不妊治療の基礎知識 総まとめ

公開日:2019/10/16 

更新日:2019/10/16

今回は、これから妊活をはじめようという方に向けて、お話していきます。 

妊娠を希望されてから1年~経っているようでしたら、早い段階で病院での検査にいくことをお勧めします。 鍼治療は体を妊娠しやすい体質に改善していくお手伝いはできますが、何か器質的な問題があった時、それを治すことは中々難しいからです。 
検査をすることで、自分の身体の状態を把握でき、また思いもよらない原因が見つかる可能性もあります。 具体的な治療に進まず、自分達でタイミングをとる場合でも、検査だけは受けておいた方が良いでしょう。 その際、子宮ガンの検査も受けておくと安心ですよ。 

検査の種類も、それを受ける病院も様々な種類があります。 それぞれの特徴について、詳しくお伝えしていきますね。
そして、最後に不妊の三大要因についてもお話していきます。
 まずはじめは、月経期から排卵前までに行う検査3つご紹介いたします。 

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月経中
 ■基礎ホルモン検査 採血をして、排卵や妊娠に関わるホルモンの分泌を血液検査で調べます。 
・時間…採血には3分~4分程。結果が出るまでには1時間ほどかかります。 
・料金…約2500円(保険適応) 
【わかること】排卵障害の原因、多嚢胞性卵巣症候群、高プロラクチン血症。 
低温期 
■子宮卵管造影検査 子宮に造影剤を注入し、X線撮影をし、子宮の形状や卵管がきちんと通っているかなどを調べます。この検査自体が卵管通りを良くして、治療的な果たすこともあります。
 ・時間…5分~10分。 ・料金…約2500円。 
【わかること】卵管閉塞や癒着の有無、子宮の大きさや形状、奇形など。 

■子宮鏡検査 膣から子宮腔内に内視鏡を挿入して子宮内の様子を確認します。超音波の検査で異常が疑われた場合に用いられ、ポリープ等の詳しい形状などを確認します。また、卵管口の確認もできます。 
・時間…5分。 ・料金…約3500円。 
【わかること】子宮内膜ポリープ、子宮粘膜下筋腫、子宮奇形。 

つぎに排卵から高温期にかけて行う検査と、男性が行う検査についてご紹介させていただきます。 

排卵期~高温期 
■超音波検査(卵胞チェック) 超音波を使って子宮や卵胞の状態をチェックする検査です。月経周期に合わせて数回行われて、低温期~排卵までの間には卵胞の成長状態や内膜の状態を確認したり、排卵が近づいてくると、タイミングをとる参考になります。また、排卵後、卵巣にあった卵胞が消えているかをみて排卵がされているかチェックします。 
・時間…3~4分。 ・料金…約2000円~3000円。 
【分かること】子宮筋腫、卵巣腫瘍、卵胞の発育状況、子宮内膜の厚さ、排卵日の予測。      

■フーナーテスト 排卵日の朝にセックスをして、当日に受診し、射精された精子が子宮頸管を通ってちゃんと子宮まで到達しているかを確認するテストです。内診台で頸管粘液を採取し精子の状態を顕微鏡で確認します。
 ・時間…1~2分。 ・料金…約1000円。 
【分かること】 ・精子の数や運動性。 ・頸管粘液の生産量や粘度の高さ。 ・抗精子抗体の有無の推定。 

■黄体ホルモン・卵胞ホルモン検査 前回のホルモン検査と同じです。 
男性の検査 
■精液検査 マスターベーションで精液を採取し顕微鏡で、精液の量、濃度、運動率、奇形率などを調べる検査です。自宅で専用容器に採取するか、施設の採精室で採取します。自宅で採取した場合は3時間以内に病院に届けます。
 ・時間…10分。 ・お金…約5000円。 
【分かること】 ・精子の数や運動率、奇形率、白血球数など。

 男性の検査は女性に比べてとても少ないです。 不妊症の原因は女性だけでなく男性が原因のこともあります。 妊活は夫婦の問題であって、不妊治療は女性だけが頑張るのでなく、夫婦2人でどんな結果だったとしても愛おしい時間だったと思えるような時間であってほしいと願います。

妊活に関わる病院の種類と特徴をお伝えしていきます。
 不妊治療で通う病院は、 「大学病院、総合病院」 「産婦人科(個人病院)」 「不妊専門クリニック」 と大きく分けて3つあります。 
それぞれの特徴をメリット、デメリットに分けてみました。

