不妊症にピルが使用される理由とは??

公開日:2024/01/31 

更新日:2024/04/26

こんにちは、東京都江東区にある不妊専門鍼灸院、住吉鍼灸院です。

 

本日は、「不妊とピル」についてお話をしていきます。

ピルといえば、避妊目的で使用していたり月経痛を緩和するために飲んでいたりと若いうちから内服している方も多いのではないでしょうか?

ピルを飲んでいると中々妊娠しづらいのかなと思っている方も少なくないのでは?ですが、不妊治療のひとつとしてピルを使って治療することがあります。

本日は不妊症になぜピルが使用されるのかについてお話をしていきます。

ピルとはそもそもなんなのか

ピルの正体はホルモン剤です。ホルモンにも女性ホルモンや男性ホルモン、また成長ホルモンなどがあります。これらのホルモンががどのような働きをするか。ホルモンの種類により異なりますが、女性ホルモンは、女性の生理周期に大きく関係しています。

エストロゲンやプロゲステロンという名称を聞いたことがありますか?不妊治療を行っている方や、ピルをすでに服用されている方は、もちろんご存知かと思います。これらは女性ホルモンの一種で、それぞれに役割が違います。

エストロゲンは卵胞ホルモンと呼ばれ、主に卵胞の中で卵子を成長させる働きをします。女性らしい身体つきを促進したり、女性の健康には欠かせない成分です。

プロゲステロンは、黄体ホルモンと呼ばれ、主に子宮内膜を厚くしたり、妊娠の準備を担います。

分かりやすくお伝えすると、
エストロゲン:卵を育てるホルモン
プロゲステロン:赤ちゃんの部屋をつくるホルモン
ちなみにこれらのホルモンはそれぞれ別に不妊治療ではホルモン補充療法で補うことも可能です。

 

現代女性は生涯450回の月経回数がある

昔に比べ現代の女性のライフスタイルは著しく変化しました。
一昔前、1人の女性が5~6人出産し完全母乳で育てる、というのが一般的だったわけですが、現在では生涯に出産する子供は1-2人、授乳もミルク(人工乳)を使用する、というスタイルになっているわけです。
妊娠期間中、授乳期間中は生理はとまるため、昔よりも現代の女性の生涯月経回数の増加に繋がっています。

昔の女性は生涯の月経回数が150回~200回だったのに対して、現代社会に生きる女性は単純計算で生涯に約450回の月経を経験することになります。
これは、昔の女性にはあり得なかった回数で、すでに「野生生物であるヒト」として神様が想定していた回数をはるかに上回っている状況と言えるのかもしれません。

このように、現代に生きる女性は、過去にはあり得なかった途方もない回数の月経を経験しなければならない運命にあります。

そして女性の「月経経験回数の増加」が例えば子宮内膜症や卵巣がんなど様々な病気の増加につながっていることが次第に明らかとなってきています。

 

 

ホルモンバランスが乱れることで不妊になりやすい

女性ホルモンのエストロゲン、プロゲステロンなどのホルモンらが通常は身体の中で影響し合って健康や月経が維持されていますが、なんらかの理由により正常に機能しなくなることが起こります。すると、みなさんの身体に現れる妊娠しづらくなる症状として一番分かりやすいのは、基礎体温が乱れてくることが考えられます。

例えば、およそ28日周期の月経の中で、基礎体温は正常であれば排卵を中心として上下しますが、これが一定の体温のまま変化がなくなるといったことが起こります。そうすると排卵予測ができないため、排卵に合わせて自己流でタイミングをとることが難しくなります。

その理由は、ホルモンの働きが正常に行われなくなることで起こる症状です。なぜなら、ホルモンの機能として、体温を上げたり、下げたりするという働きもあるからです。エストロゲンは低温期を、プロゲステロンは高温期をそれぞれ生み出します。また低温期と高温期がそれぞれ現れることを二相性(にそうせい)といいます。

他に体温でわかる例として、低温ばかり続いているのであればプロゲステロンが働きが悪い。また逆もしかりで、高温ばかりだとエストロゲンの働きが悪といった具合になります。

エストロゲンの働きが悪くなることで、卵胞の育ちが遅くなったり中々内膜の厚さがでなかったりします。そして、プロゲステロンは高温期を維持するのですが、高温期を維持できなければ妊娠の維持もできなくなります。

 

ピルと女性ホルモンの関係

最初にもピルはホルモン剤であるとお話しました。そして、妊娠にはホルモンバランスが大きく影響していてホルモンバランスが乱れることで不妊になりやすいと考えられています。

ではここでピルの働きは、女性ホルモンの働きを助ける役割を担うものだということだとお分かりいただけましたでしょうか?また、ピルを服用するのは1度きりではなく、飲み続けることではじめて効果を発揮します。なぜなら、ピルの錠剤をみたことある方であればお分かりかと思いますが、1日1錠、その日その時間に決められた錠剤が個別にシート状に用意されています。これは、飲むタイミングで働かせるホルモンの役割が女性の身体に合わせて調整されているのです。簡単にいえば、エストロゲン、プロゲステロンの配合量などがそれぞれ微妙に調整されています。その理由は、女性の月経周期に合わせたホルモンの量を計算されているからです。

