体外受精の妊娠判定日が怖い…不安な気持ちを和らげる過ごし方

公開日:2025/12/03 

更新日:2025/12/03

 

体外受精における胚移植後、妊娠判定日までの期間は期待と不安が入り混じり、精神的に落ち着かない日々を過ごす方が少なくありません。
結果がどうであれ、その日を迎えること自体に恐怖を感じることもあるでしょう。

この記事では、妊娠判定日までの不安な気持ちを少しでも和らげ、穏やかに過ごすための具体的なヒントや心の持ち方について解説します。

なぜ体外受精の判定日は怖いと感じてしまうのか

体外受精の妊娠判定は、これまでの治療の成果が示される重要な日です。
多大な時間、費用、そして身体的・精神的な負担を乗り越えて胚移植に臨んでいるため、結果に対する期待が大きくなるのは自然なことといえます。

その期待が大きい分、「もしも駄目だったら」という不安も強くなり、判定日を迎えること自体に恐怖を感じてしまうのです。
また、結果次第で今後の治療計画も変わるため、先の見えない状況がさらに不安を増幅させる一因となります。

判定日までを穏やかに過ごすための3つのヒント

胚移植から判定日までの約2週間は、心身ともにデリケートな時期です。
この期間の過ごし方が直接結果を左右するわけではありませんが、過度なストレスは避けたいものです。

ここでは、できるだけ心を穏やかに保ち、リラックスして判定日を迎えるための3つのヒントを紹介します。
自分に合った方法を見つけ、少しでも落ち着いた気持ちで過ごせるように、日々の体調と相談しながら試してみてください。

好きなことに没頭して気を紛らわす

判定日のことばかり考えてしまうと、不安は募る一方です。
そんな時は、意識的に別のことに注意を向けるのが有効といえます。
例えば、今まで見たかった映画やドラマを一気に鑑賞したり、好きな作家の本を読んだり、穏やかな音楽を聴きながら散歩したりするのもよいでしょう。
何かに集中している時間は、妊娠に関する心配事から心を解放してくれます。

特に、移植後の体はデリケートなため、激しい運動は避け、心身ともにリラックスできる活動を選ぶことが重要です。
自分の体調や症状を観察しつつ、心地よいと感じる時間を作り、判定日までの日々を乗り切りましょう。

いつも通りの生活リズムを崩さない

判定日を意識しすぎるあまり、過度に安静にしたり、生活を大きく変えたりする必要はありません。
むしろ、普段通りの生活リズムを維持することが、心の安定につながります。
決まった時間に起きて食事をとり、適度に体を動かし、夜は十分な睡眠をとるなど、規則正しい生活を心がけましょう。
特別なことをしようとすると、かえってそれがプレッシャーになることもあります。

いつも通りの日常を送ることで、余計なことを考えずに済み、自然体で過ごせるようになります。
体調に変化がないか気にしすぎるのではなく、日々のルーティンを大切にすることが、穏やかな気持ちを保つ秘訣です。

パートナーと不安な気持ちを共有する

不安や恐怖を一人で抱え込むのは非常につらいことです。
最も身近な存在であるパートナーと、現在の素直な気持ちを話し合ってみましょう。
「判定日が怖い」「もし駄目だったらどうしよう」といった気持ちを言葉にして伝えるだけでも、精神的な負担は軽くなります。

また、パートナーも同じように不安を感じているかもしれません。
お互いの気持ちを共有することで、一人で戦っているのではないと実感でき、精神的な支えになります。
この期間は、二人で治療に取り組んでいることを再確認する良い機会でもあります。
妊娠判定を待つ時間を、お互いの絆を深めるきっかけにしてください。

判定日前に避けたいNG行動と注意点

判定日までの不安な気持ちから、ついやってしまいがちな行動があります。
しかし、その行動がさらなるストレスや混乱を招くことも少なくありません。
ここでは、判定日を少しでも穏やかな気持ちで迎えるために、意識して避けたいNG行動と注意点を解説します。

特に、インターネットでの情報収集や、市販の検査薬を使ったフライング検査などは、精神的な安定を乱す可能性があるので注意が必要です。

フライング検査で一喜一憂しない

判定日を待てずに市販の妊娠検査薬でフライング検査をしたくなる気持ちはよく分かります。
しかし、この時期の自己判断は精神的な負担を増やすだけになる可能性が高いです。
体外受精の治療では、hCG注射を使用することがあり、その影響で実際には妊娠していなくても陽性反応が出ること(偽陽性)があります。

逆に、検査の時期が早すぎると、妊娠していても陰性になることもあり得ます。
不確かな結果に一喜一憂することは、大きなストレス源となります。
クリニックで行われる正確な判定を、心を落ち着けて待つことが賢明な選択です。

些細な体調変化を妊娠の兆候と結びつけない

胚移植後は、使用しているホルモン剤の影響で、妊娠初期症状とよく似た体調変化が現れることがあります。
例えば、下腹部痛や胸の張り、軽い吐き気といった症状は、薬による作用の可能性も十分に考えられます。
これらの症状があるからといって妊娠しているとは限らず、逆に無症状で妊娠しているケースも少なくありません。

