不妊治療中のひどいニキビの原因とは?ホルモン剤?肌荒れの改善策

公開日:2026/02/02 

更新日:2026/02/02

不妊治療中のひどいニキビの原因とは?ホルモン剤?肌荒れの改善策

不妊治療中に、これまで経験したことのないようなひどい肌荒れに悩む方は少なくありません。
特に30代以降では、ホルモン剤の使用やストレスが原因でニキビが悪化することがあります。
この肌荒れとは、治療薬とどのような関係があるのでしょうか。

本記事では、不妊治療中にニキビができる原因を解説し、治療中でも取り組めるスキンケアや生活習慣の改善策、そして注意点について詳しく紹介します。
ホルモンバランスの変化に上手に対応し、肌の悩みを軽減するためのヒントを探ります。

不妊治療中にひどいニキビができる3つの主な原因

不妊治療を始めると、急に吹き出物ができたり、ニキビが悪化したりすることがあります。
その主な原因は、ホルモン剤の投与によるホルモンバランスの急激な変化です。
また、治療に伴う精神的なストレスも、皮脂の分泌を促し肌状態を悪化させる一因となります。

さらに、ニキビが「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」といった、不妊の原因にもなりうる婦人科系の疾患のサインである可能性も考えられます。
これらの原因を理解することが、適切な対策への第一歩となります。

原因①:ホルモン剤投与による急激なホルモンバランスの変化

不妊治療で用いられる排卵誘発剤や黄体ホルモン補充などの薬は、女性ホルモンの分泌に直接作用します。
特に黄体ホルモン(プロゲステロン)は、男性ホルモンと似た働きを持ち、皮脂の分泌を活発にする性質があります。

このため、ホルモン剤の投与によって黄体ホルモンの血中濃度が急激に上昇すると、皮脂腺が刺激されて皮脂が過剰に分泌され、毛穴が詰まりやすくなります。
結果としてアクネ菌が繁殖し、炎症を伴うニキビができやすくなるのです。
これは、生理前にニキビが悪化するメカニズムとも共通しています。

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原因②:治療の精神的ストレスが引き起こす皮脂の過剰分泌

不妊治療は、通院の負担や将来への不安などから、心身に大きなストレスがかかります。
ストレスを感じると、体は対抗するためにコルチゾールというホルモンを分泌します。
このコルチゾールは、男性ホルモンの分泌を促す作用があり、皮脂の過剰な分泌につながります。

また、ストレスは自律神経のバランスを乱し、交感神経を優位にさせます。
交感神経が活発になると、血管が収縮して血行が悪化し、肌のターンオーバーが乱れる原因にもなります。
その結果、古い角質が剥がれ落ちにくくなり、毛穴詰まりやニキビの悪化を招いてしまうのです。

原因③:「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」が隠れている可能性

なかなか治らないひどいニキビは、不妊原因の一つでもある「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」の症状かもしれません。
PCOSは、卵巣内で男性ホルモンが過剰に作られることで、排卵が起こりにくくなる疾患です。
この過剰な男性ホルモンが皮脂腺を刺激し、ニキビや多毛といった男性的な特徴を引き起こします。

もし、不妊治療を始める前からニキビに悩んでいたり、月経不順や肥満などの傾向があったりする場合は、PCOSの可能性も考えられます。
気になる症状があれば、単なる肌トラブルと自己判断せず、不妊治療を担当している医師に相談することが重要です。

不妊治療中でも実践できるニキビ・肌荒れの改善策

不妊治療中のデリケートな時期は、使用できる薬が限られるため、セルフケアによる肌質の改善が重要になります。
ニキビや肌荒れを悪化させないためには、まず日々のスキンケアを見直し、肌への刺激を最小限に抑えながら保湿を徹底することが基本です。

また、皮脂のバランスを整える栄養素を意識した食事や、肌の再生を促す質の良い睡眠、ストレスを溜め込まない生活習慣など、体の内側からのアプローチも効果的です。
自分に合った方法で心身を整え、健やかな肌を目指しましょう。

