受精後すぐの症状はある?いつから?妊娠超初期症状のサインと兆候

公開日:2025/12/05 

更新日:2025/12/05

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妊娠を希望していると、体の些細な変化にも「もしかして?」と期待してしまいます。
特に、受精後すぐに何らかの症状があるのか気になり、体験談やブログを検索する方も多いでしょう。
しかし、妊娠の兆候が現れる時期やその内容は個人差が非常に大きいものです。
医学的には、受精してすぐに自覚できる症状が出ることはほとんどありません。

この記事では、妊娠が成立する仕組みから、一般的に「妊娠超初期症状」と呼ばれるサインが出始める時期、具体的な症状のチェックリストまでを詳しく解説します。

受精してすぐに症状は出るの?妊娠の仕組みを解説

結論から言うと、受精した直後に症状が出ることはありません。
妊娠による体調の変化は、受精卵が子宮内膜に着床し、妊娠が成立した後に起こり始めます。

妊娠が成立すると、女性ホルモンのバランスが大きく変化し、その影響でおりものの状態が変わったり、眠気を感じたりといった、いわゆる「妊娠超初期症状」が現れます。
そのため、症状の有無を受精直後に判断することはできず、着床するまでの約1週間から10日間は、自覚症状がほぼない状態が続くと考えられています。

妊娠が成立するのは「着床」してから

妊娠は、排卵された卵子と精子が出会って受精することから始まります。
受精卵は細胞分裂を繰り返しながら卵管を移動し、約7日から10日かけて子宮にたどり着き、子宮内膜にもぐりこんで根を張ります。
この「着床」が完了して、初めて妊娠が成立したことになります。

着床すると、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンの分泌が始まり、このホルモンの影響でプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が維持されます。
このプロゲステロンには眠気を誘う作用があるため、日中に耐えられないほどの眠気を感じたり、いくら寝ても眠いと感じたりすることがあります。

妊娠のサインはいつから?症状が出始める時期の目安

妊娠のサインが出始めるのは、着床が完了し、ホルモンバランスの変化が体に影響を及ぼし始める時期からです。
一般的に「妊娠超初期」と呼ばれる、最後の月経開始日から数えて3週目後半から4週目頃、つまり次の生理予定日の前後あたりが目安となります。

この時期に、ホルモンバランスの急激な変化によって、体のほてりやだるさ、頭痛、気分の落ち込みといった様々な症状を感じることがあります。
ただし、これらの症状の感じ方には個人差が非常に大きく、この時期に全く何も感じない人も少なくありません。
そのため、症状の有無だけで妊娠を判断するのは難しいと言えます。

【チェックリスト】多くの人が感じる妊娠超初期のサイン

妊娠超初期には、ホルモンバランスの変化によって心身に様々な変化が現れることがあります。
これから紹介する症状は、多くの人が経験するものですが、生理前の症状(PMS)とよく似ているため、見分けるのが難しい場合も少なくありません。

また、ここに挙げた症状が必ず現れるわけではなく、個人差が大きいことを理解しておきましょう。
自身の体調変化と照らし合わせながら、あくまで一つの目安として参考にしてください。

おりものの量が増えたり状態が変化したりする

妊娠が成立すると、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が増加します。
この影響で子宮頸管からの分泌物が増え、おりものの量が増えることがあります。
状態としては、色が透明や白っぽく、水のようにサラサラしたものになることが多いですが、少し粘り気が出たり、クリーム状になったりすることもあります。
においは通常きつくありません。

ただし、強いかゆみや悪臭、黄色や緑色といった普段と違う色のおりものが出る場合は、カンジダ腟炎などの感染症の可能性も考えられるため、早めに産婦人科を受診することが必要です。

生理とは違う少量の出血(着床出血)が見られる

受精卵が子宮内膜に着床する際に、内膜の血管をわずかに傷つけることで起こる少量の出血を「着床出血」と呼びます。
これはすべての妊婦に起こるわけではなく、経験する人は4人に1人程度と言われています。

時期としては、生理予定日の数日前から予定日頃に見られることが多く、色はピンク色や茶褐色で、おりものに混ざる程度のごく少量であることがほとんどです。
期間も1〜3日程度で自然に止まるのが特徴で、生理の経血のように量が増えたり、鮮血が出続けたりすることはありません。
生理が来たと勘違いすることもあるため、量や色、期間に注意しましょう。