生理前の症状と似ていることも多いため、些細な変化を過度に妊娠の兆候と結びつけるのは避けましょう。
体の変化に敏感になりすぎると、期待と失望を繰り返し、精神的に疲弊してしまいます。
冷静に受け止める姿勢が求められます。

インターネットで情報を検索しすぎない

不安な気持ちから、インターネットで「体外受精症状」「移植後気をつけること」などと検索してしまうことは多いでしょう。
しかし、ネット上には不確かな情報や個人の体験談が溢れており、それらが必ずしも自分に当てはまるわけではありません。
他人の成功体験を見て期待しすぎたり、ネガティブな情報に触れて落ち込んだりと、情報に振り回されることでかえって不安が増大します。

特に、自分と同じような症状を探して一喜一憂するのは、精神衛生上よくありません。
意識的にスマートフォンやパソコンから離れる時間を作り、情報過多の状態から自分を守る工夫が必要です。

どんな結果でも受け止めるための心の準備

判定日が近づくにつれ、緊張は高まります。
クリニックでの判定は、尿検査の場合もありますが、より正確なhCG値を測定するために採血による血液検査が一般的です。
結果がどちらであっても、冷静に受け止めるのは難しいかもしれません。

しかし、事前に少しでも心の準備をしておくことで、当日受ける衝撃を和らげることができます。
ここでは、判定結果と向き合うための心構えについて考えていきます。

もし陰性だった場合の気持ちの整理方法

もし結果が陰性だった場合、自分を責める必要は全くありません。
体外受精は、残念ながら一度で成功するとは限らない治療です。
悲しい、悔しい、辛いといった感情が湧き上がるのは当然のことなので、無理に気丈に振る舞う必要はありません。

思い切り泣いたり、パートナーや信頼できる友人に話を聞いてもらったりして、感情を外に出すことも一つの方法です。
そして、ここまで頑張ってきた自分自身を十分に労ってあげてください。
生理が来たら次の周期が始まるという体のサイクルを利用して、少しずつ気持ちを切り替えていく準備をすることも考えられます。

今後の治療について医師と話すことを考えておく

判定日にクリニックへ行く際は、結果を聞くだけでなく、今後の治療について医師と話す機会と捉えておくと、気持ちが少し楽になります。
もし今回が残念な結果だった場合に、次の胚移植はいつ頃から考えられるのか、治療方針に変更はあるのかなど、事前に質問したいことをメモしておくとよいでしょう。

次のステップが見えることで、たとえ陰性であっても前向きな気持ちを保ちやすくなります。
また、陽性だった場合でも、その後のスケジュールや注意点について確認することができ、先の見通しが立つことで安心につながります。

どうしても不安なときは専門家への相談も検討しよう

判定日までの不安は、多くの人が経験する自然な感情です。
しかし、自分たちだけで抱えきれないほどの強いストレスを感じたり、日常生活に支障が出たりするような場合は、専門家の力を借りることも有効な選択肢となります。

不妊治療においては、身体的なケアだけでなく、精神的なサポートも非常に重要です。
一人で、あるいはパートナーと二人で悩まず、第三者の視点を取り入れることで、妊娠判定までの期間を乗り越える助けが得られます。

クリニックで受けられるカウンセリングを活用する

多くの不妊治療専門クリニックでは、不妊カウンセラーや臨床心理士といった専門家によるカウンセリングが用意されています。
専門家は、治療中の特有の悩みやストレスについて深い知識を持っており、中立的な立場で話を聞いてくれます。
パートナーや家族には話しにくい本音や、漠然とした不安を打ち明けることで、気持ちが整理され、心が軽くなることがあります。

妊娠判定日を待つ間の心の揺れ動きを専門家に相談することで、客観的なアドバイスをもらえたり、自分なりの対処法を見つける手助けになったりします。
まずは通院中のクリニックに相談窓口があるか確認してみてください。

まとめ

体外受精の妊娠判定日を前にして、怖いと感じたり不安になったりするのは、治療に真剣に向き合っているからこその自然な感情です。
胚移植から妊娠判定までの期間は、結果が分からないため精神的に不安定になりやすい時期といえます。

この期間を少しでも穏やかに過ごすためには、好きなことに没頭して気を紛らわせたり、いつも通りの生活を心がけたりすることが助けになります。
フライング検査やインターネットでの情報検索は避け、どんな結果であっても次のステップを考えておくことで、心の準備ができます。

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この記事の監修者

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藤鬼 千子

住吉鍼灸院総院長

東洋鍼灸専門学校卒業後、2011年4月に住吉鍼灸院に入社し、9年間住吉鍼灸院院長として従事。
現在は総院長として妊娠を望むすべてのご夫婦に貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、不妊カウンセラー

《経歴》

東洋鍼灸専門学校 卒業
住吉鍼灸院 院長就任
住吉鍼灸院 総院長就任

《所属》

日本不妊カウンセリング学会会員

《SNS》

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