生理が早く来る方法とは?ピルやピル以外の方法を解説

公開日:2025/12/05 

更新日:2025/12/05

 

大事な旅行やイベントと生理が重なりそうで、日程をずらしたいと考えたことはありませんか。
生理日を意図的にコントロールする方法として、医学的根拠のあるピルを用いる方法と、巷でいわれるピル以外の方法が存在します。
確実性を求めるのであれば、正しい知識を持って対処することが重要です。

この記事では、生理を早めるための具体的な方法について、ピルを服用する方法とそれ以外の方法の両面から詳しく解説します。

生理を意図的に早く来させることはできる?

結論から言うと、医師の指導のもとでピル(経口避妊薬)を服用することによって、生理を意図的に早めることは可能です。
ピルは女性ホルモンの量を調整する薬であり、その作用を利用して生理周期をコントロールします。

一方で、食事や運動など、ピル以外の方法で生理日を確実に早める医学的根拠は現時点ではありません。
大切な予定に合わせて確実に生理日を調整したいのであれば、ピルを用いた方法が最も現実的で確実な選択肢となります。

【医学的な方法】ピルを服用して生理を早める仕組み

生理日を確実に早める医学的な方法は、ピルを服用することです。
ピルには女性ホルモンが含まれており、これを服用することで体内のホルモンバランスを人為的にコントロールし、生理周期を調整できます。

この仕組みを利用すれば、大切な予定の前に生理を終わらせることが可能です。
ここでは、ピルで生理日が調整できるメカニズムから、具体的な服用スケジュール、副作用、費用について詳しく解説します。

低用量・中用量ピルで生理日を調整するメカニズム

ピルには卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2種類の女性ホルモンが含まれています。
ピルを服用すると体内のホルモン濃度が高まり、脳が妊娠している状態だと錯覚して排卵が抑制されます。
そして、ピルの服用を中止するとこれらのホルモン量が急激に減少し、子宮内膜が剥がれ落ちて出血が起こります。
これが、ピル服用中に見られる消退出血と呼ばれるもので、通常の生理と同じような現象です。

このホルモンの増減を人為的にコントロールすることで生理が来るタイミングを調整できるのです。

生理を早めたい場合のピルの服用スケジュール

生理を早めるためには、移動させたい生理の一つ前の生理期間中にピルの服用を開始する必要があります。
具体的には、生理が始まった日からピルを飲み始め、早めたい生理が来てほしい日の2〜3日前まで連続で服用を続けます。
ピルの服用を止めると、通常2〜3日後に消退出血(生理)が始まります。

例えば、生理を7日間早めたい場合は、最低でも7錠以上のピルを連続で飲む必要があります。
ただし、服用スケジュールは個人の状況によって異なるため、必ず医師の指示に従って正しく服用することが重要です。

ピルを服用する前に知っておきたい副作用

ピルの服用を開始した初期には、副作用が現れることがあります。
主な症状としては、吐き気、頭痛、乳房の張り、不正出血などが挙げられます。
これらの症状はマイナートラブルと呼ばれ、体がピルに慣れてくる1〜3ヶ月程度で自然に軽減していくことがほとんどです。

ごく稀に、重篤な副作用として血栓症のリスクがありますが、その発生頻度は非常に低いとされています。
ただし、喫煙者や特定の持病がある方はリスクが高まるため、ピルを服用する際は必ず医師に相談し、既往歴などを正確に伝えることが不可欠です。

ピルの処方にかかる費用の相場

生理日の移動を目的としたピルの処方は、病気の治療ではないため保険適用外となり、全額自己負担の自費診療となります。
費用は医療機関によって異なりますが、診察料と薬代を合わせて5,000円から10,000円程度が一般的な相場です。
処方されるピルの種類や日数によっても金額は変動します。

最近では、オンライン診療サービスを利用してピルを処方してもらうことも可能で、通院の手間が省けるという利点もあります。
費用や診療方法については、事前に医療機関に確認することをおすすめします。

【ピル以外】自力で生理を早く来させる方法はある?

ピル以外の方法で、自力で生理を早める方法を探している人もいるかもしれません。
インターネット上では、特定の食べ物やツボ押しなどが紹介されていることがありますが、これらの方法で生理日を意図的にコントロールできるという医学的な根拠は確立されていません。

ここでは、ピル以外で生理を早めるといわれている方法の効果について、医学的な観点から解説します。
確実性に欠けることを理解した上で、体調管理の一環として参考にしてください。

食べ物や飲み物で生理を早める医学的根拠はない

大豆製品に含まれるイソフラボンが女性ホルモンに似た働きをすることから、豆乳を飲むと生理が早まるという説がありますが、特定の食べ物や飲み物を摂取することで生理周期を意図的に早めることができるという医学的根拠はありません。
バランスの取れた食事は、ホルモンバランスを整え、健康な体を維持するために不可欠です。

しかし、食事内容を変えたからといって、数日後に生理が来るように調整することはできません。
ピル以外の方法に過度な期待をせず、あくまで健康的な生活習慣の一環として栄養バランスを考えることが大切です。

ツボ押しで生理を早める効果は期待できる?

