アフターピルの飲み過ぎで不妊になるはウソ?専門家がリスクを解説

公開日:2026/02/03 

更新日:2026/02/03

アフターピルの飲み過ぎで不妊になるはウソ?専門家がリスクを解説します。

アフターピルを短期間に複数回使用したことで、将来の妊娠に影響があるのではないかと不安に感じていませんか。
インターネット上にはさまざまな情報があふれていますが、アフターピルの飲み過ぎが原因で不妊になるという医学的根拠はありません。

この記事では、アフターピルが不妊につながらない理由と、飲み過ぎによって起こりうる本当のリスクについて、専門的な知見を基に解説します。

目次

【結論】アフターピルを何度飲んでも不妊にはならない

アフターピルを過去に何回服用したとしても、また短期間に繰り返し使用したとしても、それが原因で将来不妊になることはありません。

アフターピルの成分が卵巣や子宮に永続的なダメージを与え、妊娠する能力に悪影響を及ぼすという医学的な証拠は示されていません。
したがって、服用回数を理由に将来の妊娠について過度に心配する必要はないと言えます。

アフターピルで不妊にならないと言える医学的な理由

アフターピルの服用が、なぜ将来の妊娠能力に影響しないのでしょうか。
その理由は、薬の作用機序と、WHO(世界保健機関)などの公的機関の見解によって説明できます。

アフターピルは、あくまで一時的に体内のホルモンバランスを変化させることで避妊効果を発揮するものであり、生殖機能そのものに長期的な影響を与える設計にはなっていません。

排卵を抑制または遅らせるだけで卵巣にはダメージを与えない

アフターピルの主成分であるレボノルゲストレルは、女性ホルモンの一種である黄体ホルモンです。
この成分を一時的に大量に摂取することで、脳からの排卵命令が抑制され、排卵を遅らせたり止めたりします。

この作用はあくまで一時的なもので、薬の成分が体外に排出されれば、身体は自然に元のサイクルに戻ろうとします。
卵子の質を低下させたり、卵巣の機能を永久に損なわせたりするような直接的な影響はなく、将来の妊娠能力を奪うことはありません。

WHO(世界保健機関)の見解でも将来の妊娠能力への影響は示されていない

世界保健機関(WHO)は、アフターピル(緊急避妊薬)の安全性と有効性について公式な見解を示しています。
その中で、アフターピルを繰り返し使用したとしても、将来の妊娠する能力に影響を及ぼすという証拠はないと明記されています。

この見解は、世界中の多くの研究や臨床データに基づいており、高い信頼性を持つものです。
アフターピルは排卵を一時的に抑制するだけであり、長期的な不妊の原因となるような影響はないと結論付けられています。

注意!不妊よりも心配すべきアフターピル飲み過ぎの身体的リスク

アフターピルの服用が不妊に直結することはありませんが、短期間に何度も使用することには別の身体的リスクが伴います。
高用量のホルモンを摂取することによる副作用や、正常な月経周期の乱れは、不妊以上に現実的な問題です。

アフターピルはあくまで緊急時の備えであり、常用することは推奨されません。
その理由となる具体的なリスクを理解しておくことが重要です。

ホルモンバランスの急激な乱れによる副作用

アフターピルは、意図的に体内のホルモン環境を急激に変化させることで避妊効果を得る薬です。
一度に高用量の女性ホルモンを摂取するため、ホルモンバランスが大きく乱れ、身体にさまざまな不調を引き起こす可能性があります。
具体的には、吐き気、嘔吐、頭痛、めまい、倦怠感、胸の張り、不正出血といった副作用が挙げられます。

これらの症状は通常24時間以内におさまりますが、身体にとっては大きな負担となるため、頻繁な服用は避けるべきです。

生理周期が不安定になり次の排卵日を予測しにくくなる

アフターピルを服用すると、ホルモンバランスが一時的に乱れるため、その後の生理周期に影響が出ることがあります。
予定日よりも早く生理が来たり、逆に大幅に遅れたりするなど、周期が不安定になりがちです。

生理周期が乱れると、次の正確な排卵日を予測することが非常に困難になります。
これにより、安全な日と危険な日の判断がつきにくくなり、結果として避妊計画が立てづらくなったり、意図せず妊娠のリスクを高めてしまったりする可能性があります。

