妊活中はおやつを我慢するべきだと考えている方もいるかもしれませんが、選び方次第で体に必要な栄養を補う良い機会になります。
3食だけでは不足しがちな栄養素を補給する目的で、間食を上手に取り入れるのがポイントです。
最近ではコンビニで手軽に購入できる市販品も増えており、栄養価の高いおやつが簡単に見つかります。
この記事では、妊活中に意識したい栄養素や、コンビニで買えるおすすめのおやつ、避けるべきおやつの特徴について解説します。
妊活中におやつを食べても大丈夫?間食を上手に取り入れるコツ
妊活中でもおやつを食べることは問題ありません。
むしろ、3度の食事で補いきれない栄養素を補給するチャンスとして、間食を賢く活用することが推奨されます。
我慢によるストレスは妊活に良い影響を与えないため、罪悪感なく楽しめるお菓子を選びましょう。
1日の間食の目安は200kcal程度とし、血糖値が上がりにくい午後3時頃に食べるのが理想的です。
空腹を我慢しすぎると次の食事で食べ過ぎてしまうこともあるため、栄養補給を目的としたおやつを適量摂り入れるのが上手な付き合い方です。
妊活中に意識して摂りたい栄養素とおやつの選び方
妊活中のおやつ選びでは、カロリーだけでなく含まれる栄養素に注目することが重要です。
特に、健康な体づくりや将来の赤ちゃんのために不可欠な栄養素を意識的に摂ることで、間食が体質改善のサポートになります。
体を温める働きのあるタンパク質や、血流を良くするビタミンE、妊娠初期に特に重要となる葉酸、そして女性が不足しがちな鉄分などを補給できるおやつを選ぶと、日々の食生活を効果的に補完できます。
体を温めるタンパク質
タンパク質は筋肉や血液、ホルモンの材料となる、体づくりの基本となる栄養素です。
食事から摂取したタンパク質は、体内で熱を生み出す働きがあるため、基礎代謝を上げて体を温める効果が期待できます。
体の冷えは血行不良につながり、子宮や卵巣の機能に影響を与える可能性があるため、妊活中は体を温めることが非常に重要です。
タンパク質は卵や大豆製品、乳製品などに豊富に含まれているので、これらを原料としたおやつを選ぶことで、手軽に摂取量を増やせます。
ホルモンバランスを整える上でも欠かせない栄養素です。
血流をサポートするビタミンE
ビタミンEは「子宝ビタミン」とも呼ばれる脂溶性ビタミンで、強い抗酸化作用を持つことが特徴です。
この抗酸化作用により、活性酸素から体を守り、細胞の老化を防ぐ効果が期待されます。
また、末梢血管を広げて血行を促進する働きもあるため、子宮内膜や卵巣への血流改善に役立ちます。
血流が良くなることで、必要な栄養素やホルモンが隅々まで行き渡りやすくなり、妊娠しやすい体づくりをサポートします。
ビタミンEはアーモンドなどのナッツ類、かぼちゃ、アボカドなどに多く含まれています。
赤ちゃんの成長に不可欠な葉酸
葉酸はビタミンB群の一種で、赤血球の生産や細胞の分裂・増殖に深く関わっています。
特に、妊娠初期の胎児の脳や脊髄が作られる時期に極めて重要な栄養素であり、神経管閉鎖障害という先天性異常のリスクを低減するために、妊娠を計画している段階からの十分な摂取が推奨されています。
葉酸は枝豆やほうれん草などの緑黄色野菜、いちご、納豆などに多く含まれますが、水溶性で熱に弱いため調理で失われやすい性質があります。
おやつで手軽に補うことも意識すると良いでしょう。
女性に不足しがちな鉄分
鉄分は、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの主成分であり、全身に酸素を運ぶ重要な役割を担っています。
女性は毎月の月経によって鉄分が失われやすいため、慢性的な鉄分不足に陥りがちです。
鉄分が不足すると貧血になり、めまいや疲労感といった不調の原因となるだけでなく、卵子の質の低下や子宮内膜が十分に厚くならないといった問題につながる可能性も指摘されています。
妊娠前から意識して摂取することが求められます。
鉄分は赤身の肉やレバー、あさり、またプルーンなどのドライフルーツにも含まれています。
【コンビニで手軽に買える】妊活中におすすめのおやつ7選
妊活中に必要な栄養素を補うためのおやつは、コンビニエンスストアで手軽に購入できます。
