チョコレート嚢胞の治療法とは?気になる女性疾患を徹底解説! 

公開日:2020/07/01 

更新日:2023/12/18

こんにちは、

江東区住吉にある不妊専門鍼灸院、住吉鍼灸院です。

本日はチョコレート嚢胞の原因と治療法を詳しくお伝えいたします!

 

チョコレート嚢胞とは? 

チョコレート嚢胞(卵巣子宮内膜症性嚢胞)は、本来、子宮の内側にあるはずの子宮内膜が、卵巣に発生することで起きる子宮内膜症の一つです。嚢胞とは液体などの内容物を含んだ袋状の病巣のことを言いますが、卵巣では古い血液がチョコレートのようになって、中にたまった嚢胞ができることから、「チョコレート嚢胞」と呼ばれています。

 

チョコレート嚢胞は子宮内膜症の一種

子宮内膜症は20~30歳代の女性に多い病気で、生殖可能年齢の約10%の方にあるとされています。子宮内膜症はほとんどの場合は良性ですが、チョコレート嚢胞はだんだん大きくなり、骨盤内の他の臓器と癒着し、痛みなどの症状が重症化していきます。まれに卵巣がんになる場合もあります。不妊症を引き起こすことも多い病気です。

 

 「子宮内膜症」に関して詳しく知りたい方はコチラ

https://sumiyoshi-shinkyu.com/222987

 

チョコレート嚢胞の症状 

子宮内膜症の主な症状は痛みです。月経痛がひどく、月経のたびにだんだん悪化していくことが特徴です。進展すると月経時以外にも下腹部痛、腰痛、排便痛、性交痛などが出ることもあります。特にチョコレート嚢胞が破裂してしまうと、急激に非常に強い痛みが発生します。破裂後も再びチョコレート嚢胞を形成することが多く、感染症を合併するリスクも高まり、さらに悪化すると、まれに悪性腫瘍となることもあります。また、子宮内膜症患者の30~50%が不妊症になるとされ、妊娠を望む場合は大きな問題となります。月経痛がひどくなってきた、月経時に便通異常や下血があるなどの症状に気づいたら、早めに産婦人科を受診してください。 

 

チョコレート嚢胞の原因 

 

子宮内膜は受精卵、胎児を包み込んで育てる膜のような組織で、通常は子宮の内腔にしかないものですが、これが卵巣をはじめとして、腹膜、子宮と直腸間のくぼみ、腸など骨盤内のさまざまな臓器、時には骨盤外の肺などにも発生して障害を起こします。卵巣にできた子宮内膜も月経時には出血しますが、月経血として排出されないため、古い血液が卵巣内にたまり、チョコレート状の液体を含んだ嚢胞ができます。子宮内膜症自体を引き起こす原因はよくわかっていませんが、月経時に剥がれ落ちた子宮内膜組織の一部が卵管から逆流して卵巣に達し、そこで生着・増殖するという説が有力です。他にも、卵巣や腹膜の上皮が変化して内膜になるという説、子宮内膜組織がリンパ管や血管から卵巣などに転移するという説、子宮内膜の幹細胞が卵巣などに移動して生着・増殖するという説など、さまざまな説が唱えられています。

 

血行不良(瘀血)

東洋医学的にチョコレート嚢胞を診たときに、3つの原因が考えられます。1つ目の原因が血行不良(瘀血)です。では瘀血とはどのような状態なのかというと、血液として酸素や栄養を運んだり、老廃物を回収したりなどの、生理的な働きをしていない血液が身体の様々な部分に溜まってしまう状態のことを言います。チョコレート嚢胞も、生理で排出されるはずの血液が身体に止まってしまうことで起こると考えられるため、身体の血行を促進し、瘀血がたまらないように、体質改善をしていく事が大切です。

 

水分代謝異常

2つ目の原因が、体内に過剰な水分が溜まってしまい、水分代謝が低下している状態(痰湿)です。腫れ、できもの、しこりなど、腫瘤ができやすい体質の方が多く、身体の水分の代謝が落ちることで血液の循環も滞り、チョコレート嚢胞の原因となります。子宮筋腫、ポリープ、いぼ、乳腺腫、甲状腺腫、腫瘍などもできやすいタイプです。体液代謝の失調や低下や、炎症、循環障害、ホルモン異常、代謝産物の体内蓄積、食べ過ぎ、食事の不摂生などによって痰湿は起こりやすいです。

 

自律神経の乱れ

3つ目の原因は自律神経の乱れ(気滞)です。気滞とは気がスムーズに流れない状態を表す東洋医学の考え方です。「気」は「元気」「気が晴れる」などの言葉に通じるように、体や精神を健康に保つのに必要なエネルギーを指します。気滞は血・水の流れを妨げたり、他の臓器・組織の機能の低下を起こすので、卵巣の機能低下や血行不良を引き起こしチョコレート嚢胞の原因となり得るのです。

 

 こちらの記事では自律神経が乱れる原因や自分でもできる対処法について解説しています。

https://sumiyoshi-shinkyu.com/223440

 