避妊に失敗し望まない妊娠に至る可能性

アフターピルは、正しく服用した場合でも避妊効果が100%ではありません。
あくまで望まない妊娠を避けるための緊急的な手段であり、服用するタイミングが遅くなるほど効果は低下します。

アフターピルがあるからと安易に考えて避妊を怠ると、結果的に避妊に失敗し、望まない妊娠に至る可能性があります。
何度もアフターピルに頼る状況は、それだけ妊娠のリスクに繰り返しさらされている状態とも言え、確実な避妊法とは言えません。

アフターピル服用後に起こりやすい副作用の症状と対処法

アフターピルを服用すると、一時的なホルモンバランスの乱れから副作用が現れることがあります。
吐き気や頭痛、不正出血などが代表的な症状です。
これらの副作用は多くの人に見られますが、症状の現れ方には個人差があります。

副作用の仕組みを理解し、それぞれの症状に対してどのように対処すればよいかを知っておくことで、いざという時に落ち着いて対応できます。

吐き気や頭痛、倦怠感が現れた場合の対応

吐き気や頭痛、倦怠感はアフターピル服用後によく見られる副作用です。
これらの症状は通常、服用後24時間以内におさまる一時的なものですので、安静にして過ごすことが基本となります。

ただし、服用後2〜3時間以内に嘔吐してしまった場合は、薬の成分が十分に吸収されていない可能性があります。
その際は、薬の効果が得られないことがあるため、速やかに処方を受けた医療機関に連絡し、医師の指示を仰いでください。
症状が長引く場合も、医師に相談しましょう。

消退出血(生理とは違う出血)が起こる仕組み

アフターピル服用後数日から3週間以内に起こる少量の出血を「消退出血」と呼びます。
これは薬の作用で一時的に増えた女性ホルモン(黄体ホルモン)の血中濃度が急激に低下し、子宮内膜の一部が剥がれ落ちることで生じる出血です。

通常の生理とは異なるもので、量が少なく、期間も短いことが多いのが特徴です。
この出血が確認できれば、避妊が成功した可能性が高い一つの目安とされますが、必ずしも全員に起こるわけではありません。

予定日を過ぎても生理が来ないときにすべきこと

アフターピルを服用するとホルモンバランスが乱れるため、次の生理が予定日より遅れることは珍しくありません。
多くの場合、予定日の前後1週間以内に生理が来ますが、それ以上遅れることもあります。

もし予定日を1週間以上過ぎても生理が来ない場合や、消退出血かどうかわからない少量の出血しか見られない場合は、妊娠の可能性を考慮する必要があります。
市販の妊娠検査薬を使用するか、正確な診断のために産婦人科を受診してください。

アフターピルは緊急用!常用を避けるべき理由

アフターピルは、その名前が示す通り、あくまで避妊に失敗した際の「緊急用」の薬です。
性交後、最大でも5日(120時間)以内に服用する必要がありますが、常用することは推奨されません。
その理由は、避妊効果が100%ではないことや、服用に伴う身体的・精神的な負担が大きいことなどが挙げられます。

繰り返し使用する状況は、より確実な避妊方法を検討すべきサインです。

あくまで一時的な避妊法であり100%の効果ではない

アフターピルは、避妊に失敗した、あるいは避妊具を用いなかった性行為の後に、妊娠を防止するための緊急的な選択肢です。
しかし、その効果は100%保証されたものではありません。
性行為から服用までの時間が早ければ早いほど効果は高まりますが、それでも妊娠に至る可能性は残ります。

また、一度服用しても、その後の性行為に対する避妊効果はありません。
日常的に行う避妊法ではなく、あくまで一度限りの緊急措置として捉える必要があります。

身体的・精神的な負担が大きいことを理解する

アフターピルの服用は一度に高用量のホルモンを摂取するため吐き気や頭痛といった副作用を引き起こし身体に負担をかけます。
またホルモンバランスが乱れることで生理周期が不安定になり体調管理が難しくなることもあります。
精神面でも「妊娠したかもしれない」という強い不安やストレスを感じながら過ごすことになり薬を服用した後も生理が来るまで心配が続きます。

さらに1回あたりの費用も高額であり経済的な負担も無視できません。

繰り返しアフターピルを使うなら低用量ピルという選択肢

もしアフターピルを何度も使用する状況が続いているのであれば、それは現在の避妊方法が合っていないサインかもしれません。
そのような場合は、より計画的で確実な避妊方法である「低用量ピル」の服用を検討することをおすすめします。