忙しい毎日の中でも、栄養バランスを考えた間食を手軽に取り入れられるのは大きなメリットです。
ここでは、タンパク質やビタミンE、鉄分などを補給できる、おすすめの市販のおやつを7つ紹介します。
選ぶ際のポイントもあわせて解説するので、日々の間食選びの参考にしてください。
素焼き・無塩が基本のミックスナッツ
ミックスナッツ、特にアーモンドには血行促進作用のあるビタミンEが豊富に含まれています。
ビタミンEの抗酸化作用は、卵子の質の向上にも良い影響が期待される栄養素です。
また、良質な脂質や食物繊維も手軽に摂取できます。
ナッツを選ぶ際は、塩分や油分、砂糖などが添加されていない素焼き・無塩タイプのものを選びましょう。
カロリーは比較的高めなので、1日に手のひらに軽く一杯程度の量(約25g)を目安にすると食べ過ぎを防げます。
よく噛んで食べることで満腹感も得やすくなります。
タンパク質が豊富なギリシャヨーグルト
ギリシャヨーグルトは、一般的なヨーグルトに比べて水分(ホエイ)が取り除かれているため、濃厚でクリーミーな食感が特徴です。タンパク質が非常に多く含まれており、筋肉量の維持に役立つと考えられています。
また、腸内環境を整える善玉菌も含まれており、便秘の改善にもつながると言われています。商品を選ぶ際は、糖分が多く含まれているフルーツソース入りなどではなく、無糖のプレーンタイプがおすすめです。きな粉や少量のドライフルーツをトッピングして栄養価を高めるのも良い方法です。
鉄分や食物繊維が摂れるドライフルーツ
ドライフルーツは、果物の水分を飛ばして栄養素を凝縮した食品です。
プルーンやレーズン、デーツ(なつめやし)などには、鉄分や食物繊維、カリウムなどが含まれています。特にレーズンは、鉄分を比較的多く含んでいます。また、便通を整える食物繊維や、むくみ解消に役立つカリウムなども手軽に補給可能です。
自然な甘みがあるため満足感も得やすいですが、糖分も凝縮されているため食べ過ぎには注意が必要です。
選ぶ際は、砂糖や植物油などが添加されていない、果物だけで作られたシンプルなドライフルーツを選ぶことが大切です。
手軽にカルシウムを補給できるチーズ
チーズは、良質なタンパク質と骨や歯の健康に欠かせないカルシウムを手軽に補給できる優れた食品です。
カルシウムにはイライラを鎮めて精神を安定させる働きもあり、妊活中のストレス緩和にも役立つ可能性があります。
プロセスチーズは添加物が含まれていることが多いので、原材料が「生乳」と「食塩」のみのナチュラルチーズを選ぶのがおすすめです。
コンビニで手軽に購入できる個包装のベビーチーズや6Pチーズは、塩分や脂質も含まれるため、1日に1〜2個程度を目安にしましょう。
栄養バランスに優れたゆで卵
ゆで卵は「完全栄養食」ともいわれるほど、栄養バランスに優れた食品です。
良質なタンパク質はもちろん、鉄や亜鉛、ビタミンA、ビタミンDなど、妊活中に必要な栄養素が豊富に含まれています。
特に卵黄には、細胞膜の材料となるコリンという栄養素が含まれており、胎児の脳の発達にも重要とされています。
コンビニでは味付きのものや塩付きのものが手軽に購入でき、調理の手間なく食べられる点も大きな魅力です。
忙しい日の栄養補給としておすすめの間食です。
自然な甘みがうれしい干し芋
干し芋は、さつまいもを蒸して乾燥させただけの非常にシンプルな和菓子です。
砂糖や添加物が使われておらず、さつまいも由来の自然な甘みを楽しめます。
食物繊維が非常に豊富で、腸内環境を整えて便秘の改善に役立ちます。
また、塩分の排出を促すカリウムも多く含んでいるため、むくみが気になる方にも適しています。
血糖値の上昇が緩やかな低GI食品でもあるため、血糖値の急変動を避けたい妊活中のおやつとして安心して取り入れられます。
カリウムが豊富なバナナ
バナナは、手軽にエネルギーを補給できるだけでなく、栄養価も高い果物です。
特に、体内の余分な塩分を排出してむくみを解消する効果のあるカリウムが豊富に含まれています。
また、赤ちゃんの成長に欠かせない葉酸や、腸内環境を整える食物繊維も摂取可能です。
消化が良く、自然な甘さで満足感も得やすいため、小腹が空いた時のおやつとしておすすめです。
コンビニやスーパーで一年中手に入り、調理の必要がない手軽さも魅力の一つです。
妊活中は要注意!できるだけ避けたいおやつの特徴
