妊娠中は、お腹の赤ちゃんのために栄養バランスの取れた食事が基本ですが、サプリメントで栄養を補う方も少なくありません。
しかし、妊婦さんが自己判断でサプリを摂取することはリスクを伴います。
中には、妊娠中に飲んではいけないサプリも存在するため、正しい知識を持つことが不可欠です。
この記事では、妊娠中に避けるべき成分や、安全なサプリの選び方について詳しく解説します。
はじめに:妊娠中のサプリメント、自己判断で飲むのは危険です
妊娠中の身体は非常にデリケートであり、普段は何気なく摂取しているサプリメントが、胎児に悪影響をおよぼす可能性があります。
特に、特定のビタミンやハーブ系の成分は、過剰摂取によってリスクが高まることが知られています。
妊婦さんがサプリメントを利用する際は、必ず事前にかかりつけの医師や薬剤師に相談し、自己判断で摂取を始めたり、中止したりしないようにしましょう。
【一覧】妊娠中に摂取を避けるべき・注意が必要なサプリの成分
妊娠中は、胎児への影響を考慮してサプリメントの成分を慎重に選ぶ必要があります。
特に過剰摂取によってリスクが高まる成分や、美容・ダイエット目的の製品に含まれがちな注意すべき成分が存在します。
妊娠中に飲んではいけないサプリや、摂取に注意が必要な主な成分を把握し、安全なマタニティライフを送りましょう。
ここでは、具体的に避けるべき成分をその理由とともに解説します。
過剰摂取で胎児に影響をおよぼすリスクがある成分
健康維持に役立つ栄養素であっても、妊娠中に過剰摂取すると、かえって胎児の健康を損なう危険性がある成分が存在します。
代表的なものに、ビタミンA(レチノール)やヨウ素、ポリフェノールなどが挙げられます。
これらは通常の食事から摂取する分には問題ない場合が多いですが、サプリメントで追加摂取することにより、気づかないうちに耐容上限量を超えてしまう可能性があります。
妊娠中に飲んではいけないサプリとして、これらの成分が高濃度で配合されているものは特に注意が必要です。
ビタミンA(レチノール):赤ちゃんの奇形リスクにつながる可能性
ビタミンAは胎児の正常な発育に必要な栄養素ですが、動物性食品に含まれる「レチノール」を妊娠初期に過剰摂取すると、赤ちゃんの耳や顔、心臓などに奇形が生じるリスクが高まることが報告されています。
そのため、レチノールを含むサプリメントは、妊娠中に飲んではいけないサプリの代表例です。
日本の食事摂取基準では、妊婦のビタミンA(レチノール)の耐容上限量は1日2,700μgRAEと定められています。
一方で、緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンは、体内で必要な分だけビタミンAに変換されるため、過剰摂取のリスクは低いとされています。
ヨウ素:胎児の甲状腺機能に影響を与える恐れ
ヨウ素は甲状腺ホルモンの主成分であり、胎児の脳や神経の発達に不可欠なミネラルです。
しかし、母体が過剰に摂取すると、胎盤を通じて胎児に移行し、赤ちゃんの甲状腺機能低下症を引き起こす可能性があります。
昆布に豊富に含まれているため、昆布エキスなどを使用したサプリメントの摂取には注意が必要です。
妊娠中に飲んではいけないサプリとして、ヨウ素を高濃度で含むものは避けるべきです。
日本の食事摂取基準における妊婦の耐容上限量は1日2,000μgとされており、通常の和食を食べていれば不足の心配は少ない栄養素です。
ポリフェノール:胎児の心臓に負担をかける可能性
ポリフェノールは抗酸化作用を持つことで知られていますが、妊娠後期の過剰摂取は、胎児の心臓の血管である「胎児動脈管」を収縮させる「胎児動脈管早期閉鎖」を引き起こすリスクが指摘されています。
これにより、胎児の心臓に大きな負担がかかり、肺高血圧症や心不全につながる恐れがあるため注意が必要です。
ポリフェノールは、カテキンやイソフラボン、アントシアニンなど多くの種類があります。これらを高濃度で配合したサプリメントは、妊娠中に飲んではいけないサプリとして認識し、特に妊娠後期は摂取を控えるべきです。
美容・ダイエット目的のサプリに含まれる注意すべき成分
妊娠前から美容やダイエットのためにサプリメントを愛用していた方も多いかもしれません。
しかし、これらのサプリには、妊娠中に摂取すると母体や胎児に悪影響を与える可能性がある成分が含まれていることが少なくありません。
脂肪燃焼をうたう成分や、一部のハーブ、美肌効果を目的とした成分などは、安全性や有効性が確認されていないものが多く存在します。