【スキンケア】刺激を避けて保湿を徹底する基本のお手入れ

不妊治療中の肌はホルモンバランスの乱れから非常に敏感になっています。
そのため、スキンケアは「優しく洗う」「しっかり保湿する」という基本に立ち返ることが大切です。
洗顔料は洗浄力が強すぎない、低刺激性のものを選び、たっぷりの泡で肌をこすらないように優しく洗いましょう。

熱いお湯は肌の乾燥を招くため、ぬるま湯ですすぐのがポイントです。
洗顔後は、肌が乾燥する前にすぐに化粧水で水分を補給し、乳液やクリームで潤いが逃げないように蓋をします。
特にセラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が含まれた製品を選ぶと、肌のバリア機能の維持に役立ちます。

【食事】皮脂バランスを整える栄養素と食生活の工夫

肌の状態は日々の食事と密接に関係しています。
皮脂の分泌をコントロールし、健やかな肌を保つためには、栄養バランスの取れた食生活が不可欠です。

特に、皮脂の代謝を助けるビタミンB2やB6、抗酸化作用があり肌の炎症を抑えるビタミンC、血行を促進して肌のターンオーバーを整えるビタミンEなどを積極的に摂取しましょう。
これらの栄養素は、緑黄色野菜、果物、ナッツ類、豚肉などに豊富に含まれています。
一方で、皮脂分泌を過剰にする可能性のある脂っこい食事や、糖分の多いお菓子、刺激の強い香辛料などは控えめにすることを心がけましょう。

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【生活習慣】質の良い睡眠で肌のターンオーバーを正常化する

健やかな肌を育むためには、質の良い睡眠が欠かせません。
睡眠中には成長ホルモンが分泌され、日中に受けた肌ダメージの修復や細胞の再生、いわゆるターンオーバーが活発に行われます。
特に、入眠後最初の3時間は成長ホルモンの分泌が最も盛んになるため、この時間帯に深く眠ることが重要です。

睡眠不足はホルモンバランスの乱れや自律神経の不調を招き、ニキビの悪化に直結します。
就寝前にスマートフォンやパソコンの画面を見るのは避け、リラックスできる音楽を聴いたり、温かい飲み物を飲んだりして、心身を落ち着かせてから布団に入る習慣をつけましょう。

【ストレス対策】鍼灸やリラックスできる時間で心身を整える

不妊治療に伴うストレスは、自律神経やホルモンバランスを乱し、ニキビを悪化させる大きな要因です。
東洋医学に基づく鍼灸治療は、乱れた自律神経のバランスを整え、全身の血行を促進する効果が期待できます。
血流が改善されることで、肌の新陳代謝が活発になり、ニキビや肌荒れの改善につながることがあります。

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また、日常生活の中に、意識的にリラックスできる時間を取り入れることも大切です。
好きな香りのアロマを焚いたり、ゆっくりと湯船に浸かったり、趣味に没頭したりと、自分が心から安らげる方法を見つけて、ストレスを上手に解消していきましょう。

妊活中のニキビケアで注意したいポイント

不妊治療中にニキビが悪化すると、市販薬などに頼りたくなるかもしれませんが、自己判断での使用は慎重になる必要があります。
妊娠の可能性がある時期には、薬の成分が胎児に影響を与えるリスクも考慮しなければなりません。

また、ニキビを気にするあまり、つい触ったり潰したりしてしまうと、かえって症状を悪化させ、色素沈着やクレーター状の跡を残す原因になりかねません。
正しい知識を持ち、適切なケアを心がけることが、肌トラブルを乗り越える鍵となります。

自己判断での市販薬やサプリメントの使用は控える

ニキビを早く治したい一心で、市販の塗り薬や飲み薬、サプリメントに頼りたくなるかもしれません。
しかし、不妊治療中や妊娠の可能性がある時期には、自己判断での使用は避けるべきです。
市販のニキビ治療薬の中には、ビタミンA誘導体(レチノイド)のように、胎児への影響が懸念される成分が含まれている場合があります。

