。
その影響が体に現れるまでには少し時間がかかります。

しかし、これはあくまで目安であり、妊娠5週や6週になってからつわりのような症状が始まる人もいますし、出産まで目立った症状がほとんどない人もいます。
時期を特定することはできず、人それぞれと考えるのが適切です。

まとめ

胚移植後から妊娠判定日までの期間、特別な症状がなくても陽性の結果を得る可能性は十分にあります。
妊娠初期症状の有無やその感じ方は個人差が非常に大きく、またホルモン補充周期などの治療法によっても左右されるため、自己判断の材料にはなりません。

この不安な期間は、過度な安静やインターネットでの情報検索を避け、普段通りの生活リズムを保ちながら、自身がリラックスできる時間を持つことが精神的な安定につながります。
体のサインに一喜一憂せず、クリニックでの正確な判定を穏やかな気持ちで待つことが大切です。

関連記事

この記事の監修者

監修者の写真

藤鬼 千子

住吉鍼灸院総院長

東洋鍼灸専門学校卒業後、2011年4月に住吉鍼灸院に入社し、9年間住吉鍼灸院院長として従事。
現在は総院長として妊娠を望むすべてのご夫婦に貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、不妊カウンセラー

《経歴》

東洋鍼灸専門学校 卒業
住吉鍼灸院 院長就任
住吉鍼灸院 総院長就任

《所属》

日本不妊カウンセリング学会会員

《SNS》

インスタグラム
アメーバブログ