つまり、これを服用し続けることによって、例えば生理不順などで乱れていた生理周期を正常な状態へと導くという働きになります。すると、生理がこないといった症状の方が、徐々に理想の28日周期で生理がきちんとくるようになってきます。

また、避妊薬としてのイメージを定着させた機能ですが、ピルを服用し続けると生理自体はくるのですが、排卵をしていない状態になります。これはどういうことかというと、疑似月経という状態に近く、簡単にいえば、妊娠していないのに、妊娠したと似た状態になっているということです。妊娠しているのに、さらに妊娠するということはできませんよね。なので世間的に「ピルを飲むと妊娠をしない = 避妊薬」というイメージになっています。

 

 

妊娠中は排卵は起こらない

ピルを内服すると排卵していない状態になる話をしました。妊娠中というのは排卵する必要がないために、卵巣に卵が温存されます。厳密には原子卵胞という卵の元になるものですが、これにより無駄な排卵を抑えられます。元々女性の卵子というものは数に限りがもともとあり、実はご自身が赤ちゃんとして生まれた時が一生のうちで最大の数を保有しており、日々減少し再び作られることはありません。ですから年齢を重ねれば重ねるだけ減少する運命にあるのです。これが男性の精子が日々生成されることとの男女差の大きな違いとなります。ピルを内服すると全く卵の数は減っていないとは限らないのですが、排卵する回数が減るため卵が温存されると考えられています。

ですから、ピルを服用し続けることにより、排卵を抑えるということは、妊娠を望むタイミングまで限りある卵をなるべく温存するということが可能になります。ですから、不妊の原因の中でも、特に高齢によるところの卵の数がそもそも少ないといったことに、若いうちから備えておくようなことがピルをうまく利用することにより可能となるわけです。もちろん、不妊の原因は卵の数の問題だけではないので、ピルを飲めば不妊が治るというわけではありません。

 


「いつか産むために」、今をピル周期にしておく

不妊治療をされている多くの方が「子宮内膜症」を併発している方がいます。子宮内膜症は、そのものが不妊の原因になるばかりではなく、内膜症の手術を受けられた若い方が閉経寸前のような状態となり、絶望的な状態になってしまうことすらあります。「昔から生理痛がひどかった」という方も少なくありません。

一方で、生理痛が強い方が若い時からピルを使用していると将来子宮内膜症になるリスクが下がることが知られています。

妊活をしていない方はまだまだ遠い将来のことのように感じてしまうと思うのですが、実は今、知ること、そして判断しておくことがとても重要なのです。今の日本ではピルに対する抵抗感が強いのですが、今、何もしないまま放置してしまうと将来不妊になってしまうケースが非常に多いのです。
ピルには、将来の不妊を防ぐ、という利点もあります。将来の自分のために、今、知る、そして判断しておく、ということがとても大事なのです

ピルの欠点

ピル内服中は血栓ができやすくなるともいわれています。同じ人でも、長時間安静にしたりストレスを受けた直後は血が固まりやすくなります。一方で、有酸素運動をした後は血栓を溶かす力がアップしているそうです。このように、1日の内でも「血の固まり易さ/溶けやすさ」は変動しているわけです。このの「血の固まり易さ/溶けやすさ」は生活習慣でも変化します。タバコを吸う人、血圧が高い人、肥満の人は「血が固まりやすい」方に振れています。脱水の人や妊婦さんも「血が固まりやすい」方に振れています。高齢の方も「血が固まりやすい」方に振れています。そして、ピルを内服している人も少し「血が固まりやすい」体質に変化する、というわけです。その点は生活習慣も見直し対策していきたいですね。

正しくピルを使用して妊娠に向けて体を整えましょう

人間、痛いことは嫌なのです。「痛い」とわかっている注射を受けたい人はいないわけです。「痛い」とわかっている生理も同じです。しかも女性は生理は避けて通ることはできないわけです。ピルにおける痛いことは「副作用が怖いから」です。なので無理強いはしません。リスクが高い方には処方されるときに提案されると思います。一人でも多くの女性が生理の苦痛から解放され、そして何より「将来、不妊にならないように」。正しい情報で正しく本来お子さんを欲しいタイミングで授かれる人が一人でも増えて行く事を願っております。

 

 

本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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【監修】

住吉鍼灸院 院長 藤鬼 千子

鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師

2011年国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得。
2011年住吉鍼灸院入社。
2017年不妊カウンセリング学会認定、不妊カウンセラー。

施術歴13年

 

 

 

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この記事の監修者

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藤鬼 千子

住吉鍼灸院総院長

東洋鍼灸専門学校卒業後、2011年4月に住吉鍼灸院に入社し、9年間住吉鍼灸院院長として従事。
現在は総院長として妊娠を望むすべてのご夫婦に貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、不妊カウンセラー

《経歴》

東洋鍼灸専門学校 卒業
住吉鍼灸院 院長就任
住吉鍼灸院 総院長就任

《所属》

日本不妊カウンセリング学会会員

《SNS》

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