また、海外製のサプリメントには、日本では認可されていない成分が含まれていたり、ホルモンバランスに影響を与えたりする可能性も否定できません。
薬やサプリメントを使用したい場合は、必ず不妊治療を担当している医師や薬剤師に相談し、安全性を確認してからにしましょう。

ニキビ跡を防ぐために潰したり触ったりしない

炎症を起こして赤く腫れたり、膿が溜まったりしているニキビは、気になってつい触りたくなります。しかし、自分で無理に潰そうとすると、雑菌が入り込んで炎症がさらに悪化したり、毛穴の周りの皮膚組織を傷つけたりする原因になります。その結果、クレーターのようなくぼみや、茶色い色素沈着といった、治りにくいニキビ跡を残してしまうリスクが高まります。

ニキビを悪化させず、きれいな肌を保つためには、意識的に触らないことが重要です。スキンケアの際も、肌をこすらず優しく触れるように心がけ、刺激を与えないように注意しましょう。

不妊治療中のニキビに関するよくある質問

不妊治療とニキビの関係については、多くの人が疑問や不安を抱えています。
例えば、治療のどの段階で肌荒れしやすいのか、治療が終わればニキビは自然に治るのか、といった質問がよく聞かれます。

また、肌の悩みを誰に相談すればよいのか、不妊治療クリニックなのか皮膚科なのか迷う人も少なくありません。
ここでは、そうした不妊治療中のニキビに関する代表的な質問とその回答を紹介します。
悩みを解消し、安心して治療とスキンケアに取り組むための参考にしてください。

Q1. 不妊治療のどのタイミングでニキビができやすいですか?

排卵誘発剤で卵胞を育てる時期や、黄体ホルモンを補充する時期にニキビができやすくなります。
これらの時期は、ホルモン剤の投与によって皮脂分泌を促進する作用のあるホルモンが優位になるためです。

特に、黄体ホルモン補充周期では、肌状態の変化を感じる方が多い傾向にあります。

Q2. 治療が終われば、ひどいニキビは自然に治りますか?

ホルモン剤の投与が原因で起きていたニキビは、治療が終了しホルモンバランスが元に戻ることで改善する可能性が高いです。
しかし、ストレスや生活習慣の乱れもニキビの要因であるため、一概には言えません。

治療後も肌荒れが続く場合は、スキンケアや生活習慣を見直すことが必要です。

Q3. 肌荒れの相談は不妊治療クリニックと皮膚科のどちらにすべきですか?

まずは不妊治療の担当医に相談することをおすすめします。
治療内容を把握しているため、ホルモン剤との関連性を踏まえたアドバイスが可能です。

そのうえで、専門的な皮膚科治療が必要と判断された場合は、治療に影響のない薬を処方してもらえるよう、紹介状を書いてもらい皮膚科と連携して治療を進めるのが最も安全です。

まとめ:一人で悩まず専門家と相談しながら肌荒れを乗り越えよう

不妊治療中のニキビや肌荒れは、ホルモンバランスの急激な変化や精神的なストレスが主な原因であり、多くの女性が経験する悩みです。
治療薬の影響も考えられるため、自己判断で市販薬を使用するのは避け、まずは不妊治療を担当している医師に相談することが重要です。

医師に相談することで、肌荒れの原因が治療によるものなのか、あるいはPCOSのような他の要因が隠れていないかを確認できます。また、スキンケアや生活習慣の見直しといったセルフケアも大切ですが、一人で抱え込まず、必要であれば皮膚科医などの専門家とも連携しながら、心と体の両面からケアを進めていくことが、つらい時期を乗り越えるための鍵となります。

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この記事の監修者

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藤鬼 千子

住吉鍼灸院総院長

東洋鍼灸専門学校卒業後、2011年4月に住吉鍼灸院に入社し、9年間住吉鍼灸院院長として従事。
現在は総院長として妊娠を望むすべてのご夫婦に貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、不妊カウンセラー

《経歴》

東洋鍼灸専門学校 卒業
住吉鍼灸院 院長就任
住吉鍼灸院 総院長就任

《所属》

日本不妊カウンセリング学会会員

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