生理が定期的に来ていても、実は排卵が起こっていない「無排卵月経」かもしれません。
無排卵月経は、ストレスや過度なダイエットなどによるホルモンバランスの乱れが原因で起こることがあり、放置すると将来の不妊につながる可能性もあります。
この記事では、自分でできる無排卵月経のセルフチェック方法や原因、放置するリスクについて解説します。
気になる症状があれば、早めに状態を把握し、必要に応じて病院を受診しましょう。
もしかして無排卵月経?今すぐできるセルフチェックリスト
生理があっても、その裏で排卵が正常に行われていない可能性があります。
無排卵月経かどうかを判断する目安として、自分でも確認できるチェックリストを紹介します。
基礎体温の記録をはじめ、生理周期の日数、経血の量や期間、おりものの状態などを観察してみましょう。
これらの項目に複数当てはまる場合は、無排卵月経の可能性が考えられるため、注意深く体調の変化を見守る必要があります。
基礎体温がガタガタで、高温期と低温期に分かれない
正常な月経周期では、排卵を境にして体温が低い「低温期」と体温が高い「高温期」の二相に分かれます。
しかし、排卵が起こらない無排卵月経の場合、体温を上昇させる黄体ホルモンが分泌されないため、高温期がなく、低温期のまま体温が推移します。
基礎体温をグラフにしても、明確な二相に分かれず、全体的に体温が低いままだったり、ガタガタで不規則なグラフになったりするのが特徴です。
基礎体温の記録は、排卵の有無を推測するための重要な手がかりとなります。
基礎体温ガタガタの原因とは?無排卵の見分け方と自然妊娠の可能性
生理周期が24日以下または39日以上と不安定
正常な生理周期は一般的に25日から38日とされており、この範囲内で毎月安定しているのが理想的です。
しかし、生理周期が24日以下と短い「頻発月経」や、39日以上と長い「稀発月経」が続く場合は注意が必要です。
特に、周期が長くなる稀発月経は、卵胞が育つのに時間がかかっているか、排卵がスムーズに行われていないサインであることが多いです。
毎月の周期が定まらず、極端に短くなったり長くなったりと不安定な状態も、ホルモンバランスが乱れている可能性を示唆します。
経血量が極端に少ない、または多すぎる
経血量は、子宮内膜の厚さと関連しています。
無排卵月経では、排卵がないために子宮内膜が十分に厚くならず、その結果として経血量が極端に少なくなることがあります。
ナプキンをほとんど替えなくても済む程度の出血が少量続くようなケースがこれにあたります。
一方で、長期間排卵が起こらないことでホルモンバランスが崩れ、子宮内膜が不安定な状態で厚くなりすぎ、ある時一気にはがれ落ちて大量の出血を引き起こすこともあります。
経血量の変化は、体の状態を知るための重要なサインです。
生理が2日以内で終わる、または8日以上続く
生理の期間も排卵の有無を知るための判断材料になります。
正常な生理の期間は3日から7日程度です。
しかし出血が2日以内で終わってしまう「過短月経」や少量の出血がだらだらと8日以上続く「過長月経」はホルモンバランスの乱れが原因である可能性があります。
特に無排卵月経では子宮内膜が薄いために短期間で出血が終わってしまったり逆に内膜が不安定な状態ではがれ落ちることで出血が長引いたりすることがあります。
生理の日数に異常が見られる場合は注意しましょう。
排卵期特有の「伸びるおりもの」が見られない
おりものの状態は、女性ホルモンの分泌周期に合わせて変化します。
排卵が近づくと、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌がピークに達し、精子が子宮内へ入りやすくするために、透明で粘り気があり、指で伸ばすとよく伸びるおりもの(頸管粘液)が増加します。これは排卵が近いサインです。
しかし、無排卵月経の場合は排卵が起こらないため、こうした排卵期特有のおりものの変化が見られないことが多くなります。
1ヶ月を通しておりものの量や状態にほとんど変化がない場合、排卵が起きていない可能性が考えられます。
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無排卵月経とは、月経のような出血(消退出血)は見られるものの、卵巣からの排卵が伴っていない状態を指します。
通常、月経は排卵後に妊娠しなかった場合に、不要になった子宮内膜が剥がれ落ちて起こります。
しかし無排卵月経では、卵胞は育っても排卵には至らず、その後ホルモンバランスが乱れることで子宮内膜が維持できなくなり、出血が起こります。
そのため、定期的に出血があっても、実際には排卵していないという状態が生じるのです。
この場合、妊娠する可能性はありません。
無排卵月経が起こる主な原因
無排卵月経は、ホルモン分泌をコントロールする脳の視床下部や脳下垂体、そして卵巣のいずれかの機能に問題が生じることで発生します。
その背景には、精神的なストレスや身体的な疲労、生活習慣の乱れといった日常的な要因から、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)のような婦人科系の疾患まで、さまざまな原因が考えられます。