これらは妊娠中に飲んではいけないサプリの代表格であり、安易な継続は避けるべきです。
脂肪の燃焼や吸収を抑えるダイエット系の成分
脂肪燃焼を促進するL-カルニチンや、糖質・脂質の吸収を阻害するギムネマ、キトサンなどの成分が含まれたダイエット系サプリは、妊娠中の使用を想定して作られていません。
これらのサプリメントは、母体が必要とするエネルギーや栄養素の吸収を妨げ、体重の急激な減少を招く可能性があります。その結果、母体の健康を損なうだけでなく、胎児の健全な発育に必要な栄養が不足してしまう恐れがあります。したがって、これらの成分を含むサプリは、妊娠中に飲んではいけないサプリに分類されます。
子宮収縮を招く恐れのあるハーブ系の成分
天然由来だから安心というイメージがあるハーブ系の成分にも、注意が必要です。
アロエやセンナ、ウコン、シナモン、ハトムギといった一部のハーブには、子宮を収縮させる作用が知られており、流産や早産のリスクを高める可能性があります。
また、大豆イソフラボンのように女性ホルモンと似た働きをする成分は、胎児の生殖機能に影響を与える可能性が指摘されています。
安全性が確立されていないハーブも多いため、これらを含むサプリは妊娠中に飲んではいけないサプリと考え、摂取を控えるのが賢明です。
美白・美肌効果をうたうプラセンタなどの成分
美白や美肌を目的としたサプリに含まれるプラセンタやコラーゲン、ヒアルロン酸といった成分は、妊娠中の安全性に関する十分なデータがありません。
特に、動物の胎盤を原料とするプラセンタは、ホルモンへの影響や、製造過程での感染症のリスクがゼロとは言い切れません。
妊娠中はホルモンバランスの変化で肌荒れが起こりやすくなりますが、安易に美容サプリに頼るのは避けるべきです。
効果や安全性が不明確なこれらの成分を含む製品も、妊娠中に飲んではいけないサプリとして認識しておきましょう。
妊娠中でも安心!安全なサプリメントを見分ける3つの選び方
妊娠中にサプリメントを摂取する場合、製品の選び方が非常に重要です。
自己判断で選ぶのではなく、いくつかのポイントを押さえることで、リスクを減らし、安心して利用できます。
安全な製品を見分けるためには、成分表示の確認、品質管理の徹底された製品の選択、そして専門家への相談が欠かせません。
これらのポイントを踏まえれば、自分と赤ちゃんにとって本当にいいサプリメントを選ぶことができるでしょう。
選び方1:必要な成分と含有量が明確に記載されているか確認する
安全なサプリメントを選ぶ第一歩は、パッケージの成分表示を詳しく確認することです。
まず、自分に必要な栄養素(例えば葉酸や鉄)が含まれているか、そしてその含有量が明記されているかを見ましょう。
含有量が不明確な製品は避けるべきです。
また、ビタミンAのように過剰摂取が問題となる成分については、1日あたりの摂取目安量を守った場合に、食事摂取基準で定められた耐容上限量を超えないかを確認する必要があります。
成分名と含有量がはっきりと記載されている製品は、信頼性の高い製品と判断する一つの基準になります。
選び方2:品質管理が徹底された日本国内の製品を選ぶ
サプリメントは、製造から出荷までの全工程で品質が保証されている製品を選ぶことが重要です。
その目安となるのが「GMPマーク」です。
GMP(GoodManufacturingPractice)とは、原材料の受け入れから製造、出荷まで全ての過程において、製品が「安全」に作られ、「一定の品質」が保たれるようにするための製造工程管理基準です。
このマークが付いている製品は、第三者機関によって品質管理体制が審査されているため、信頼性が高いと言えます。
また、海外製品は成分量が日本人向けに調整されていない場合があるため、品質管理が明確な日本国内の製品を選ぶ方が安心です。
選び方3:服用を開始する前にかかりつけの医師や薬剤師に相談する
どのようなサプリメントであっても、摂取を始める前には必ずかかりつけの産婦人科医や薬剤師に相談してください。
専門家は、個々の健康状態、食生活、妊娠週数などを総合的に考慮し、本当にそのサプリメントが必要か、また安全に摂取できるかを判断してくれます。
現在服用中の薬との飲み合わせや、アレルギーの有無についても確認してもらえるため、自己判断で摂取を始めるよりもはるかに安全です。
勧められた製品であっても、購入前に一度相談することで、安心してサプリメントを利用できます。
逆に飲んだ方が良い?妊娠中に摂取が推奨される栄養素