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 ■大学病院、総合病院 
〈メリット〉 ・産科も含めて多数の診療科がある。・そのため、男性不妊の泌尿科などと連携がとりやすく、出産まで見てもらえる。 ・スタッフが多い為緊急時も安心。 ・最新設備など設備が充実。 
〈デメリット〉 ・担当の先生が診察の度にかわることも・・・。 ・一般的に待ち時間が長く、診察時間は短いことが多い。 ・妊婦さんと待合室が同じ場合がある。 

■産婦人科(個人病院)
 〈メリット〉 ・入院施設がある。 ・自宅や会社などから近いところを見つけやすい。 ・いつも同じ担当医に見てもらえる。 ・不妊外来をうたう施設も増えている。
 〈デメリット〉 ・施設によって不妊治療の知識や技術に差が大きい。 ・高度生殖医療には転院が必要な場合多い。 ・妊婦さんと同じ待合室であることが多い。 

■不妊専門クリニック 
〈メリット〉 ・高度不妊治療まで受けられる。 ・医師に一定以上の基礎知識がある。 ・不妊カウンセラーや培養士など不妊の専門家がそろう。 ・メンタルケアにも配慮がある。 
〈デメリット〉 ・数が少ない ・有名であるほど待ち時間が長い ・自由診療が多く負担金が大きい それぞれメリット、デメリットはありますが、先々の治療も視野に入れながら自分に合っているなと思え、医者が患者さんの声に耳を傾けてそれに沿った対応をしてくれる、不妊専門のクリニックを選ぶことがおススメです。


不妊症の3大因子についてのお話です。 
原因がわからないことも多い不妊症ですが、 不妊に妊娠に至るための3つのプロセス(男性が精子を射精すること、女性が卵子を排卵すること、その二つが受精し着床すること)が欠けていることで妊娠に至らないケースがあります。 
そのプロセスと因子を理解して、補える所は西洋医学、病院の医療で補っていくことが不妊治療のスタートとなり、妊娠に繋がります。
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 【妊娠に至る3つの因子】 ① 卵管因子(受精出来ていない)36% ② 排卵・卵巣因子(成熟した卵子の排卵)29% ③ 男性因子(元気な精子が子宮卵管にたどり着く)31% ひとつずつ説明します。
 
■卵管因子 卵管とは卵巣から排卵された卵子を子宮へ運ぶ細い管の器官で、卵子が精子と出会い、受精するところでもあります。卵管が詰まっていたり細くなっていると、上手く巡り合えず、受精出来ません。また、卵巣から排卵された卵子を取り込む卵管采も重要な働きをしています。 

■排卵・卵巣因子 卵子が育たない、排卵しないなど排卵障害が大きな原因です。 妊娠に関わるホルモンが上手く分泌されていないのが原因の一つで、極度の瘦せ、肥満、ストレス、甲状腺機能障害なども影響します。卵巣機能不全やPCOS、高プロラクチン血症、黄体機能不全も排卵障害の原因になります。

 ■男性因子 沢山の精子が元気に子宮まで通って、卵管の中までたどり着くことは妊娠の前提条件。 十分な精子が毎日作られて、膣の中で射精できるかも問題となってきます。 原因を知ることによって、治療を進めることができます。 しかし、ほとんどの場合、冷えや、血流不足、歪み、疲労など目に見えない原因を併用しています。 鍼灸治療や整体などで、自分の身体の環境を整えていくと、より治療の効果も出やすくなります。

住吉鍼灸院ではご夫婦で通われているかたも多い鍼灸院です。 
そんなお二人をサポートし、幸せな家庭が増えていくことを願って日々診療に当っています。
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お悩みの際はぜひお話をお聞かせくださいね。とことんサポートさせていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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この記事の監修者

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藤鬼 千子

住吉鍼灸院総院長

東洋鍼灸専門学校卒業後、2011年4月に住吉鍼灸院に入社し、9年間住吉鍼灸院院長として従事。
現在は総院長として妊娠を望むすべてのご夫婦に貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、不妊カウンセラー

《経歴》

東洋鍼灸専門学校 卒業
住吉鍼灸院 院長就任
住吉鍼灸院 総院長就任

《所属》

日本不妊カウンセリング学会会員

《SNS》

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