東洋医学では、女性特有の不調に効果があるとされるツボが存在します。
例えば、「三陰交(さんいんこう)」や「血海(けっかい)」といったツボは、血行を促進し、ホルモンバランスを整える助けになるといわれています。
ツボを刺激することで心身がリラックスし、血流が改善される可能性はありますが、ツボ押しによって生理を確実に早めることができるという科学的な証拠はありません。

ピル以外の方法として試す場合でも、あくまで体調を整えるための補助的な手段と捉え、生理日をコントロールする直接的な効果は期待しない方が良いでしょう。

ホルモンバランスを整える生活習慣を心がけよう

過度なストレス、睡眠不足、不規則な食生活、急激なダイエットなどは、ホルモンバランスの乱れを引き起こし、生理不順の直接的な原因となります。
生理周期を安定させるためには、まず規則正しい生活を送ることが基本です。
十分な睡眠時間を確保し、栄養バランスの取れた食事を三食きちんと摂り、適度な運動を習慣づけることで、ホルモンバランスが整いやすくなります。

これは生理を意図的に早める方法ではありませんが、生理不順に悩んでいる場合、周期が安定し、次の生理日を予測しやすくなるという利点があります。
ピル以外の方法として、日々の生活習慣を見直すことは非常に重要です。

体を温めて血行を良くすることも大切

体が冷えると血管が収縮し、全身の血行が悪くなります。
特に骨盤周りの血流が滞ると、子宮や卵巣の機能に影響を与え、生理痛の悪化や生理不順につながることがあります。

日頃からシャワーだけでなく湯船に浸かる、温かい飲み物を摂る、適度な運動を取り入れるなどして、体を内側と外側から温めることを意識しましょう。
血行が良くなることで、ホルモンバランスが整いやすくなり、生理周期の安定につながる可能性があります。
これもピル以外の方法として、生理を直接早めるものではありませんが、健やかな生理周期を保つための基本的なセルフケアとして有効です。

生理を早く来させたいときによくある質問

大切な予定のために生理日を調整したいと考えたとき、特にピルの使用に関しては様々な疑問が浮かぶものです。
ここでは、生理を早く来させたいと考える人が抱きやすい質問について解説します。

ピルの避妊効果の有無や、どこで処方してもらえるのか、またどのくらいの日数を調整できるのかといった、具体的な疑問点を取り上げ、安心して生理日移動に取り組めるように情報を提供します。

ピルの服用で避妊効果は得られますか?

生理日を移動させる目的で中用量ピルを短期間服用する場合、避妊効果は期待できません。
避妊効果を得るためには、低用量ピルを定められたスケジュール通りに、1シート(通常21日間または28日間)継続して服用する必要があります。

生理日移動と避妊の両方を希望する場合には、低用量ピルを生理が始まった日から服用開始し、その後も継続して飲み続ける必要があります。
使用するピルの種類や服用方法によって効果が異なるため、自己判断せず、必ず医師に目的を伝えて相談し、適切な指導を受けることが大切です。

ピルはどこで処方してもらえますか?

ピルは医師の処方が必要な医薬品のため、ドラッグストアや薬局では購入できません。
処方してもらうには、婦人科や産婦人科といった医療機関を受診する必要があります。
医師による問診や診察を受けた上で、問題がなければ処方されます。

最近では、スマートフォンやパソコンを使って自宅から診察を受けられるオンライン診療サービスも普及しており、通院する時間がない場合に便利です。
オンライン診療では、問診後にピルが自宅へ郵送されます。
自身のライフスタイルや状況に合わせて、対面診療かオンライン診療かを選択すると良いでしょう。

ピルを使えば何日でも生理を早められますか?

ピルを使って生理を早める場合、元の生理予定日から最大で10日程度までが一般的とされています。
生理を早めるためには、移動させたい日数分以上の実薬(ホルモン成分が含まれている錠剤)を連続で服用し続ける必要があります。
例えば、生理を5日間早めたいのであれば、最低でも5日間はピルを飲み続けなければなりません。

大幅に生理日をずらしたい場合は、生理を早めるのではなく、次の生理を遅らせる方法が適していることもあります。
どれくらいの日数をいつまでに調整したいのかを医師に具体的に伝え、最適なプランについて相談することが重要です。

まとめ

旅行やイベントなどの予定に合わせて生理日を調整したい場合、医学的根拠に基づいた最も確実な方法は、ピルを服用することです。
ピルは女性ホルモンの量を人為的にコントロールすることで、生理が始まるタイミングを意図的に早めることを可能にします。

一方で、特定の食べ物を食べたりツボを押したりするといったピル以外の方法では、生理を確実に早める効果は科学的に証明されていません。
生理日の移動を安全かつ確実に行うためには、自己判断で対処するのではなく、必ず婦人科や産婦人科を受診し、医師の指導のもとで適切なピルを処方してもらうことが不可欠です。

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この記事の監修者

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藤鬼 千子

住吉鍼灸院総院長

東洋鍼灸専門学校卒業後、2011年4月に住吉鍼灸院に入社し、9年間住吉鍼灸院院長として従事。
現在は総院長として妊娠を望むすべてのご夫婦に貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、不妊カウンセラー

《経歴》

東洋鍼灸専門学校 卒業
住吉鍼灸院 院長就任
住吉鍼灸院 総院長就任

《所属》

日本不妊カウンセリング学会会員

《SNS》

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