妊娠中には避けるべき成分がある一方で、赤ちゃんの健やかな成長と母体の健康維持のために、積極的に摂取することが推奨される栄養素もあります。
特に、妊娠初期から意識して摂取したい葉酸や、妊娠中期以降に不足しがちな鉄分などが代表的です。
これらの栄養素は、食事だけで必要量を満たすのが難しい場合もあり、サプリメントを上手に活用することがいいとされています。
どの栄養素をいつから飲むべきかを正しく理解しましょう。
神経管閉鎖障害のリスクを減らす「葉酸」
葉酸は、ビタミンB群の一種で、細胞の分裂や増殖、血液を作る働きに欠かせない栄養素です。
特に、胎児の脳や脊髄の基となる神経管が作られる妊娠初期において、葉酸の摂取は極めて重要とされます。
この時期に葉酸が不足すると、胎児の神経管閉鎖障害という先天性異常の発症リスクが高まることがわかっています。
厚生労働省は、妊娠を計画している女性から妊娠初期の女性に対し、通常の食事に加えて1日400μgの葉酸をサプリメントなどから飲むことを推奨しており、適切に摂取することがいいとされています。
妊娠中の貧血対策に不可欠な「鉄分」
妊娠中は、胎児への栄養供給や分娩時の出血に備えるために、体内の血液量が通常時の約1.5倍に増加します。
そのため、血液の主成分である赤血球を作るための鉄分が大量に必要となり、鉄欠乏性貧血に陥りやすくなります。
貧血になると、動悸や息切れ、めまいといった母体の不調だけでなく、胎児の発育に影響を与えたり、早産のリスクを高めたりすることがあります。
食事からの摂取を基本としつつ、不足分はサプリメントで補うなど、意識的に鉄分を摂ることがいいとされます。
赤ちゃんの骨や歯の形成を助ける「カルシウム」と「ビタミンD」
カルシウムは、赤ちゃんの骨や歯を形成するために不可欠なミネラルです。
妊娠中にカルシウムが不足すると、赤ちゃんは母体の骨からカルシウムを吸収して成長するため、母親の骨密度が低下してしまう可能性があります。
将来の骨粗しょう症のリスクを減らすためにも、十分なカルシウム摂取が重要です。
また、ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。
そのため、カルシウムとビタミンDは一緒に摂取することが効果的です。
これらをバランスよく飲むことがいいでしょう。
妊娠中のサプリに関するよくある質問
妊娠中のサプリメント利用については、多くの妊婦さんが疑問や不安を抱えています。
これまで飲んでいたサプリは続けていいのか、マルチビタミンなら安心なのか、といった質問は特によく聞かれます。
ここでは、そうした妊娠中のサプリメントに関するよくある質問にお答えし、安心してサプリメントと付き合っていくための知識を深めていきます。
正しい情報を知り、安全なマタニティライフに役立てましょう。
Q1. 妊娠前から飲んでいるサプリは、そのまま続けても問題ないですか?
自己判断で飲むのは危険です。
妊娠中は避けるべき成分や、過剰摂取に注意が必要な成分が含まれている可能性があるため、妊娠がわかった時点ですぐにかかりつけの医師や薬剤師に相談してください。
安全性が確認できるまでは、一度中断するのが賢明です。
Q2. 複数の栄養素が入った「マルチビタミン」なら安全ですか?
一概に安全とは言えません。
製品によっては、妊娠中の過剰摂取が懸念されるビタミンA(レチノール)などが、妊婦の耐容上限量に近い量で含まれている場合があります。
妊婦向けに成分や配合量が調整された製品を選び、摂取前に医師に相談しましょう。
Q3. 海外製のサプリを個人輸入して飲むのはなぜ避けるべきですか?
日本の基準よりも成分の含有量が過剰な場合や、国内では安全性が確認されていない成分が含まれているリスクがあるためです。
品質管理の基準も日本と異なることがあります。
妊娠中に飲んではいけないサプリを避けるためにも、国内の信頼できるメーカーの製品を選びましょう。
まとめ
妊娠中のサプリメント摂取は、自己判断が最も危険です。
妊婦さんが良かれと思って摂取した成分が、胎児に悪影響をおよぼす可能性があります。
特に、ビタミンA(レチノール)の過剰摂取や、一部のハーブ、安全性の確立されていない美容・ダイエット成分を含むサプリは避けるべきです。
妊娠中に飲んではいけないサプリを正しく理解し、葉酸や鉄分など本当に必要な栄養素を、安全な方法で補うことが大切です。
サプリメントを利用する際は、必ずかかりつけの医師や薬剤師に相談し、成分や含有量、品質管理体制が明確な製品を選びましょう。