基礎体温が高い状態が続き、体がほてる

普段から基礎体温を測っている場合、妊娠のサインに気づきやすくなることがあります。女性の体は排卵後にプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増え、基礎体温が上昇する「高温期」に入ります。通常、この高温期は約14日間続き、生理が始まると体温は下がって低温期に移行します。

しかし、妊娠が成立するとプロゲステロンの分泌が続くため高温期が持続します。 高温期が続く期間には個人差がありますが、一般的には12~16日間程度とされており、妊娠している場合は通常より2~3日以上高温期が延長したり、16日以上高温期が続くことがあります。 この影響で、体が熱っぽく感じられたり、顔がほてったり、微熱が続くような感覚を覚えることがあります。 これは風邪の初期症状と似ているため、間違えやすい症状の一つです。

日中に耐えられないほどの眠気に襲われる

妊娠超初期症状として、多くの人が挙げるのが強い眠気です。
これは、妊娠を維持するために分泌され続けるプロゲステロン(黄体ホルモン)の作用によるものです。
プロゲステロンには催眠作用があるため、日中でも突然強い眠気に襲われたり、夜に十分な睡眠をとっても常に眠いと感じたりすることがあります。

仕事中や家事の最中でも、座るとうとうとしてしまうなど、日常生活に支障が出るほどの眠気を感じる人も少なくありません。
これは、体が赤ちゃんを育てるために休息を必要としているサインとも言えるでしょう。

下腹部にチクチクとした痛みや張りを感じる

妊娠超初期には、下腹部に生理痛のような痛みや違和感を覚えることがあります。
これは、受精卵が着床する際の刺激や、妊娠によって子宮が大きくなろうと準備を始めるために収縮したり、子宮を支える靭帯が引っ張られたりすることが原因と考えられています。
痛みの感じ方には個人差があり、「チクチクする」「キューッと引っ張られる感じ」「お腹が張る」など様々です。

多くは一時的なもので心配いりませんが、我慢できないほどの強い痛みや、出血を伴う痛みが続く場合は、子宮外妊娠などの可能性も考えられるため、速やかに医療機関を受診してください。

胸が張って痛む、乳首が敏感になる

胸の張りや痛みも、妊娠超初期によく見られるサインの一つです。
妊娠すると、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が増え、出産後の授乳に向けて乳腺組織が発達し始めます。
この影響で、胸全体がパンパンに張ってサイズが大きくなったり、少し触れただけでも痛みを感じたりすることがあります。
また、乳首が敏感になり、下着が擦れるだけで痛みや違和感を覚えることも。

乳輪の色が濃くなったり、乳頭が黒ずんだりといった変化が現れる人もいます。
生理前の胸の張りと似ていますが、妊娠している場合は症状がより強く、長く続く傾向があります。

吐き気や胃のむかつきといった「つわり」の兆候

一般的に「つわり」は妊娠5~6週頃から本格化しますが、早い人では妊娠4週頃、つまり生理予定日の頃から吐き気や胃のむかつきといった兆候を感じ始めることがあります。
これは「早期つわり」とも呼ばれ、空腹時に気持ち悪くなる「食べつわり」や、特定のにおいに敏感になるといった症状として現れます。

まだ妊娠検査薬で陽性反応が出ない時期から、なんとなく胃がムカムカする、食欲がないといった変化を感じる人もいます。
つわりの症状や程度は個人差が非常に大きく、全く感じない人もいれば、ごく初期からつらい症状に悩まされる人もいます。

ささいなことでイライラしたり気分が落ち込んだりする

妊娠による急激なホルモンバランスの変化は、自律神経にも影響を及ぼし、精神的な不安定さを引き起こすことがあります。
普段なら気にならないような夫の言動にイライラしたり、テレビのニュースを見ただけで涙が出たり、理由もなく気分が落ち込んでしまうなど、感情の起伏が激しくなることがあります。

これも生理前のPMS(月経前症候群)とよく似た症状ですが、妊娠によるホルモンの変動はよりダイナミックなため、自分でも感情のコントロールが難しいと感じることがあります。
身体的な変化だけでなく、こうした精神的な変化も妊娠のサインの一つです。