妊活中に食べるおやつは、栄養補給というプラスの側面がある一方で、選び方を間違えると体に負担をかけてしまう可能性もあります。
特に、体を冷やしたり、ホルモンバランスを乱す原因になったりするものは避けるべきです。
妊活中は、これから紹介するような特徴を持つおやつの摂取はできるだけ控えるように心掛けましょう。
成分表示などを確認する習慣をつけることも、賢いおやつ選びにつながります。
血糖値を急激に上げる白砂糖や小麦粉を使ったもの
白砂糖や精製された小麦粉を多く使用したケーキ、クッキー、菓子パンなどは、摂取すると血糖値を急激に上昇させます。
急上昇した血糖値を下げるために、すい臓からインスリンが大量に分泌され、今度は血糖値が急降下します。
こうした血糖値の乱高下は、自律神経やホルモンバランスの乱れを引き起こす一因となります。
また、過剰な糖は体内のタンパク質と結びついて「糖化」という現象を起こし、細胞を老化させます。
この糖化は卵子の質の低下にもつながる可能性があるため、注意が必要です。
体を冷やす原因になる冷たいお菓子
妊活中において、体の「冷え」は血行不良を招く大敵です。
血流が悪くなると、子宮や卵巣に十分な酸素や栄養が届きにくくなり、妊娠しにくい状態につながる可能性があります。
アイスクリームやかき氷、冷たいゼリーといったお菓子は、直接的に内臓を冷やしてしまいます。
また、冷たいジュースや清涼飲料水も同様です。
おやつを食べる際には、体を冷やさない常温のものや、温かい飲み物と一緒に摂るなどの工夫を心掛けることが大切です。
妊活中は、できるだけ体を温めることを意識しましょう。
マーガリンやショートニングなどトランス脂肪酸を含むもの
トランス脂肪酸は、植物油を加工する過程で生成される不自然な脂肪酸で、マーガリンやショートニング、ファットスプレッドなどに多く含まれています。
これらを原材料として作られるクッキーやパイ、スナック菓子、ドーナツ、菓子パンなどを食べる際には注意が必要です。
トランス脂肪酸の過剰摂取は、悪玉コレステロールを増加させ、動脈硬化のリスクを高めるだけでなく、血流の悪化やホルモンバランスの乱れ、排卵障害のリスクを高めるという研究報告もあります。
おやつを選ぶ際は原材料表示を確認する習慣をつけましょう。
添加物や人工甘味料が多く使われている加工食品
妊活中は、できるだけ自然に近い形の食材を摂り、体に余計な負担をかけない食生活が理想的です。
市販のお菓子や加工食品の中には、保存性を高めるための保存料や、見た目を良くするための着色料といった食品添加物が多く使われているものがあります。
また、「カロリーゼロ」や「糖質オフ」を謳う商品には、人工甘味料が使用されていることが少なくありません。
これらの化学物質が体に与える影響は明確に解明されていない部分もありますが、ホルモンバランスに影響を及ぼす可能性も否定できないため、妊活中はなるべく避けるのが賢明です。
カフェインの過剰摂取につながる飲み物やお菓子
妊活中のカフェイン摂取については、完全に禁止する必要はありませんが、過剰に摂るのは避けるべきとされています。
カフェインには血管を収縮させる作用があり、体の冷えや血行不良の原因となる可能性があります。
また、鉄やカルシウムなどのミネラルの吸収を阻害する働きも指摘されています。
コーヒーや紅茶、緑茶だけでなく、チョコレートやココア、エナジードリンクにもカフェインは含まれています。
おやつとしてチョコレートを食べる際は、高カカオのものほどカフェイン含有量が多い傾向にあるため、量に注意が必要です。
まとめ
妊活中のおやつは我慢するものではなく、3度の食事で不足しがちな栄養素を補うための「補食」と捉えることが重要です。
体を温めるタンパク質や血流を促すビタミンE、胎児の成長に必要な葉酸、女性が不足しやすい鉄分などを意識して選ぶと良いでしょう。
コンビニで手軽に購入できる素焼きナッツやギリシャヨーグルト、ドライフルーツ、ゆで卵などを上手に活用するのがおすすめです。
一方で、体を冷やす冷たいものや、血糖値を急激に上げる甘いお菓子、トランス脂肪酸や添加物が多く含まれる加工食品はできるだけ避けるように心掛けましょう。
ストレスを溜めずに、賢くおやつを選んで妊活期間の食生活を豊かにすることが求められます。