まずは婦人科を受診しよう。チョコレート嚢胞の検査と診断

チョコレート嚢胞の診断は、問診によって痛み、不正出血、嘔吐、便秘、不妊などの状態を詳しく聞き取り、子宮内膜症が疑われる場合は、内診による子宮、卵巣の触診や経腟超音波検査で病変の有無、大きさなどを確認します。チョコレート嚢胞は超音波検査で比較的容易に検出できますが、嚢胞内にかたまりのようなものがあるなど、悪性腫瘍の可能性がある場合は、MRIやCT、腫瘍マーカーなどの検査を行います。また、確定診断のために、おなかに小さな穴を開けて内視鏡を挿入し、病変を直接、視認する腹腔鏡検査を行う場合もあります。この場合、同時に手術を行うことが多くなっています。

 

膣内超音波検査

膣内超音波検査とは、超音波を発する棒状の器具を膣内に挿入し、体内から超音波検査を行う方法です。お腹などから超音波を当てる通常の経腹超音波検査と比べ、より子宮に近い位置から超音波を当てることができるため、鮮明な画像を得ることができます。子宮や卵巣の形や大きさを把握でき、チョコレート嚢胞だけでなく、子宮筋腫や子宮がん、子宮内膜ポリープの有無や、卵巣がんや卵巣嚢胞などを発見することができます。ただし、この検査だけでは、子宮頸がんや卵巣がんとの鑑別は困難であるため、併せて子宮頸がん検査も受けることが望ましいです。

 

MRI検査

MRI は血液およびその二次成分を特徴的な信号として描出するため,超音波検査やCT と比べ,血液成分を特異的に診断することができます。したがって,卵巣チョコレート囊胞と他の付属器腫瘍との鑑別において,MRI は非常に有用になります。

 

チョコレート嚢胞の詳しい治療法とは?

子宮内膜症の治療では、おもに薬物療法と手術療法が行われます。軽症の場合は薬物療法で低用量ピルなどが用いられ、癒着やチョコレート嚢胞などある場合は手術療法が行われます。年齢や症状の度合い、病変部位などに応じて、保存手術か根治手術のどちらかが選択されます。ちなみに根治手術では、子宮全摘出や付属臓器の切除が行われるため、出産の希望がない患者に対してのみ行われます。

 

薬物療法

薬物療法には、「低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(治療用の低用量ピル)」、「黄体ホルモン経口剤」、「GnRHアゴニスト療法」などがあります。10代後半から30代まではおもに「低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬」を使用します。価格と副作用の観点から使用しやすく、高い疼痛改善効果および「卵巣チョコレート囊胞」の縮小効果を認め、長期間使用できるのが特徴です。40代以降は血栓症のリスクを考慮して「黄体ホルモン経口剤」を選択します。高い治療効果があり閉経までの使用が可能ですが、多少の不正子宮出血を伴います。また、「GnRHアゴニスト療法」は卵胞ホルモン低下による骨量減少などの副作用があるため、長期的な管理には向いていません。

 

手術療法

手術療法には、腹腔鏡下手術による「卵巣摘出」、「囊胞摘出」、「囊胞壁焼灼」、「エタノール固定」及び「吸引洗浄」があり、この順に根治性が高く再発率は低くなりますが、卵巣機能及び妊娠率が喪失・低下する危険性は高まります。よって、治療目的(疼痛の緩和、妊娠率改善、悪性化の予防)を明確にして術式を選択することが大切です。術後2年以内に約30%に再発を認めますが、術後すぐに「低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬」使用した場合の再発率は8%にとどまるため、妊娠を希望しない場合は術後の薬物療法は必須と言えます。また、乳がん及び卵巣がんの血縁者のいる方には、「両側卵管卵巣摘出術」が推奨されています。術後は卵巣機能喪失によるホットフラッシュ、骨粗鬆症などの予防を目的に「ホルモン補充療法」を行います。

 

鍼灸治療で出来ること

先ほど、チョコレート嚢胞の原因として血行不良(瘀血)、水分代謝異常(痰湿)、自律神経の乱れ(気滞)が考えられるとお伝えしました。鍼灸治療ではこの3つの原因に対して、鍼やお灸でアプローチしていきます。例えば東洋医学的に瘀血・痰湿・気滞それぞれを取り除くのに有効な経穴を使って体質改善を行ったり、解剖学的には全身の血液や水分の流れ、自律神経を整えるために骨格の調整として筋肉に鍼を打つこともできます。西洋医学で行う対症療法だけでなく、鍼灸治療では体質の改善から対策を取っていく事ができます。

 

まとめ

ここまで、チョコレート嚢胞についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?チョコレート嚢胞は不妊になりやすい疾患の1つでもあります。もし気になる事がありましたらお近くの婦人科で診察を受けることをお勧めいたします。

 

住吉鍼灸院では、女性のお悩みに寄り添った治療を行なっております。お気軽にご相談下さい。

 

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【監修】

住吉鍼灸院 院長 藤鬼 千子

鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師

2011年国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得。
2011年住吉鍼灸院入社。

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この記事の監修者

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藤鬼 千子

住吉鍼灸院総院長

東洋鍼灸専門学校卒業後、2011年4月に住吉鍼灸院に入社し、9年間住吉鍼灸院院長として従事。
現在は総院長として妊娠を望むすべてのご夫婦に貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、不妊カウンセラー

《経歴》

東洋鍼灸専門学校 卒業
住吉鍼灸院 院長就任
住吉鍼灸院 総院長就任

《所属》

日本不妊カウンセリング学会会員

《SNS》

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