風邪に似た倦怠感やだるさが続く

妊娠超初期は、基礎体温が高い状態が続くため、体が常に熱っぽく、微熱や倦怠感を感じることがあります。
また、ホルモンバランスの変化も相まって、全身がだるく、何もやる気が起きないといった症状が現れることも少なくありません。
これらの症状は、頭痛や寒気、関節の痛みなどを伴うこともあり、風邪のひきはじめと非常によく似ています。

そのため、妊娠の可能性に気づかず、自己判断で風邪薬を服用してしまうケースもあるため注意が必要です。
いつもより疲れやすいと感じたら、無理をせず体を休めるようにしましょう。

食の好みが変わったり食欲がなくなったりする

つわりの一環として、食の好みが大きく変化することがあります。
これまで大好きだった食べ物のにおいを嗅いだだけで気分が悪くなったり、逆に普段は食べないようなものが無性に食べたくなったりします。
特に、酸っぱいものや塩辛いもの、ジャンクフードなどを好むようになるケースはよく聞かれます。

一方で、胃のむかつきや吐き気から食欲が全くなくなり、ほとんど食べられなくなる人もいます。
ご飯が炊けるにおいや、コーヒーの香りなど、特定のにおいに敏感になり、食事が苦痛に感じることも妊娠超初期に見られる変化の一つです。

トイレが近くなる(頻尿)

妊娠すると、赤ちゃんを育てるために子宮が少しずつ大きくなり始め、すぐ近くにある膀胱を圧迫するようになります。
そのため、尿を溜めておける容量が小さくなり、頻繁に尿意を感じるようになります。

また、妊娠中は体内の血液量が増加し、腎臓でろ過される血液量も増えるため、作られる尿の量自体も多くなります。
これにより、日中だけでなく夜間にも何度もトイレに起きるようになるなど、頻尿の症状が現れることがあります。
膀胱炎と症状が似ていますが、排尿時の痛みがなければ、妊娠による生理的な変化の可能性が高いと考えられます。

生理予定日を過ぎても月経が始まらない

これまで挙げてきた症状は、いずれも個人差が大きく、妊娠していなくても起こりうるものです。
しかし、月経の遅れは、妊娠の可能性を示す最も客観的でわかりやすいサインと言えるでしょう。
普段から生理周期が安定している人で、生理予定日を1週間過ぎても月経が来ない場合は、妊娠している可能性がかなり高いと考えられます。

ただし、過度なストレスや疲労、環境の変化、体重の増減など、様々な要因で生理周期が乱れることもあります。
そのため、月経が遅れていることだけをもって妊娠と断定することはできません。

妊娠超初期症状と生理前症状(PMS)を見分けるポイント

妊娠超初期の症状は、生理前に起こる月経前症候群(PMS)の症状と非常によく似ているため、自己判断で見分けるのは困難です。
しかし、いくつかの違いから推測することは可能です。
例えば、基礎体温はPMSでも高温期が続きますが、生理が始まると低下します。
妊娠している場合は高温期が持続します。

また、PMSで出血が起こることはありませんが、妊娠超初期には着床出血が見られることがあります。
症状の強さも一つの目安で、胸の張りや眠気が普段のPMSより強く感じられる場合は、妊娠の可能性があります。

「妊娠かも?」と思ったら。正確に確認する2つの方法

体の変化から「もしかして妊娠?」と感じても、自己判断だけでは確信が持てません。
妊娠しているかどうかを正確に知るためには、適切な方法で確認することが重要です。

主な確認方法は、市販の妊娠検査薬を使用する方法と、産婦人科を受診する方法の2つです。
どちらの方法も、正しいタイミングで行うことで、より正確な結果を得ることができます。
焦って早すぎる時期に検査をすると、正しい結果が出ない可能性もあるため、適切な時期を知っておくことが大切です。

タイミングが重要!妊娠検査薬を正しく使う時期

市販の妊娠検査薬は尿中に含まれるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンの有無を調べることで妊娠を判定します。
このhCGホルモンは着床して初めて分泌が始まりその後徐々に増加していきます。
検査薬が正確に反応するためには尿中のhCG濃度が一定以上になる必要があります。

そのため多くの妊娠検査薬は使用時期を生理予定日の1週間後からと定めています。
これより早い時期に検査する「フライング検査」は妊娠していてもhCG濃度が低いために陰性と出てしまう可能性があります。
製品の説明書をよく読み正しい時期に使用しましょう。