低用量ピルは、毎日の服用で高い避妊効果を維持でき、身体的・精神的な負担を大幅に軽減できる選択肢です。

低用量ピルによる計画的な避妊のメリット

低用量ピルを毎日正しく服用することで、99.7%という非常に高い避妊効果が継続的に得られます。
これにより、性行為のたびに妊娠の不安を感じる精神的なストレスから解放されます。

さらに、低用量ピルには、避妊以外にも多くの副効用があります。
ホルモンバランスが整うことで生理周期が安定し、経血量の減少や月経痛の緩和、PMS(月経前症候群)の症状改善、ニキビの改善といった効果も期待できるため、QOL(生活の質)の向上にもつながります。

アフターピルと低用量ピルの費用や効果の違いを比較

アフターピルは緊急時に1回服用するもので、費用は1回あたり数千円から2万円程度と高額です。
一方、低用量ピルは毎日継続して服用し、費用は1ヶ月あたり2,000円から3,000円程度が目安です。

効果の面では、アフターピルが性交後の排卵を一時的に抑制するのに対し、低用量ピルは継続的に排卵を抑制し、計画的な避妊を実現します。
どちらのピルも、将来の妊娠能力に悪影響を与えることはなく、服用を中止すれば再び妊娠可能な状態に戻ります。

アフターピルの服用や不妊に関するよくある質問

アフターピルの服用に関しては、不妊への影響以外にもさまざまな疑問や不安が寄せられます。
ここでは、特に多くの方が抱える質問について、簡潔に回答します。

服用後の生理のタイミングや、万が一妊娠していた場合の胎児への影響など、知っておきたいポイントをまとめました。

Q1.アフターピル服用後、次の生理はいつ来ますか?

多くの場合、次の生理は予定通りか数日早く来ることが多いです。
しかし、薬の影響でホルモンバランスが乱れるため、予定日より1週間以上遅れることもあります。

これは異常なことではありません。
もし予定日から1週間以上過ぎても生理が来ない場合は、妊娠検査薬を使用するか、産婦人科を受診してください。

Q2.アフターピルを飲んだ後に妊娠がわかった場合、胎児に影響はありますか?

これまでの研究データでは、アフターピルの主成分である黄体ホルモンが胎児の奇形や発育に悪影響を及ぼしたという報告はありません。
万が一、服用したにもかかわらず妊娠が判明した場合でも、そのことが理由で妊娠の継続を諦める必要はありません。

心配な場合は、かかりつけの産婦人科医に相談しましょう。

Q3.短期間に2回以上アフターピルを飲んでも大丈夫ですか?

短期間に複数回服用することは可能ですが、その都度ホルモンバランスが大きく乱れるため、身体への負担は増します。
吐き気や不正出血などの副作用が起こりやすくなります。
ただし、繰り返し服用しても、それが原因で将来の妊娠能力に悪影響が及ぶことはありません。

常用は避け、低用量ピルなど確実な避妊を検討しましょう。

まとめ

アフターピルを何度服用しても、その影響で将来不妊になるという医学的根拠はありません。
アフターピルは一時的に排卵を抑制するだけで、生殖機能に永続的なダメージを与えるものではないためです。

しかし、不妊のリスクがないからといって、安易に飲み過ぎてよいわけではありません。
高用量のホルモン剤であるため、服用は身体に負担をかけ、生理不順や副作用を引き起こす可能性があります。
あくまで避妊失敗時の緊急的な手段であり、性交後5日以内の服用が求められます。
もし繰り返しアフターピルに頼る状況であれば、より確実で身体的・精神的負担の少ない低用量ピルへの切り替えを婦人科で相談することをお勧めします。

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この記事の監修者

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藤鬼 千子

住吉鍼灸院総院長

東洋鍼灸専門学校卒業後、2011年4月に住吉鍼灸院に入社し、9年間住吉鍼灸院院長として従事。
現在は総院長として妊娠を望むすべてのご夫婦に貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、不妊カウンセラー

《経歴》

東洋鍼灸専門学校 卒業
住吉鍼灸院 院長就任
住吉鍼灸院 総院長就任

《所属》

日本不妊カウンセリング学会会員

《SNS》

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