不妊症になりやすい人はいるの?!

公開日:2024/02/23 

更新日:2024/04/26

こんにちは、

東京都江東区にある不妊専門鍼灸院、住吉鍼灸院です。

 

 

当院では妊娠を希望してご来院される方が多くいらっしゃるのですが、では不妊症になりやすい人はいるでしょうか?

 

今回は、不妊症になりやすい人の男女別特徴についてお話していきます。

不妊症とは?

不妊症とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しない状態のことを言います。

この一定期間を日本産婦人科学会は「1年」としていますが、月経不順や月経痛など不安要素がある場合は、1年を待たず「不妊かもしれない」ことを考え、早期に医師への相談を行った方がいい場合もあります。

 

例えば、女性では排卵障害や子宮内膜症など医療の介入が必要な病態が原因となっている場合があります。

また、比較的高年齢の方(35歳以上)では卵巣機能の低下により妊娠できる残りの期間がすでに限られていることがあります。

 

そのため、妊娠を望むカップルは、まずはご自身の体の状態について理解するために、産婦人科医に相談することをお勧めしています。

 

不妊症になりやすい人っているの?

さて、では不妊症になりやすい人はいるのでしょうか?

実際に不妊症になりやすい人、はいらっしゃいます。

どういった人がなりやすいのかというと、生理が乱れがちだったり、生理痛が極端に強い、年齢が高いなどは不妊症になりやすいと言えるのです。

以下に当てはまる方は、不妊症になりやすい可能性が高いため、早めの受診が早期妊娠のカギになるかもしれません。

 

《女性の場合》

1.月経の異常がある女性

2.性感染症・骨盤腹膜炎

3.過去に子宮筋腫・子宮内膜症を指摘されている場合

4.35歳以上の女性

 

 

1.月経の異常がある女性

月経の異常がある方は、不妊症になりやすい可能性があります。

以下にどんな月経の異常があるか、お伝えしていきますね。

①月経周期の異常

月経の間隔が長い(39日以上空く)方、逆に極端に短い(24日以内に来る)方は排卵をしていないことが多くあります。

極端な肥満や、逆にやせ過ぎ、あるいはストレスでこのような月経周期の異常が起こることもあります。

このような方は不妊症のリスクが高いため、基礎体温を1~2ヶ月つけて早めの受診をお勧めします。

 

②月経量・期間の異常

月経の量が極端に多い、あるいは長い(8日以上)方は、子宮筋腫などで子宮の内腔(受精卵が着床するところ)の形が変形していることがあります。

逆に月経の量が極端に少ない、あるいは短い(2日以内)方は、月経があっても排卵していなかったり、過去に人工妊娠中絶や流産の処置を受けたことがある方は、子宮の内腔の一部が癒着していることがあります。

このような症状がある方は不妊症のリスクが高いと考えられます。

 

③月経にともなう症状の異常

月経の際の痛みが若いころに比べてどんどん強くなる、月経時に下痢をいつも起こす、あるいは性交渉の時に以前になかった痛みが出て来た、などは子宮内膜症の症状の可能性があります。

子宮内膜症の方が妊娠しないわけではありませんが、1周期あたりの妊娠率は正常の女性に比べて1/10ぐらいと言われており、不妊症のリスクが高くなる疾患です。

 

2.性感染症・骨盤腹膜炎

クラミジアや淋菌といった性行為感染症にかかったことがある方、以前に骨盤腹膜炎を起こしたことのある方は主に卵管が原因の不妊症のリスクを上昇させます。

特に、腹部の手術後で腹膜炎やイレウス(腸閉塞)を起こした既往のある方は要注意です。

3.過去に子宮筋腫・子宮内膜症を指摘されている場合

以前に健康診断などで子宮筋腫、子宮内膜症と言われている場合、早めの受診が適当です。

特に、子宮内膜症によるチョコレートのう腫がある場合には、卵子の老化が年齢より進むこともあると言われているので、注意が必要です。

子宮内膜症の患者さんの約半数は不妊症を合併し、不妊症患者の約25~50%に子宮内膜症が診断されるといわれています。

 

4.35歳以上の女性

女性の妊娠率の減少は30歳から徐々に始まり、35歳を過ぎると加速し、40歳を過ぎると急速に減少します。

これは、加齢による卵の質の低下によるものです。
不妊症につながる特定の原因がなくても、加齢によって不妊症になる確率は高まるため、35歳以上の方は不妊治療も選択肢として考えながら、早めに専門機関を受診相談することをお勧めします。

 

 

《男性の場合》

1.睾丸が小さい

2.睾丸が陰嚢内の上方、あるいは鼠径部に位置している人

3.幼少期に祖型ヘルニアの手術をしている人

4.過去におたふく風邪に罹ったことがある人

5.過去に抗がん剤治療や放射線治療を受けたことがある人

6.生活習慣の乱れ

1.睾丸が小さい

精巣内で精子が造られますので、もっとも気にしていただくのは睾丸の大きさです。睾丸が小さくなったり、柔らかくなったりした人は精液所見が悪化している可能性があります。また、睾丸の上にもう一つ睾丸があるかのように見える複数の血管のコブ(精索静脈瘤)がある人も要注意です。

陰嚢内は体温より低い温度に保たれており、睾丸は低い温度で精子を造りやすいのですが、精索静脈瘤では体温と同じ温度の血液が睾丸近くにたくさんあるため、陰嚢内でも睾丸の温度が低くならないのです。

精索静脈瘤は左側に多く、立位でお腹に力を入れた状態の方が確認しやすいです。

 

