男性不妊、不育症、2人目不妊について

2019/10/23

突然ですが男性不妊症ってご存知ですか?

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元気に働いている精子が精液の中に充分な数いないとき不妊症の原因となります。
男性も女性と同様にホルモンバランスの異常によって精液に異常が現れる場合があります。
女性とは違って精子は常に作られ続けています。通常、精巣では毎日数億の精子が作られます。
しかしホルモンバランスが乱れると精巣は委縮して精子が作られなくなることがあります 。
WHOの定義では
・精液の量が2㏄以上。
・1㏄の中の精子の総数が2000万以上。
・働いている精子の割合が50%以上。
・正常な形をした精子が30%以上。

が正常であるとされています。
精子の産生もストレスや疲労などによって悪影響を受けます。
リラックスし心を休めるように努めましょう。
また、精子が作られていても射精までのルートでブロックされていることもあります。
働きすぎが原因と言われていますが、他にも先天的なものや感染症の可能性もあるので1度検査をお勧めします。
また鍼灸治療も精子の所見が断然よくなっています
自然治癒能力を引き出しホルモンバランスを整えていきましょう。

妊娠にいたるまでは女性の力だけでも男性の力だけでも成立しません。
2人の協力が必要ですよね。

ということで次に、男性の妊娠力をUPする栄養素についてのお話です。

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栄養で補えることは女性も男性も同じです。
心身ともに整い健康になることで細胞が元気になり妊娠力も上げっていくというわけです。
男性の最も摂っていただきたい栄養素は
「亜鉛」
亜鉛はとても大切なミネラルで
◆精子形成。
◆前立腺の働き。
◆精子の運動と活性化。
などに関わっています。

別名「セックスミネラル」と呼ばれるほどです。
しかし亜鉛不足の方が多いのが現状。

亜鉛が欠乏すると
◆意欲の低下。
◆性欲の低下。
が起こるのが特徴です。
実際に不妊治療をしている医師も亜鉛を摂ったあとの精子を見て「別人の精子かと思った」とびっくりしたそうです。
もう一つ亜鉛には大きな働きがあります。
それは
◆血糖値を下げるインスリン分泌の調整。
欠乏するとインスリンの出が悪くなったり逆に出すぎたりし、このような状態になったときに亜鉛が減少します
そのため血糖値を抑えた食事も必要です。

また合わせて摂ると良い栄養素が「ビタミンD」。
女性にも欠かせない栄養素ですが男性も同じです。
ビタミンDが不足すると
◆精子運動率低下。
◆前進精子運動率低下。
◆正常精子形態率の低下。
が報告されいますので、妊娠を考えているカップルは積極的に亜鉛とビタミンDを摂ることをおすすめします!

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今度は女性のお話。
今回は、妊娠したのに育たない「不育症」と1人目は順調だったのに2人目が授からない「二人目不妊」ついてのお話です。

先ずは不育症から説明していきますね。
不育症とは、妊娠してもおなかの赤ちゃんが育たず、残念ながら流産、死産、新生児死亡を3回以上繰り返してしまうことをいいます。
習慣流産も不育症と同じ意味で使われます。

不育症でなくても、一般的に、すべての妊娠のなかで15%は流産になると言われています。
年齢別でみるとその確率はより上がり、35歳では20%、40歳では30%、45歳では40%にものぼるとされます。
流産の多くは、受精卵の染色体異常、つまり自然淘汰と考えられます。

不育症の治療は、検査を受け流産が起こりやすい危険因子を見つけ、それらを予防していくことが中心になります。
不育症の原因、リスクになり得る因子(検査項目)は
・染色体異常。
・子宮形態異常。
・内分泌異常。
・凝固因子異常。
・抗リン脂質抗体。
・ストレス。

などがあります。
検査は、夫婦の血液検査をおこない、女性は子宮卵管造影検査で子宮の形状を把握します。
治療は、内分泌異常でしたら。ホルモン剤の投薬、抗リン脂質抗体陽性でしたらアスピリン+ヘパリン療法などをしていきます。
また、ストレスがかかると、血流を悪くしたり、自律神経のバランスが崩れやすくなります。
ストレスは、原因が他にある方や、原因が分からないかたも重ねて関わってくることが多いです。