また、思春期や更年期など、ホルモンバランスが不安定になりやすい年代でも起こりやすいとされています。
過度なストレスや疲労の蓄積
女性のホルモンバランスは非常にデリケートであり、心身の状態に大きく影響されます。
特に、排卵をコントロールしている脳の視床下部は、ストレスの影響を直接受けやすい部位です。
仕事や人間関係などによる精神的なストレスや、過労、睡眠不足といった身体的な疲労が蓄積されると、視床下部の働きが乱れ、排卵を促すホルモンの分泌が抑制されてしまいます。
その結果、卵胞が十分に成熟せず、排卵が起こらない無排卵月経につながることがあります。
急激な体重の増減や無理なダイエット
体重の急激な変化、特に過度なダイエットによる体重減少は、無排卵月経の大きな原因の一つです。
体脂肪は女性ホルモンの生成に不可欠な要素であり、体脂肪率が極端に低下すると、脳が生命の危機と判断して生殖機能を停止させようとします。
その結果、排卵を促すホルモンの分泌が止まり、無排卵や無月経を引き起こします。
逆に、急激な体重増加によって体脂肪が増えすぎても、ホルモンバランスが乱れて排卵障害が起こることがあります。
適正な体重を維持することが重要です。
乱れた食生活や睡眠不足などの生活習慣
日々の生活習慣も、ホルモンバランスと密接に関わっています。
栄養バランスの偏った食事や欠食、不規則な食事時間は、ホルモン生成に必要な栄養素の不足を招き、排卵に影響を及ぼすことがあります。
また、睡眠不足や昼夜逆転の生活は、自律神経の乱れを引き起こし、ホルモン分泌の司令塔である脳の機能を低下させる原因となります。
健やかな排卵周期を維持するためには、バランスの取れた食事、十分な睡眠、規則正しい生活リズムを心がけることが基本となります。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの婦人科系疾患
無排卵月経の原因として、婦人科系の疾患が隠れている場合があります。
その代表的なものが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)です。
多嚢胞性卵巣症候群は、卵巣の中に多数の小さな卵胞ができるものの、うまく成熟せずに排卵障害を引き起こす疾患で、月経不順や無月経の主な原因となります。
その他にも、母乳の分泌を促すプロラクチンというホルモンが過剰になる高プロラクチン血症や、甲状腺機能の異常なども、排卵を抑制し、無排卵の原因となることがあります。
思春期や更年期によるホルモンバランスの乱れ
生理が始まって間もない思春期や、閉経が近づく更年期は、女性のライフステージの中でも特にホルモンバランスが不安定になりやすい時期です。
思春期は、排卵をコントロールする脳と卵巣の連携がまだ未熟なため、排卵が不規則になりがちで、無排卵月経が起こりやすくなります。
同様に、更年期も卵巣機能が低下していく過程でホルモンの分泌が揺らぎ、排卵が起きない周期が増えていきます。
これらの時期の無排卵は生理的な変化の一環ともいえますが、他の原因と見分けるためにも注意が必要です。
無排卵月経を放置するとどうなる?考えられる3つのリスク
無排卵月経は単に「生理が不順なだけ」と軽視されがちですが、長期間放置するとさまざまな健康上のリスクを高める可能性があります。
排卵がないため、直接的に不妊の原因となるほか、ホルモンバランスの乱れが続くことで、貧血や不正出血、さらには子宮体がんといった深刻な病気につながることもあります。
自分の体を守るためにも、無排卵月経を放置することのリスクを正しく理解しておくことが重要です。
将来の不妊につながる可能性がある
妊娠が成立するためには、排卵された卵子と精子が受精することが絶対条件です。
無排卵月経の状態では、そもそも妊娠のスタートラインである排卵が起きていません。
そのため、無排卵の状態が続けば、性交渉があっても妊娠することはできません。
すぐに妊娠を希望していなくても、将来的に子どもを持ちたいと考えている場合、無排卵月経は不妊の直接的な原因となります。
排卵周期を正常な状態に戻すための治療が必要になるため、早期の対応が求められます。
貧血や不正出血を引き起こしやすくなる
無排卵月経では、ホルモンバランスが不安定なため、子宮内膜が正常にはがれ落ちず、だらだらと少量の出血が長く続いたり、生理以外のタイミングで突然出血(不正出血)したりすることがあります。
出血が長期間にわたると、体内の鉄分が徐々に失われていき、鉄欠乏性貧血を引き起こす原因となります。
貧血になると、めまいや立ちくらみ、動悸、息切れ、倦怠感といった症状が現れ、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。
子宮体がんの発症リスクが高まることも
長期間にわたって排卵がない状態が続くと、女性ホルモンのバランスが大きく崩れます。