妊娠確定のために産婦人科を受診するタイミング

妊娠検査薬で陽性反応が出たら、産婦人科を受診して正常な妊娠かどうかを確認する必要があります。
受診するタイミングの目安は、最終月経の開始日から数えて妊娠5週目以降です。
この時期になると、超音波(エコー)検査で子宮内に胎嚢(たいのう)という赤ちゃんが入っている袋が確認できるようになります。
胎嚢が子宮内に確認されることで、子宮外妊娠などの異常妊娠ではないことがわかります。

早すぎると胎嚢がまだ小さくて確認できず、再受診が必要になることもあります。
焦らず、適切な時期に受診することが大切です。

妊娠の可能性があるときに生活で気をつけたいこと

妊娠したかもしれないと感じたそのときから、お腹の赤ちゃんのために生活習慣を見直すことが大切になります。
特に妊娠超初期は、赤ちゃんの脳や心臓といった重要な器官が作られる非常にデリケートな時期です。

この時期の母親の生活習慣が、赤ちゃんの健やかな成長に大きく影響します。
まだ妊娠が確定していなくても、妊娠の可能性があるなら、これから紹介する点に気をつけて過ごすように心がけましょう。

アルコールやタバコは胎児への影響を考えて控える

妊娠中のアルコール摂取は、胎児の脳の発達に影響を及ぼし、「胎児性アルコール症候群」を引き起こすリスクがあります。
タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は、胎盤の血流を悪化させ、赤ちゃんへの酸素や栄養の供給を妨げます。
これにより、低出生体重児や早産、流産のリスクが高まることがわかっています。

パートナーが吸うタバコの煙による受動喫煙も同様に有害です。
妊娠の可能性があるとわかった時点から、お酒とタバコはきっぱりとやめる必要があります。
赤ちゃんの健康を守るため、強い意志を持って控えましょう。

市販薬の服用は自己判断せず医師や薬剤師に相談する

妊娠超初期は、赤ちゃんの重要な器官が形成される大切な時期です。
この時期に母親が服用した薬の成分が、胎児に影響を及ぼす可能性があります。
妊娠超初期には、風邪のようなだるさや頭痛を感じることがありますが、自己判断で市販の風邪薬や鎮痛剤を服用するのは避けてください。

どうしても薬が必要な場合は、必ず産婦人科医や、かかりつけの医師、薬剤師に妊娠の可能性を伝えて相談しましょう。
妊娠中でも比較的安全に使用できる薬を処方してもらうなど、専門家の指示に従うことが重要です。

感染症予防とバランスの取れた食生活を心がける

妊娠中は免疫力が低下するため、様々な感染症にかかりやすくなります。
特に、風疹やトキソプラズマといった感染症は、胎児に深刻な影響を与える可能性があるため注意が必要です。
外出後の手洗いやうがいを徹底し、人混みを避けるなどの基本的な感染対策を心がけましょう。

また、食生活では、赤ちゃんの成長に必要な栄養素をバランス良く摂ることが基本です。
特に、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減する効果がある「葉酸」は、妊娠前から積極的に摂取することが推奨されています。
サプリメントも活用しながら、意識して摂取しましょう。

まとめ

受精後すぐに自覚できる症状が現れることはほとんどなく、妊娠のサインは受精卵が着床し、ホルモンバランスが変化し始める妊娠3週の終わり頃から現れ始めます。
しかし、その症状は眠気やだるさ、下腹部痛など、生理前の症状とよく似ているものが多く、個人差も非常に大きいため、症状だけで妊娠を判断するのは困難です。

生理予定日を1週間過ぎても月経が来ない場合は、市販の妊娠検査薬で確認し、陽性が出たら妊娠5週目以降を目安に産婦人科を受診しましょう。
妊娠の可能性がある段階から、胎児への影響を考え、飲酒や喫煙、薬の服用には注意して過ごすことが求められます。

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この記事の監修者

監修者の写真

藤鬼 千子

住吉鍼灸院総院長

東洋鍼灸専門学校卒業後、2011年4月に住吉鍼灸院に入社し、9年間住吉鍼灸院院長として従事。
現在は総院長として妊娠を望むすべてのご夫婦に貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、不妊カウンセラー

《経歴》

東洋鍼灸専門学校 卒業
住吉鍼灸院 院長就任
住吉鍼灸院 総院長就任

《所属》

日本不妊カウンセリング学会会員

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