不育症の場合、流産率は高いですが、多くの人が出産して赤ちゃんを抱いています。
不育症に詳しい医師に相談したり、鍼灸で赤ちゃんのいやすい環境を内側から作っていきましょう。
次に、お子さんがいすでにいるけれども2人目がなかなか授からない
「二人目不妊(続発性不妊)」
についてお話していきます。

一人目の出産後、月経が再開して(授乳期間は含めません)1~2年経っても妊娠しないのであれば、妊娠しにくい原因があるのかもしれません。

1人目も不妊治療で授かった場合は、2人目も自然に不妊治療で、と考えられますが、1人目が自然に妊娠、出産した場合は、自分が不妊かもとは意識しにくいものです。
1人目、2人目に関わらず、女性は年齢が上がると加齢のダメージで卵子の受精能力が落ち、37歳くらいからは卵巣の能力も低下してしまいます。

出産後の環境の変化や、妊娠出産によるホルモンバランスの崩れ、精子の状態の悪化や射精障害など、不妊の原因は色々考えられますので、思い当たることがあったり心配なことがあれば、一度病院を受診してもいいかもしれませんね。
検査としては一般的な不妊検査と同じで、治療も原因が見つかればその治療をするのも、一般的な不妊治療と同じです。

治療の段階としては、30代前半であれば、タイミング法を6周期、次に人工授精を6周期を目安に進めます。
(あくまでも目安です)

しかし、女性の年齢が37歳を過ぎる場合は、ステップアップを早めにすることの検討をしたり、40代に入ると、妊娠のしやすさが加齢によって落ちてきているので、一般の不妊治療か、高度不妊治療で行くのかを早めに決めることが大切になってきます。

子育てをしながらの不妊治療は、体力的にも経済的にも負担が大きくなっていきますので、夫婦でよく話し合って納得できる選択をしていきましょう。

最後に。
当院に二人目でご来院された方の症例報告を一つご紹介いたします。
【患者像】
M・Sさん 40代 女性 看護師

【来院】
2018.3

【症状と来院理由】
主訴:不妊症
平成29年6月から第2子希望でタイミング指導を始めるが、妊娠の傾向がなく、体質に不安を感じ、ご来院された。生理周期は安定。生理痛あり(腹痛、腰痛)。生活習慣の乱れも気になり根本的な体質改善を目的に治療を希望。

【治療経過と内容】
治療方針:骨格矯正、血流改善、自律神経の調整

治療経過:初診での治療で骨格からの歪みがあり、鍼治療と整体のみ。2診目にはオイルトリートメントを活用して首肩の緊張緩和を目的に治療。
治療計画では治療初期は歪みの改善と筋緊張の緩和を目的に鍼灸治療と整体、オイルトリートメントを中心に治療を行い、生理痛の緩和と冷えの改善を行う。治療中期では自律神経の乱れを整えながら周期治療を行い、タイミング療法に合わせての治療に専念する。
この計画とともに治療がスタートしたが、3診目で陽性反応を認める。現在も妊娠継続中。

【同時に治療した症状】
歪み、肩こり、ストレス。

【使用した主なツボ】
整体療法、三陰交、百会、印堂

【考察】
正直このスピードには患者さんとビックリしました。妊娠を望む中で自身の体質改善と妊娠しやすい生活習慣の改善を求めて来院されて、治療に対しても自宅ケアに対してもすぐに実践されて取り組まれていました。一人目が自然妊娠したこともあり、2人目不妊として1年間が何にも結果が出ずに焦っている状況からの結果でもあったのでとても嬉しいご報告でした。この1年間の求める心の強さを感じました。妊娠が目標ではなく、目的をもち、真剣に考えて取り組まれている姿に感銘を受けました。さらにご主人もメンテナンスで来院されて将来への投資として健康の重要性をご夫婦で実感されて実践されている結果だと感じました。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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住吉鍼灸院 監修

産婦人科医 平林大輔先生