具体的には、卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌され続ける一方で、排卵後に分泌されるはずの黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されない状態になります。
エストロゲンには子宮内膜を厚くする働きがあり、プロゲステロンにはその増殖を抑える働きがあります。
プロゲステロンの作用がないままエストロゲンの刺激だけが続くと、子宮内膜が異常に増殖し、子宮体がんの発症リスクを高めることが知られています。
無排卵月経が疑われる場合の対処法と病院での治療
セルフチェックで無排卵月経の可能性が考えられる場合、まずは自身の生活習慣を見直すことから始めましょう。
ストレスや生活リズムの乱れが原因であれば、セルフケアで改善することもあります。
しかし、症状が長引く場合や、背景に病気が隠れている可能性もあるため、自己判断で放置せず、産婦人科などの病院を受診することが大切です。
病院では原因に応じた適切な検査や治療を受けることができます。
まずは生活習慣を見直すことから始めよう
無排卵月経の原因がストレスや疲労、過度なダイエットなどにある場合、まずは生活習慣を整えることが改善への第一歩です。
具体的には、1日3食バランスの取れた食事を心がけ、特に極端な食事制限は避けるようにしましょう。
また、睡眠時間を十分に確保し、質の良い睡眠をとることも重要です。
ウォーキングなどの適度な運動は血行を促進し、ストレス解消にも効果的です。
趣味の時間を作るなど、心身をリラックスさせる工夫を取り入れ、ホルモンバランスを整えていくことが求められます。
3ヶ月以上生理不順が続く場合は婦人科を受診
生活習慣の改善を試みても、3ヶ月以上にわたって生理不順(周期が極端に短い・長い、出血が不規則など)が続く場合は、婦人科や産婦人科を受診することを強く推奨します。
一時的なホルモンバランスの乱れであれば自然に回復することもありますが、症状が長引く場合は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの疾患が隠れている可能性も考えられます。
専門医による正確な診断を受け、原因を特定することが、適切な対処への近道となります。
不安な点があれば、期間にかかわらず早めに相談しましょう。
婦人科で行われる主な治療法(ホルモン療法・排卵誘発法など)
婦人科では、まず問診や内診、超音波検査、血液検査によるホルモン値の測定などを行い、無排卵の原因を診断します。
治療法は、その原因や本人の妊娠希望の有無によって異なります。
すぐに妊娠を希望しない場合は、ホルモン剤を用いて不足しているホルモンを補い、規則的な月経周期を回復させるホルモン療法(カウフマン療法など)が一般的です。
妊娠を希望する場合には、排卵誘発剤(内服薬や注射)を用いて、卵巣を刺激し、排卵を促す治療が行われます。
無排卵月経のセルフチェックに関するよくある質問
無排卵月経について、多くの方が疑問に思う点や不安に感じる点があります。
ここでは、妊娠の可能性や病院を受診するタイミング、セルフチェックに欠かせない基礎体温の正しい測り方など、よくある質問とその回答をまとめました。
正しい知識を持つことで、自身の体と向き合う手助けとなるでしょう。
Q1.無排卵でも妊娠する可能性はありますか?
無排卵の状態では排卵が起こらないため、基本的に妊娠する可能性はありません。
ただし、常に無排卵というわけではなく、不規則ながらも、まれに排卵が起こる月があるかもしれません。
そのタイミングで性交渉があれば妊娠の可能性はゼロではないため、妊娠を望まない場合は避妊が必要です。
Q2.セルフチェックで当てはまったら、すぐに病院に行くべきですか?
1〜2ヶ月程度の生理不順は、ストレスなどでも起こり得ます。
しかし、セルフチェック項目に複数当てはまる状態が3ヶ月以上続く場合は、一度病院で相談することをおすすめします。
特に、将来的に妊娠を希望している場合や、不正出血など他の症状がある場合は、受診のタイミングを早めた方がよいでしょう。
Q3.基礎体温はいつ測るのが正しいですか?
基礎体温は、朝、目が覚めたら体を動かす前に、寝たままの状態で測るのが最も正確です。
専用の婦人体温計を舌の下に挟んで測定します。
毎日できるだけ同じ時間に測ることで、低温期と高温期の変化がわかりやすくなり、排卵の有無をより正確に把握することにつながります。
まとめ
無排卵月経は、生理のような出血があっても排卵が起きていない状態であり、基礎体温や生理周期、経血の状態などからセルフチェックが可能です。
原因はストレスや生活習慣の乱れから婦人科系の疾患まで多岐にわたります。
放置すると不妊や貧血、子宮体がんのリスクを高める可能性があるため、軽視はできません。
セルフチェックで気になる点があり、3ヶ月以上続くようであれば、生活習慣の見直しと並行して、ためらわずに婦人科を受診し、専門医の診断を受けることが大切です。
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