2.睾丸が陰嚢内の上方、あるいは鼠径部に位置している人

また、睾丸が陰嚢内の上方、あるいは鼡径部に位置している人(停留睾丸)も、睾丸の温度が高くなりがちで精子を造る能力が衰える可能性があります。

仮に子供の頃に停留睾丸の手術を受けた人であっても、精液所見が悪化していることがあるので、注意した方がいいでしょう。

 

3.幼少期に祖型ヘルニアの手術をしている人

子供の頃に鼡径ヘルニア(脱腸)の手術を受けた人も男性不妊症になる可能性があります。

睾丸で作られた精子は鼡径管の中を通りますので、その場所を手術することで精子がうまく通らなくなる可能性があるからです。

4.過去におたふく風邪に罹ったことがある人

おたふく風邪にかかった後、睾丸が腫れあがった人は、睾丸炎により精子を造る力が衰えている可能性があります。

おたふく風邪にかかわらず、高熱が続いた人、特に睾丸付近に痛みを感じたことがある人も睾丸の働きが悪くなっている可能性があります。

睾丸の横に位置する副睾丸が腫れあがる副睾丸炎や、前立腺炎などにかかったことがある人も、そのために精子が通りにくくなっている可能性が考えらえます。

 

5.過去に抗がん剤治療や放射線治療を受けたことがある人

また、これまでに抗がん剤治療や放射線治療を受けたことのある人は、睾丸の状態が悪くなっている可能性があります。

抗がん剤を使うと、治療終了後、長期間経過した場合でも精子がうまく造れなくなってしまうことがあります。

 

6.生活習慣の乱れ

そして、肥満や喫煙、睡眠不足、不規則な食生活なども精液の状態に影響する可能性がありますので注意が必要です。

少しでも不安を感じた場合は、専門クリニックや泌尿器科での検査をお勧めします。

 

 

男性・女性両方に共通する不妊症の原因って?

不妊症の原因は何があるのでしょうか。

以下に不妊症の原因についてお伝えしていきます。

女性側の原因(卵管因子、排卵因子、子宮因子)が約50%、男性側の原因は35%あります。その他に原因不明が10-20%程度あり、これが男女共通の不妊の原因と言えます。

それでは、ここには何が含まれるのでしょうか。

 

1.免疫因子

2.原因不明因子

 

 

1.免疫因子

免疫とは、異物が体に入ってくるのを防いだり、排除したりして体を守る働きのことをいいます。

通常は細菌やウイルスに対して起きる反応ですが、それが精子に対して起きると不妊の原因になります。

男性側の場合、自分の精子にも関わらず免疫ができてしまうことによって、精子減少症や無精子症の原因となります。

女性側の場合、精子の運動を妨げたり、卵子と精子の結合を阻害したり、受精卵の発生に影響を与えると言われています。

血液検査で女性側の抗精子抗体を調べる方法もありますが(保険適応ではありません)、はっきり検出できないこともあります。

 

2.原因不明因子

様々な検査を行っても原因が特定できないケースもあります。

そもそも妊娠のプロセスは非常に複雑であり、体内で起きているすべての事象に対して検査が行えるわけではありません。

医学は日進月歩で研究が進んでいますが、正直なところ、妊娠に関してはわからない点も多くあるのです。

その原因不明の中でも「加齢」は男女に共通する不妊の原因として多くを占めると考えられています。

女性は30代から徐々に妊娠率が低下し、35歳を過ぎるとさらに急激に低下します。

一方で流産率は年齢とともに上昇します。加齢により卵子の質が低下し染色体の異常の頻度が上がることが大きく影響すると考えられます。

また、これまで男性側の年齢はあまり影響しないと言われたこともありましたが、最近は男性も35歳を過ぎると徐々に精子の質が低下することがわかっています。

さらに、男女ともストレスが多いと排卵や精子に影響が出て妊娠しにくくなることがあります。

原因不明不妊の場合、他の不妊因子がある方と比べると妊娠成績が低いという報告があります。また、不妊期間が長いカップルほど原因不明の頻度が高く、妊娠率が低いという報告もあります。

検査でなにも異常がない=妊娠できるではないのです。

年齢が若く、不妊期間が短いのであれば自然な経過をしばらく見ても良いですが、30歳を超えたり、不妊期間が長い場合は、検査で異常がなくても積極的な治療を考えることをお勧めします。

 

 

まとめ

「不妊症」というと女性側が主に検査を受け、治療のために通院しがちになります。

女性だけが検査を受け明らかな原因がなく、タイミング治療をずっと続けていても妊娠に至らず、男性側が検査を受けてみたら精子の数が少なかった、あるいはいなかった、というケースもあります。

上記にお伝えした通り、男性側にも不妊症になりやすい人がいらっしゃいます。

妊娠は女性側だけでは成立し得ず、2人の問題として協力することが大切です。

男性も女性も、妊娠を考えた時には早めに検査を受けていくことをお勧めします。

 

 

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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【監修】

住吉鍼灸院 院長 藤鬼 千子

鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師

2011年国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得。
2011年住吉鍼灸院入社。
2017年不妊カウンセリング学会認定、不妊カウンセラー。

施術歴13年

 

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この記事の監修者

監修者の写真

藤鬼 千子

住吉鍼灸院総院長

東洋鍼灸専門学校卒業後、2011年4月に住吉鍼灸院に入社し、9年間住吉鍼灸院院長として従事。
現在は総院長として妊娠を望むすべてのご夫婦に貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、不妊カウンセラー

《経歴》

東洋鍼灸専門学校 卒業
住吉鍼灸院 院長就任
住吉鍼灸院 総院長就任

《所属》

日本不妊カウンセリング学会会員

《SNS》

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